会社のスローガンを作ることになった。
突然そのような立場になり、何から始めたらいいのかわからず困っていますよね。
自社の強みを取り入れるべきか、目標とすることを発信するべきか…。
今回は、スローガンをどう作ったらいいのか?
特に品質を全面におしだすスローガンの作り方と、その浸透方法を、企業の例文も踏まえてご説明していきます。
スローガンの作り方のポイントは?作る目的は?企業ならではの作り方はある?
さて、スローガンを作ろう。
学生の作る体育祭でのスローガンなどとは違い、企業のスローガンには各々の企業に別の目的、アピールポイント、注意点があります。
それらをまず頭に叩き込み、スローガンを考え始めましょう。
スローガンを作り、世に浸透させることで、その企業への認知や理解が深まり、記憶に残り、いざという時に消費者に選ばれる企業となります。
では何から始めたらいいか。
まずは、そのスローガンが誰に向けてのものか明確にすることです。
消費者に向けたものなのか。
社内の特定の部署に向けたものなのか。
そこを明確にすると、まず使う言葉が定まってきます。
消費者に向けたものなら、命令形や強い口調は使えませんよね。
逆に、社内に向けたものならば、長くなるならば多少言葉を削り命令口調にしてシンプルにしてもいいでしょう。
次に考えるのは、何を一番にアピールするかです。
今回の場合は品質についてですので、そこを全面におしだし、品質という言葉をそのまま盛り込むとわかりやすく伝わります。
企業の品質に関するスローガンの例文3選!
言葉で説明してもイメージが浮かびにくいと思いますので、企業の品質に関するスローガンをご紹介します。
“品質は、使う気持ちで物作り。” 「井上樹脂株式会社」
こちらの企業は、プラスチック射出、成形加工を専門とした企業です。
作業をしている中で、商品の行きつく先である消費者の気持ちに自身がなり、自身がたくさんの他者の製品の中からでも自社の製品を選びたくなるような、そんな真心のこもったスローガンです。
消費者視点で考えても、企業が自身が使うつもりで丁寧に作られた商品だということが十分に伝わり、ぜひ選んでみようという気持ちになります。
“よい品に心をこめて、人によろこび 地球にやさしさ” 「トヨタ自動車株式会社1999年スローガン」
皆さまご存知、トヨタ自動車株式会社の1999年のスローガンです。
車という大きなものを作るにあたって、よい品を心をこめて作ることはもちろん、乗る人へのよろこびという配慮が一瞬でわかります。
なにより、地球にやさしさ、という部分が自動車会社ならではですよね。
自動車は便利で生活を豊かにしてくれますが、排気ガスなどの問題は未だ完全には解決していません。
そのことに関して、隠し逃げるのではなく、自分たちも地球の環境のことを考えているのだという主張が強く伝わってきます。
“純日本品質” 「東海漬物株式会社」
こちらは、包装つけものを主体とした製造・販売を行っている企業です。
シンプルイズベストと言わざるをえない見事なスローガンですよね。
純という言葉に、偽らず、こだわり、余分なものは使わない、という強い意志が感じられます。
漬物という日本の伝統ある商品を、真っ直ぐとした気持ちで作り、消費者に届けようというシンプルですが一番大切なことが詰まったスローガンではないでしょうか。
企業の品質に関するスローガンを社員に浸透させる方法はある?
せっかく頭をひねり作り出して作りあげたスローガン。
これを社員に浸透させ、社員の心をひとつにする方法はあるのでしょうか。
まず、作成したことを周知するため、社内報に載せましょう。
しかし、皆が皆社内報をしっかりと読んでいるわけでもなく、また一度見たからといって記憶に強く残るかといったらそうとはいえまぜん。
やはり、一度ではなく日々のルーティーンに取り入れることが浸透への一番の取り組みです。
では具体的にどうしたらいいのか?
朝礼で唱和したり、張り紙を社員の目につくところにしたりしてもいいでしょう。
張り紙の場所は、廊下など一瞬で通り過ぎてしまう場所よりも、トイレなど、ある程度立ち止まったり思考が休んでいる時にふと目に入る場所にすると、人はなんとなくその文章、スローガンを目で追ってしまうものです。
また、そのスローガンの入ったボールペンなど、社内で共有するものに刻み込むのもひとつの手だと思います。
スローガンの変更のタイミングは?毎年変更すべき?
スローガンの変更タイミングはいつがいいでしょうか。
上記でスローガンの例としてあげたトヨタ自動車株式会社では、スローガンを毎年変えている時期や、何年も同じものを使っている時期など、さまざまです。
これは、背景に自動車への消費者のイメージの変化などが関係していると考えてもいいかもしれません。
例えば、二酸化炭素で地球温暖化が叫ばれるようになった時期には、その原因のひとつである自動車は、そのことに配慮していることを全面に出さなければならなかったでしょうし、今後自動車の輸出入が更に活発化していけば、トヨタは自社の製品のアピールポイントをわかりやすく押し出さなければならなくなるかもしれません。
このように、時代のニーズに沿って変更するかしないかを決めるのが一番良いと思います。
変更のタイミングは、時代のニーズが変わる少し前の段階で行うのが一番ですが、なかなかその時流をつかむのは難しいですよね。
ですので、なにか問題などが浮き彫りになった際に、しっかりその問題と向き合い、変更するのが良いでしょう。
逆に、毎年変更し、毎年新しい風を社内に吹き込むというのも手のひとつです。
メリットとしては、上記であげたように新しいアピールポイントを周知できること、時代のニーズに遅れずついていけることなどがあげられます。
デメリットとしては、やはり毎年変えてしまうとスローガン自体の浸透率はあまり高まらない可能性があります。
時流に合わせ、メリットデメリットも踏まえたうえでいつ変更するか吟味しましょう。
まとめ
今回は企業のスローガン、特に品質に関するスローガンの作り方についてご紹介してきましたが、どうだったでしょうか?
以下にまとめを述べておきます。
- 誰に向けたもので、何を一番アピールしたいスローガンを作るのか考える
- 品質についてまとめられた企業のスローガンから作り方を学ぶ
- スローガンを社内に浸透させるためには、ルーティーンの中に組み込むとよい
- スローガンの変更タイミングは、時代のニーズに合っているかで考える
スローガンは、作るのももちろん大変ですし、浸透させるのも簡単ではありません。
しかし、あなたの考えたスローガンによって、社員の意識がひとつになり、さらなる品質向上につながると思えば、とてもやりがいのある作業です。
今回紹介したもの以外でも、他社のスローガンを見て学び、あなたの企業だけの素敵なスローガンを作って下さい。
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