各学期の始まりに行われる始業式。
特に3学期の始業式は新年の始まりでもあります。
これから始まる楽しい年に向け、生徒も先生も新鮮な気持ちでいることでしょう!
私も休み明けの学校は、仲の良い友達と久しぶりに顔を合わせて嬉しかったり、学校生活の始まりにドキドキしたりしたものです。
そんな新年最初の始業式で、校長先生はどんな話をしたら良いでしょう?
講話に慣れている校長先生も、始業式では何を話そうかと頭を悩ませていませんか?
子供たちに聞かせる話を考えるのも難しいものですよね。
そこで今回は、小学校3学期始業式での校長講話について、実際に参考になる例文とともに、始業式の式次についてと話す内容のポイントや長さについて、4つの項目をご紹介していきます!
始業式を迎える校長先生はぜひ参考にしてくださいね。
- 小学校3学期始業式の校長講話例文!
- 校長講話の作法とは?
- 3学期始業式の式次第は?
- 参考になる校長講話例!
小学校3学期始業式の校長講話例文!
最初に、簡単な校長講話の例文を一つご紹介していきます。
みなさん、おはようございます。
そして、あけましておめでとうございます。
いよいよ〇年度の3学期が始まりますね。
さて、3学期というのは「0学期」とも言われています。
この意味がわかりますか?
1年生にとっては2年生の0学期、6年生にとっては中学1年生の0学期ということです。
0学期ですから、次の学年になる準備をする時間です。
みなさんには、この3学期の間に今まで習った勉強を復習したり、学年が上がるという心構えや新しい目標を持ってほしいと思います。
たとえば、「きちんとあいさつができるようにしよう」「友達と仲良くしよう」「たくさん本を読もう」など、なんでもいいんです。
なにか目標を決めて生活してみてください。
※校長先生の目標は運動することです。
冬休みの間は時間がたくさんありました。
でも、外は寒いですよね。寒いとなかなか動くのが大変ですよね。
明日からやろうやろうと思っていながら過ごしているうちに、とうとう何もできないまま冬休みが終わってしまいました。
このままではいけません。
なので今年は寒さに負けず、たくさん運動していきたいと思います。
風邪なんかひかないようにしっかり体力をつけ、健康な体を手に入れたいと思います。※
校長先生も目標を持ってがんばるので、みなさんも校長先生に負けないように目標を持って過ごしてください。
今までよりひとつ立派なお兄さん、お姉さんになれるよう、貴重な3学期を送ってください!
以上で校長先生の話を終わりにします。
この例文では、目標を持つという話についてまとめてみました。
テーマをひとつに決めているのでしっかり伝わりやすいと思います。
ポイントは、話の内容を一つにまとめていることと自分の実体験を盛り込んでいること。
少し砕けた感じに自分の話をすることで、生徒との距離感もぐっと近くなりますよね?
より生徒に聞いてもらうために、自分の話を加えてみてもいいでしょう。
もちろん小学生全体にわかるような言葉を使い、きちんと簡潔にまとめてくださいね。
校長講話の作法とは?
それでは講話を行う際の作法について簡単に説明していきます。
- 司会者に呼ばれたら(立ち上がり)、参加者に一礼
- 登壇して、壇上に向かい一礼
- 演台について一礼
- 講話(聞き取りやすい早さで、ハキハキと話しましょう)
- 一礼
- 段を降りる前に壇上に向かい一礼
- 降壇
おおまかにこのような流れです。
また、礼をするときは30度(敬礼)がいいでしょう。
動作は常に「直立」に戻してから次の動作に移ると、よりきれいで丁寧な印象になりますよ。
伝えるべき内容とは?
講話とは、教えを説くことを言います。
ですから、話す内容は生徒にとってためになることが大前提です。
しかし校長先生のなかには、生徒のみならず先生や保護者を講話の対象だと考えている方はいませんか?
そうすると、より教訓的な話をしようと冗長になってしまいがちです。
あくまでも対象は生徒として、生徒にわかりやすい話をしましょう。
ここで注意してほしいのは、面白い講話にしようとギャグやダジャレを盛り込まないことです。
ユーモアは大切ですが、校長として品位のある講話を心がけてくださいね。
長さや時間配分は?
講話は3分以内にまとめるようにしましょう。
目安は800~1000字です。
だらだら長く話してしまうと生徒を疲れさせてしまうので、話す事柄は1つに決め、わかりやすい言葉で話してあげてください。
簡潔にあいさつをし、講話の中身にしっかり時間をかけるとよいでしょう。
3学期始業式の式次第は?
3学期の一般的な式次第は、
- 開式の言葉
- 校歌斉唱
- 校長講話
- 閉式の言葉
このような流れが多いです。
学校によって、校長講話は校歌斉唱の前になる場合もあります。
1学期よりも項目が少なく、全体的に短くなるでしょう。
3学期での校長講話は始業式のメインと言えるかもしれません。
式に望む生徒はどんな心境?
いざ始業式が始まり、校長先生は自分の出番を控える一方、生徒たちは一体どんな気持ちで式に望んでいるのでしょうか?
残念ながら生徒の声のほとんどが、式が早く終わってほしいという意見です。
なぜなら、校長の話は長くてつまらないから。
つまらないと言われる校長に共通しているのが、講話で話す内容が毎年同じだったり、子供に伝わらない難しい言葉を使ったり興味のない話をしていることです。
私が学生のときも、校長講話は無駄に長くて退屈で、早く終わらないかな・・・と毎回のように思っていたものです。
一生懸命に考えた講話なのに、生徒にそのように思われていたら嫌ですよね。
そうならないためにも、話す内容は短くまとめ、生徒のためになる魅力的な話をするように心がけましょう。
参考になる校長講話例!
では、校長先生はどんな話をするべきなのか?
ここで参考になる校長講話例を2つご紹介していこうと思います。
例文①
新しい年になりました。
「今年こそ」という気持ちで、自分自身の目標を決めて、一年のスタートを切ってみてください。
私自身のことですが、「今年こそ」と新年には幾つかのことを実行しようと決心するものの、年末になってみると何一つ実現していない。
無駄なことはやめたほうがいいと考えたこともあります。
しかし、最初からあきらめることは、敗北主義以外の何物でもありません。
その結果は二の次で、目的を決めて、それに向かって努力することが大切なことではなかろうか、と反省いたしました。
十九世紀のロシアの文豪ドフトエフスキーに、「死の家の記録」という作品があります。
この作品の冒頭に、次のような話があります。
罪を犯した囚人に対して、二つの刑罰のうち一つを選ばせることにしました。
一つは、屋外で、終日、きつい重労働を課すものです。
レンガを焼いたり、石を運んだり、材木を切ったり、土地を耕して作物を植えたりする作業でした。
もう一つの刑罰は、狭い部屋に一人にされて、二つの桶を与えられます。
一つの桶には水を満たしてあります。
囚人は一本のひしゃくで水を汲み、空の桶に水を移します。
移し終えたら再び空になった桶に移し替えます。
この簡単な作業を終わることなしに繰り返させられるというものでした。
戸外の重労働を選ぶ囚人は少なく、一見して、それほどきつくなさそうな、水桶の移し替えの刑を選ぶものが多かったそうです。
ところが、何日かして、水桶の刑を選んだ囚人の中から多くの自殺者が出ました。
それと反対に、重労働を選んだ者からは自殺者はなかったといいます。
重労働のなかには、やり遂げようという目的と、それをやり遂げた喜びがありました。
しかし、水を移し替えるだけの作業には、それがなかったからでしょう。
このように、私たちの日々の生活も、なにか目標を持った生活でなければなりません。
目標のない生き方には、人間は耐えられないようになっているのでしょう。
参考:加藤陽郎「心にのこる校長講話集④」,学事出版,1996年11月,148ページ
この講話のポイントは、自分の経験(思い)と作品を関連づけている点です。
有名な話や名言というのは、生徒の心に響かず、聞き流されてしまうもの。
しかしあらかじめ自分の経験をふまえたことで難しい話にも耳を傾けてもらえるようになります。
例文②
潮っ子のみなさん、あけましておめでとう ございます。
短い冬休みでしたが、みなさんはどうでしたか?
私にはこの車の鍵を落として、一時なくしてしまうという事件 がありました。
長野へ遊びに出かけ、 吊り橋のある公園で風景を楽しみ、買い物して民宿へ着いて荷物を片付け、 車を移動としようとしても、ドアの鍵が開きません。
いつも鞄に入れてある鍵を確かめるとありません。なんと、どこかに落としてきたのです。
電波で車を動かす鍵で、家族が予備の鍵を持っていたため、 車に鍵をかけたりエンジンをかけたり普通にでき、落としたことに 気づかなかったのです。
買い物をした店に電話して確認しても鍵はなく、私はあきらめて、休みが終わったら車屋さんに新しい鍵を作ってもらおうと考えました。
しかし家族は、明日の予定を工夫して 「今日行ったところをもう一度探してみよう」と言うのです。
次の日の夕方時間を作 ってみんなでもう一度公園に行き、写真を撮ったりした展望台を中心に探しました が見つからず、あとは川に沿って歩いた 道しかないと歩き始めてしばらくいくと、道ばたの雪の中に黒と オレンジ色が、なんと24時間ぶりに鍵を発見、家族の支えに感謝感激の出来事でした。
「情けは人のためならず」という言葉があり ます。
私は、人に優しくすると、人間関係がよくなり、自分も優しくしてもらえる 、ということだと思っています。 いよいよ3学期の始まりです。
人とのかかわりを大切に、自分がどうすべきかを考え、令和元年度のまとめをしていき ましょう。
こちらは自分の失敗談と感動した話を伝えています。
昔の話や名言とは違い、自分の実体験の話は生徒にもわかりやすいです。
ポイントは、この話が失敗談だということ。
自慢話ではなく苦労した話を伝えることで生徒の拒絶反応を防ぎ、心に届く講話に変えることができます。
以上、講話例を2つご紹介させていただきました。
小学生には難しい文章になっている例文もありますので、各ポイントを参考にして小さい子供にもわかりやすい講話を作ってみてくださいね!
まとめ
- 講話は全員にわかりやすく、伝えたいことをはっきりさせる
- 内容は3分以内、800~1000字を目安に
- 生徒に疲労感を与えないために、魅力のある内容を短くまとめて話す
- ポイントとして、テーマは失敗談を語る、子供に興味のあるものを取り入れる、オリジナル性を持たせるとよい
このように、校長講話は内容を短くまとめ、魅力のある話をすることが大切です。
生徒たちが笑顔で3学期を迎えられたらいいですよね。
ぜひこの記事を参考にして、みんなが楽しく聞いてくれる校長講話を披露してください!