中学生のみなさん。もうすぐ卒業ですね。卒業に向けて、『3年間の思い出を俳句として詠む』という課題が出されることが多いのです。みなさんの中学校でも課題としてだされたのではないでしょうか?
俳句の作り方は把握できていますか?テーマは決まりましたか?3年間の思い出を「5・7・5」で表現するのってとっても難しいですよね。
でも、大丈夫!その悩み、今から一緒に解決します!
俳句の作り方から、テーマと季語の選び方、俳句の実例を交えて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
卒業俳句の作りから!中学生らしい俳句とは?
まず、3年間の思い出で、何が一番印象に残っていますか?
先輩後輩関係などの縦社会にとまどったり、恋愛をしたり、友達との行動範囲がひろがったり、人間関係において、たくさん成長したのではないでしょうか。
自然教室や修学旅行などの課外学習、体育祭や文化祭などの行事、部活動やクラスでの出来事・・・まずは、何をテーマに俳句を詠むか決めましょう。
そのテーマを決めたら、俳句のルールに沿って考えていきます。
基本的な考え方として、「5・7・5」の17音で作ります。17文字ではなく、俳句は「音」が大切なのです。字余り、字足らずなどありますが、まずは、基本の型で考えればよいでしょう。
注意したいのは、拗音(ようおn)、促音(そくおん)、長音(ちょうおん)の音の数え方です。
「シャツ」「きょうしつ」など、小さい「ゃ・ゅ・ょ」(拗音)は単独で1音にはなりません。「シャ・ツ」で2音のカウントになります。
しかし、「ちょっと」「ショック」などの小さい「っ」(促音)は1音にカウントされるので「ちょ・っ・と」で3音になります。
また、「ノート」「スキー」など、長音記号は1音でカウントになるので、「ノ・ー・ト」で3音になります。
俳句を詠むうえで、文字数と音数は異なるので、基本的なカウントは押さえておきましょう。
次に必ず必要なのが「季語」です。季節を表す単語を1つ入れましょう。自分が思い出として詠みたい季節がいつなのか確認してみてくださいね。
卒業俳句におすすめの季語一覧!
テーマを決めたら次に季語を決めていきましょう。季語は大きく分けて5つに分類されます。
- 春2月~4月
- 夏5月~7月
- 秋8月~10月
- 冬11月~1月
- 新年1月1日~1月15日頃
「新年」というのは、新しい年を祝う特別なものとして、四季の季語とは別に存在します。冬の季語と重なるものもなかには存在します。
また、季語は「歳時記」というものにまとめられています。この歳時記は「二十四節気」の四季に従って作られています。二十四節気は中国から伝わったものです。日本は中国よりも半月~1か月程季節感が遅くなる為、日本で体感する季節と少しずれが生じるのです。
これらのずれに注意しながら、季語を選んでみましょう。
春(2月~4月)
行事
節分・豆まき・バレンタインデー・建国記念の日・雪まつり・ひな祭り・桃の節句・ひな人形・春休み・卒業・卒業式・入学式・入学・クラス替え・新入生・ランドセル
風景・植物・食べ物
雪解け・雪崩・花見・春分・蝶・蛙・ウグイス・梅・桃・桜・たんぽぽ
夏(5月~7月)
行事
林間学校・夏祭り・キャンプ・プール・夏休み・子供の日・単語の節句・こいのぼり・母の日・父の日・みどりの日・八十八夜
風景・植物・食べ物
ラムネ・ソーダ水・水ようかん・アイスクリーム・半ズボン・扇風機・夏・子猫・かしわ餅・ラベンダー・アジサイ・ガーベラ・金魚・なす・トマト・田植え・熱帯夜
秋(8月~10月)
行事
七夕・天の川・秋祭り・終戦記念日・原爆の日・文化祭・運動会・スポーツの日・敬老の日・盆踊り・盆休み・紅葉狩り
風景・植物・食べ物
熱帯夜・プール・入道雲・花火・夕立・秋・夜長・ヒマワリ・入道雲・梨・葡萄・新米・マスカット・コスモス・紅葉・金木犀・冬仕度・台風
冬(11月~1月)
行事
七五三・クリスマス・冬休み・大掃除・年越し
風景・植物・食べ物
みかん・どんぐり・北風・空風・ストーブ・こたつ・暖炉・冬眠・オリオン座・重ね着・セーター・小春日和・立冬・雪だるま・雪合戦・つらら・雪・鏡餅
新年
行事
新年・年明け・正月
風景・植物・食べ物
お年玉・雑煮・鏡開き・初夢・門松・初日の出
ここで挙げた季語はほんの一部です。
季語は年数が経つにつれ、年々増えていきます。数えきれないほどありますので、すべてを覚える必要はありません。気になるときは歳時記を参考にしてみるとよいですよ。
中学生向け卒業俳句のテーマは?
3年間という長い年月の中で、思い出を1つに絞るのはなかなか難しいですよね。書きやすいテーマとして5つあげましたので、参考にしてみてください。
おすすめテーマ1 修学旅行
中学校生活最大のイベントと言ってもよいでしょう。普段なかなか経験することができない全員での長距離移動、初めていく場所、夜遅くまで起きていて怒られたり、恋話に花を咲かせたり、たくさん思い出があるのではないでしょうか。
おすすめテーマ2 部活動
3年間汗水流して活動してきた人もいるでしょう。地区大会、県退会、全国大会・・・様々な大会に出場したり、コンクールに作品を出品したり、日々練習を重ねてできるようになったことがたくさんあるではないでしょうか。青春の1ページとして、たくさんの思い出がきざまれていることでしょう。
おすすめテーマ3 体育祭
盛り上がるイベントの1つ。クラスが団結する行事の1つですね。クラス対抗競技や学年での団体競技など、力を合わせて行う協議は、練習したり、意見を出し合ったりしながら、みんなで作りあげたのではないですか。本番までの過程も思い出がたくさんありますよね。
おすすめテーマ4 文化祭
クラスで演劇をしたり、販売をしたり、みんなでたくさんの準備をしてきたことでしょう。色んなクラスを回ったり、ステージ発表を見たり、学校全体でお祭り気分を味わえる楽しい日になったことでしょう。
おすすめテーマ5 感謝を伝える
中学でお世話になった担任の先生や部活動の顧問の先生、両親への感謝を俳句で伝えるのもよいでしょう。普段口にして伝えるのが恥ずかしくても、俳句だと伝えられそうではないですか?
中学生の卒業俳句例!
俳句の作り方、季語を学び、ここまでで知識は得られましたね。それでは、実際どのような俳句を作るか、実例を見てみましょう。
秋晴れの 風を感じる 金閣寺
季語:秋晴れ
修学旅行で金閣寺を訪れたという俳句です。この一文で季節と訪れた場所が伝わり、とても分かりやすい俳句ですね。
夏休み 休む暇なく 球ひろい
季語:夏休み
「夏休み」という休みの期間でも毎日部活動を頑張っている様子が伝わりますね。
最高の 仲間と作った 文化祭
季語:文化祭
クラスや部活動などの仲間と文化祭に向けて頑張った様子が分かりますね
出し切った 全速力の 体育祭
季語:体育祭
全ての力を出し切って挑んだという様子が表現されています。
卒業式 ホールに響く 我が名前
季語:卒業式
卒業式で自分の名前が呼ばれ、卒業証書を受け取る光景が浮かびますね。
そのときの思いやその時の情景を詠むと伝わりやすくなりますよ。
まとめ
- 卒業俳句の作り方!中学生らしい俳句とは?
- 卒業俳句におすすめの季語一覧!
- 中学生向け卒業俳句のおすすめのテーマは?
- 中学生の卒業俳句例!
中学校生活は人生においてもたくさん学ぶことが多い時期ですよね。初めて自分の進路を真剣に考えた人もいるでしょう。
学業のみならず、友人関係や部活動、多感な年ごろだからこその悩みや迷い。たくさんの思い出ができたことでしょう。それらを一文で表現することは難しいかもしれませんね。
たくさん思い浮かぶ人は、思い浮かんだ分だけ俳句にしてみましょう。その中から一番よくできたものを提出するとよいでしょう。
1つに絞れない、たくさん思い浮かぶ、という素敵な悩みは、それだけ、中学生活を楽しめたと言うことです。その思い出はこれからの長い人生において宝物になります。
この俳句の課題も中学生活を振り返るために出された課題のものかもしれませんね。どうかじっくり中学生活を振り返りながら、俳句を作ってみてくださいね。
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