暑さ寒さも彼岸までとはよくいったもので、お彼岸が近づくと春もすぐそこですね。
故人と思いを通わせる日なので、ぜひともお墓参りにいきたいところですが、わからないことが盛りだくさん!お墓参りってどうすれば?という方も多いかと思います。
古くからの習わしなどは、難しく感じて敬遠しがちですよね。
わかります。
かくいう私も、お彼岸とは無縁の生活を送ってきたので、何もわからなかったのですが、調べてみたらとても大事な日で、難しいことではないことがわかりました。
お寺への挨拶、手土産、お布施、お墓参りについて、そもそもお彼岸とはなにか?ということに焦点を合わせてお話していきますね。
お彼岸のお墓参り!お寺への挨拶はするべき?
結論から言いますと、お墓参りだけであれば『挨拶は必要ありません』。
ですが、本堂の本尊への拝礼は忘れずにいきましょう。
先祖を供養してくださって、お墓を守ってくださってますものね。
「それは住職さんに失礼でなのは…?」と気になりますよね。
私も気にしぃなので、お彼岸関係なくお寺や神社に足を運ぶ際は、ご挨拶を…と思っていたことがあります。
神聖な場所なので、気になってしまう気持ちもわかります。
ですが、お彼岸やお盆などの期間は大忙し!
すべての方が挨拶のたびに住職さんを引き留めていたら、それこそ大変です。
なので、挨拶をしないほうが逆に好ましいんですね。
すれ違うときに一言程度の挨拶や会釈、法要の相談などがあるときには挨拶をしましょう。
受付に住職さんがいる場合
この場合は「お墓参りにきました」とご挨拶して、会釈するといいですね。
帰る際も同様です。「終わりましたので帰ります」と。
長々と挨拶するのは、お時間をとらせてしまうので遠慮しましょう。
本尊、受付、お墓、受付の順番でいけば間違いないです。
(受付に誰もいない場合は、本尊、お墓の順)
さっきから出てくる本尊ってなに?
本堂の中心にある、仏像のことです。
ご家庭にある仏壇にも、真ん中にありますよね。
宗派によって、彫刻品だったり掛け軸だったり様々です。
お墓参りのときに、お布施や手土産は必要?シーン別のマナー!
次に、手土産やお布施はどうするべきかみていきましょう。
手土産は必要?
こちらも結論からいいますと、お寺への手土産は必要ありません。
先ほどもお話しましたが、お墓参りだけでご住職を引き留めるのは好ましくありません。
というわけで『お墓参りをするだけ』であれば手土産も必要ありません。
法要の相談や打ち合わせがある場合は、日頃の供養の感謝をこめて手土産を持参しましょう。
また、お彼岸で実家や親族の家へ行く際は、手土産を持っていくことが多いですね。
お布施は必要?
読経をお願いしている場合はもちろん必要になってきますが、お墓参りだけの場合は必要ありません。
しかし、地域によってはお墓参りだけでもお布施を払うところがありますので、ご近所の方などに知り合いがいれば確認するのが確実です。
合同法要の際もお布施は必要になります。
ちなみに額の相場は以下の通りです。
- 読 経:5,000~30,000円程度
- 合同法要:3,000~10,000円程度
難しそうで意外と簡単!いまさら聞けないお墓参りの疑問Q&A!
いざお墓参りへ!となったものの、どうやって参るの?何をすればいいの?
と、まだまだ疑問は盛りだくさんです。
そんな疑問を解決すべく、お墓参りについて何も知らなかった私が気になったことを、Q&A形式でまとめてみましたので、参考になればと思います。
A:お墓参りには「これが正しいやり方!」というものがありません。
とはいえ、ある程度の流れはありますのでご紹介いたします。
- 寺院にある墓地の場合は、本堂でお参りをする。
- お墓の掃除
- 墓前で合掌。
- 目立つゴミを拾ったら、水をかけながら雑巾で拭く。
- お墓に傷がついてしまうので、固いもので掃除をするのは×。
- シミができるので、洗剤も×。
- 掃除が終わったら、手桶に水を入れ、柄杓で打ち水をする
- 花立てにお花、水鉢にお水。お供え物を置く。
- お線香をあげて合掌。
A:これも「正解はこれだ!」というものはないのですが、以下のようなことを思っていることが多いです。
- 見守ってくれていることや、生前にしてくださったことへの感謝
- 近況報告
- 目標や決意をお話する
- 思い出を語らう
映画やドラマで、お墓の前で手を合わせながらお話しているシーンをよく見ますよね。
あんな感じで自分が思うままにお話しましょう。
声に出さずとも、心の中で大丈夫です。
注意が必要なのが「願いごと」をするのは間違っているということです。
お墓はご先祖や故人が眠っている場所なので、「結婚できますように!」「宝くじが当たりますように!」
なんてお願いをされても「う、うむ…頑張るんじゃぞ…」となってしまいますよね。
という言い回しなら有です。
先ほどお話した、決意表明といった形でお話するといいですね。
A:お花、お供え物、半紙、数珠、線香、ライターは最低限持っていきましょう。
お供え物は、故人が好きだった食べ物や飲み物が望ましいです。
お花は、お花屋さんやスーパーにお供え用の物がありますので、そちらを購入したり、故人が好きだったお花をお供えしてもいいですね。
お墓をお掃除するときの手桶と柄杓はお寺で借りることができますので、雑巾やゴミ袋などはせめて持っていきましょう。
使ったあとは綺麗にもとに戻しましょうね。
A:これも正解はありませんが、一般的なマナーとして以下のようなものがあります。
- 住職の方に読経をお願いしているなど、特別な時は喪服などがいいでしょう。
- お墓参りだけのときはカジュアルな服装でも大丈夫ですが、派手すぎないものが〇。
- 時間帯も特に決まりはないですが、開園時間内で閉園ぎりぎりは避けるのがいいですね。
- お供え物は帰るときに必ず持ち帰りましょう。置いていくと猫やカラスが荒したり、衛生的によろしくなかったり、お墓にカビが生えたりします。
A:僧侶に読経をお願いしている場合は、前もって連絡すべきですが、お墓参りだけであれば連絡はいりません。
A:日程を調整して別日に行くか、自宅の仏壇にお供え物をして供養するのでも大丈夫です。
私がいろいろ調べてみてわかったのは、TPOをわきまえておけば、特に細々と気にしなくてもいいということでした。
厳しいルールがない、細かい作法がないとわかるだけでも、重かった足取りが軽くなるかと思いますよね。
ぜひ、気軽にご先祖様や故人とお話しにいこう!くらいの気持ちで行ってみましょうね。
そもそもお彼岸ってなんだろう?お盆と何が違うの?
では、根本のお話。
お彼岸とはどんなものなのかをみていきましょう。
仏教の中では、ご先祖のいる世界である極楽のことを「彼岸(ひがん)」私たちが暮らしている世界を「此岸(しがん)」といいます。
「彼岸」は西、「此岸」は東にあります。
お彼岸の時期である、3月の春分の日。9月の秋分の日。
この日は太陽が真東から昇って、真西に沈むので、「彼岸と此岸が最も通じやすい日」であると考えられているんです。
なので、「思いが通じやすい」この時期に供養のお墓参りをするようになったといわれています。
ちなみに、「春分の日」は自然や生物を大切にする日。
「秋分の日」は祖先を敬い、亡くなった方々を偲ぶ日ということで祝日になっているのですが、この両日はお彼岸の中日(なかび、ちゅうにち)。
両日ともに前後三日を含めた7日間がお彼岸の期間なので、ちょうど中間である祝日当日が、中日と呼ばれています。
お墓参りをするのに最もふさわしいのは、やはり中日ですが、ご都合もあるかと思いますので、お彼岸の期間かお彼岸近くでスケジュールを組むのがいいですね。
お彼岸とお盆って何が違うの?
先ほどもお話したように、お彼岸は『現世とあの世が最も近づく日』です。
お彼岸にお墓参りをしてご先祖様を供養することで、自分の思いも通じやすくなりますよーということです。
お盆はといいますと、一般的に八月の中頃に『ご先祖様が帰ってくる期間』です。
帰ってくるのを迎え火でお迎え、供養して送り火で送るというもの。
灯篭流しなどが有名ですね。
どちらもお墓参りをしますし、ご先祖を供養することは同じですが、意味合いが違うということです。
ご先祖様が帰ってくるなんて、なんとも素敵なお話ですね。
春と秋のお彼岸に違いはあるの?
明確な違いはありません。
違う点は、お供え物ですね。
春は牡丹の花になぞらえて「ぼた餅」を、秋は萩になぞらえて「おはぎ」を。
言ってしまえば同じ食べ物ですけどね(笑)
季節によって呼び名を変えるところが、なんとも日本らしく風流です。
ちなみに、なぜぼた餅やおはぎをお供えするのでしょう?
起源は江戸時代。
あんこに使われているあずきって赤いですよね。
古くから、赤は邪気を払ってくれると言われていたため、厄払いの意味をこめて、赤いあずきを使ったおはぎがお供えされていたそうですよ。
赤ちゃんに赤い産着を着せたりもしていたそうなので、当時の赤への信頼度は凄まじかったんですね。
まとめ
- お寺への挨拶、手土産、お布施はお墓参りだけなら必要ない
- 本尊への拝礼は忘れずに!
- 法要や打ち合わせなど、特別な用事があるときは、挨拶、手土産を用意する
- 読経をお願いしている場合は、お布施を渡す
- しかし、地域によってはお墓参りだけでもお布施が必要な場合があるので確認する
- お墓参りの作法は特にないが、一般的な流れは覚えておこう
- マナーも最低限守ろう
- TPOをわきまえていれば大丈夫!
- お墓参りは難しいものではない
- お彼岸とは先祖との思いが通じやすくなる日
- お彼岸にはお墓参りをして、先祖への感謝の気持ちを伝えてみませんか?
今回はお彼岸に焦点を当ててみましたが、お墓参りをしてはいけない日というものはありません。
ご家族やご友人のお墓には、時間ができたときに、思いを伝えにいってみるのもいいかもしれませんね。
普段はなかなか忙しくて…というかたも、お彼岸という機会を使ってご先祖や故人に会いに行ってみてはいかがでしょうか?
難しいものではありませんし、お墓の前で手を合わせてお話することで、何か気持ちの変化があるかもしれません。
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