あなたは、友人から癌だと告げられたら、どんな言葉を返しますか?
とてもデリケートな問題だからこそ、気の利いた言葉が見つからず悩んでしまいますよね。
突然の告白に頭が真っ白、自分の言葉で傷つけてしまったらどうしよう、その気持ちよくわかります。
友人のためを思い、良かれと言った言葉で、実は傷つけてしまっていたということは、良くあることなのです。
例えば、励まそうと思って発する「大丈夫」という言葉。
素直にありがたく感じる人もいますが、中には「何も知らないのに簡単に言わないでよ」と感じる人もいるのです。
心配で励まそうとしている気持ちに変わりは無いのに、すれ違ってしまうこと程悲しいことはないですね。
今回は、このようなすれ違いがおきないように、癌の友人にかける言葉、接し方、かけない方がいい言葉を、その時々の友人の心境とともにお教えします。
これを知っているか知らないかで、今後の2人の関係性が大きく変わってきますので、是非見てみてくださいね。
友人から癌であることを告白された!かける言葉はどうする?
どうして友人はあなたに癌の告知をしたのでしょうか?
自分の癌の告知をするのはとても勇気がいることです。
癌は今は治る病気になってきていますが、癌といえば死、というイメージがまだまだ付きまといます。
自分自身は何も変わらないのに、癌だと告知することで、相手にもう長く生きられないと思われる、心配させてしまう、気を遣わせてしまう、離れていってしまう、というように、自分を見る目が変わってしまうことを恐れています。
友人はそれでもあなたを信じて、この先も今まで通りあなたと友達でいたいから、相当の勇気を持って、告白しています。
そんな友人にかけるべき言葉は、まず、
と言いづらいことを勇気を出して話してくれたことに対する労いの言葉、それから、
という、あなたの素直な気持ちを伝える言葉です。
癌だとしても、私たちの関係は何も変わらない、ということをわかってもらえれば、あなたに言ってよかったと安心してもらうことができます。
過剰なほど泣いてしまったり、執拗に大丈夫なの?と心配する言葉を発することは、よくありません。
逆に本人に気を遣わせてしまい、言わなきゃよかったと思われてしまいますので気を付けましょうね。
なんて言っていいかわからない、言葉が見つからないという理由で、黙り込んでしまったり、その後も中々連絡ができないという人もいるかもしれませんが、それは1番よくありません。
何も言わないと何も伝わりません。
その程度の友達だったのだなと余計友達を苦しめてしまいます。
言葉が見つからない場合は、
とその気持ちを素直に伝えればいいのです。
そして、
とあなたを心配していることを伝えればなおいいでしょう。
癌を宣告された友人はどのような心理状態?
癌の宣告は、心に大きなストレスをもたらします。
宣告を受けてから数日間は大きな衝撃を受けて、「まさか」と認めたくない気持ち、絶望する気持ちが強くなります。
そして、しばらくの間は、不安や落ち込みの強い状態が続き、眠れなかったり、食欲がなかったり、集中力が低下する人も少なくありません。
中には、今まで経験したことのないような、つらい状態におちいってしまう人もいます。
やがて、人間が本来持っている、困難を乗り越え適応しようとする力が働き出します。
つらい状況にありながらも、次第に現実的な適応が可能になり、癌について懸命に調べ始めるのです。
国立がん研究センター より引用
このように、様々な葛藤をして、不安や落ち込みを乗り越えたり、また戻ったり、頭と心がパンクしそうになる程、考えを巡らせ、調べる日々を送っているのです。
そんな中、友達のあたなに求めるのは、癌になった原因の究明でも、癌に効く食べ物の情報でも、アドバイスでもありません。
今まで通りに接してもらうこと前提で、頭と心がパンクする前に、とにかく話を聞いてあげることです。
親には中々言いづらいことでも友達なら言いやすいこともありますよ。
たまっている負の気持ちをを吐き出してもらい、「辛いね」と共感してあげることが1番大事です。
その際、その気持ちを解決しようとアドバイスする必要はありません。
ただ気持ちを共感することで随分楽になるはずです。
癌を闘病中である友人を見舞う時にかける言葉は?
元気だった頃は、仕事で人と話したり、趣味の時間があって充実していたのに、闘病中はたいして変わらない毎日をベッドの上で1人で過ごしていることが多いため、どうしても考え込んでしまったり、ふさぎ込んでしまう傾向にあります。
そのため、お見舞いに来てくれるだけでとても嬉しいのです。
気負わず、癌になる前と同じ、普段どおりの会話を楽しんでください。
特別な言葉をかけなくても、純粋に久々に友人と会えることを楽しむのです。
そうすれば、この先もずっとこうしていたい思ってもらうことができ、治療への活力にも繋がりますよ。
あなたとの楽しいお喋りでほんの一瞬でも病気のことを忘れられる時間もあれば最高ですね。
とはいっても、病状はどうなのか心配ですよね。
その場合は、「話すのが辛かったら話さなくていいよ」と前置きし、友人の気持ちを尊重しながら聞いてみましょう。
ただでさえ、精神的に不安定なので、あなたはその気がなくても、興味本位で聞かれてると感じてしまわれないようにしましょう。
話してくれたら、気持ちに共感することを忘れないでくださいね。
お見舞いに行く場合は、調子が悪かったりすると、気を遣わせてしまいますので、必ず事前に伝えてから行くようにしてくださいね。
癌の友人がもうすぐ手術。その時にかける言葉は?
手術が近づくと、手術のことで頭がいっぱいになっています。
手術が成功するかどうか、手術後の痛み、その後の生活などの不安と、癌がよくなる、痛みがとれるなどの期待する気持ち両方が頭の中で行ったり来たりしています。
不安定になっている時期なので、「応援してる」とエールを送ってあげるといいですね。
今までたくさん頑張ってきているので、「頑張ってね」という言葉より、「応援してる」という自分の気持ちを表す言葉のほうが、すんなり受け入れられるでしょう。
別れ際には、
など少し先に楽しみを約束するのがいいでしょう。
「考えておいて」ということで、1人の時間に、楽しいことを考える時間が少しでも増えてくれれば嬉しいですね。
手術の後は「頑張ったね」と褒めたたえ、「みんな待ってるからね」と元気になったときに戻れる場所があることを伝えると安心させてあげられますね。
回復への励みにもなるでしょう。
まとめ
友人が癌であることを告白するときの心境、接し方
癌になっても変わらず友達でいたいから、勇気を出して告白している。
癌だとしても、私たちの関係は何も変わらないということを伝える、素直な気持ちを伝え、普段通りに接する。
癌を宣告された友人の心理状態、かける言葉
初めは絶望、次に不安と落ち込み、次第に困難を乗り越え適応し、現実的な適応が可能になる。
話をよく聞いてあげて、「辛いよね」と共感する。
見舞う時にかける言葉
特別な言葉はかけなくていい。日常の会話を楽しむ。
病状を聞くときは「話すのが辛かったら話さなくていいよ」と前置きし、友人の気持ちを尊重する。
手術の前後にかける言葉
不安定になっている時期なので、「応援してる」とエールを送る。
別れ際には、「退院したら、行きたいとこに行って、食べたいもの食べよう!考えておいてね!」など少し先に楽しみを約束する。
手術の後は「頑張ったね」と褒めたたえ、「みんな待ってるからね」と元気になったときに戻れる場所があることを伝える
癌は身体だけではなく、心も深く痛めつけます。
どんなに仲がいい友人であっても、心を痛めている時は、普段は言っても大丈夫なことでも敏感に感じ取っていますので、軽はずみな言葉はつつしみましょう。
癌患者が友人に1番求めるのは、今まで通り接してほしいということです。
今は癌は2人に1人がなるといわれるほど、めずらしくない病気です。
癌でも癌でなくても、その人はなにも変わらない、ということを忘れないでくださいね。
あなたの想いが友人にきちんと伝わることを祈っています。
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