家族の余命宣告、多くの人が一生のうちで一度は通る道かもしれません。
どんなに医療が進歩しても生きている限り、必ず最期の時がきます。
もしあなたの家族が余命を宣告されたら、その最期の時まであなたは何が出来るでしょうか。
どんな言葉をかけ、どう行動しますか。
なんて声をかけてあげたらいいか、何をしたらいいのか見つからないかもしれません。
でも何もしないでいたら、時間はあっという間の過ぎてしまいます。
時間の無駄遣いをしないためにも、何をするのがいいのか知っておくべきだと思いませんか。
今回は、その答えをお教えします。
本人がどのような心理状態なのか理解することで、かける言葉、接し方、がみえてきます。
その他にも知っておいた方がいい情報として、意外と知られていない余命宣告の本当の意味、残された家族が準備しておくこともお伝えしますので、あなたに役立つこと間違いなしです。
是非読んでみてくださいね。
大切な家族が余命宣告を受けた。どのように声をかけるべき?
余命宣告を受けた人の心理はとても一言では言い表せないほど、複雑で、その時々で少しずつ変化しています。
精神科医エリザベス・キューブラー=ロスのベストセラーとなった著作『On Death and Dying(邦訳タイトル:「死ぬ瞬間 死とその過程について」)』の中で提唱している「死の受容のプロセス」がとてもわかりやすかったのでご紹介ししますね。
エリザベス・キューブラー=ロスはこのプロセスは5つの段階があるといっています。
- 否認と孤立:頭では理解しようとしているが、感情的にその事実を認められない段階。
- 怒り:「なぜ自分が」というような怒りにとらわれる段階。
- 取り引き:なんとか死を遅らせてほしいと願う段階。
- 抑うつ:回避ができないことを知り落ち込む段階。
- 受容
これは一般的な感情の移り変わりですが、中には段階1からなかなか進めないなど、段階を踏めない人もいます。
そのような場合は、精神的に病的になっている可能性もあるため、家族から見てうまく進めていないようであれば医師に相談してみてください。
余命宣告をされた時、家族に出来ることはただ一緒に居てあげることです。
一緒に悲しんでください。
本人が泣いていたら、一緒に泣いてもいいのです。
励ましたり、元気づけたりする言葉をかけるよりも、本人と同じ目線で同じ立場に立つことで、自分は1人ではないと感じることができます。
このタイミングでかける最適な言葉はありません。
そもそも余命宣告とは?
余命宣告の本当の意味、知っていますか?
実は私もそうだったのですが、勘違いしている人がとても多いのです。
例えば「余命1年」という言葉。
私は「あと1年しか生きられない」つまり、この病状だと多くの人が1年くらいで亡くなっているんだと思っていました。
これは大きな間違いで、正確には、
ということです。
どういうことかというと、余命宣告は、統計上の生存期間中央値が告げられます。
今までに、100人同じ病状で亡くなっているとすると、50人目が生存した期間のことなのです。
75人のがん患者、14人の医者が、患者さんの状態をみて余命を予測した結果、予測が正しかったのは全体の36%にとどまったという研究結果もあります。
Yahooニュースより引用
つまり、余命宣告よりも、はるかに長く生きている人もたくさんいるし、もっと早く亡くなってしまった人も同じだけいます。
さらに、治療の結果次第で余命が変わってくることも充分考えられるので、実際のところ、余命宣告はあてにならないと言ってもいいでしょう。
このため、医者によっては、余命を聞かれても宣告をしない医者もいます。
逆に、残された時間を有意義なものにするための目安として、聞かれなくても宣告する医者もいるようで、余命宣告するしないについては、医者によって様々ですが、余命宣告をされた場合はあくまでも目安ということを忘れないようにしましょうね。
家族が余命宣告を受けた場合に、どのように日々を過ごすべき?
余命宣告が当てにならないとはいえ、一度死を目前に突きつけられた本人が辛い状況にあるのは何も変わりません。
家族としては病気が良くなることが1番の望みではありますが、余命宣告をされた今望むことは、残された時間を有意義に過ごしてもらうことだと思います。
そのためには、本人が現実をしっかり受け止め、自分でその考えにたどり着くのを待つしかありません。
そんな時、家族に求めるのは、寄り添ってもらうことです。
話をよく聞いて、共感、同調してあげてください。
1人で考えを巡らせ辛い思いをしているので、人に話すことで気持ちが楽になります。
また言葉にすることで客観視でき、徐々に受け入れられるようになります。
情緒不安定になっているため、普段の何気ない言葉でもひどく傷つけてしまう可能性があるので、励ましたり、アドバイスするのは逆効果です。
もし、何も気持ちを言われなかったとしても、側でいつでも話を聞いてくれる人がいるというだけで、心強いので、いつでも話してねという姿勢を見せることが大事です。
忘れないでほしいのは、余命宣告の前と後で容態が急に悪くなった訳ではありません。
「余命宣告をされた家族」ではなく、「今、少し調子の悪い家族」くらいの気持ちで今まで通り接し、本人が現実を受け止められるのを待ちましょう。
余命宣告を受けたら、どのような準備を行う?
余命宣告をされた以上、残りの時間を有意義に過ごすのは、本人だけでなく、家族も一緒です。
残される家族がすべきことは意外とたくさんあるのです。
1.医者に現在の病状を確認し、今後どういう経過を辿るのか確認しておく
自宅療養できるのか、ホスピスに入った方がいいのか、それにより自宅の部屋の用意をしたり、ホスピスを事前に調べる必要がでてきます。
2.保険を確認しておく
どんな保険に入っているか見直しておくことで、今後の治療費を安心して払うことができる、すぐに連絡できるよう控えておくことも大事です。
3.お金関係を確認しておく
本人の逝去後は、本人名義の預金通帳が凍結されて、お金を動かすことができなくなります。
公共料金や保険料などの引き落としが本人口座なっていると引き落としができなくなってしまいますので、その場合はあらかじめ口座変更しておきましょう。
クレジットカードも忘れずに確認してください。
また、入院費用など本人の預金から使うときは、後で親族間で揉めるのを防ぐため、明細書を取っておくことをおすすめします。
4.葬儀の準備
逝去後だと、バタバタして病院に勧められるがまま決めてしまうパターンが多いです。
事前に準備しておくことで、何箇所か見積もりを取ることができたり、どんな葬儀にするか本人のことを考えて決めることができます。
そして何より、逝去後、バタバタすることなく、本人の側に居られる時間が増えます。
5.その他確認事項
いざという時、治療を続けるか緩和ケアにするか、延命治療をするかしないか、逝去後は誰に連絡するかなど、しっかりと判断能力があるうちに確認しておくことで、本人の意思を尊重することができます。
やるべきことはたくさんありますが、中々気が乗らないですよね。
特に本人に確認しないといけないことは、タイミングが難しいです。
家族間の雰囲気にもよるのでいつ聞くべきというのは一概には言えませんが、本人が余命宣告をしっかり受け入れた時がそのタイミングかもしれません。
準備ができる時間が与えられたと思って行動して下さい。
それが、結果、本人の意思を尊重し、悔いのない最期を迎えるための家族の大きな1歩になるでしょう。
まとめ
余命宣告された家族の心情
否認と孤立「そんなはずはない」→怒り「なぜ自分が」→取り引き「なんとかならないか」→抑うつ「どうにもならないのだ」→受容
余命宣告された時の接し方、かける言葉
ただ一緒に居てあげる。
一緒に悲しみ本人と同じ目線に立つことで、自分は1人ではないと感じる。
かける最適な言葉はない。
そもそも余命宣告とは
統計上の生存期間中央値。
今までに、100人同じ病状で亡くなっているとすると、50人目が生存した期間のことで、当たる確率は36パーセント。
治療の結果次第では変わることもある。
日々の過ごし方、接し方
話をよく聞いて共感し寄り添う。
人に話すことで気持ちを楽にする。
励ましやアドバイスはしない。
今まで通り接し、本人が現実を受け止められるのを待つ。
残される家族が準備しておくこと
- 医者に現在の病状と今後の経過の再確認
- 加入している保険の確認
- 本人名義の預金口座からの支払いの確認
- 葬儀の準備
- その他本人の意思確認
あなたが何をするべきかわかっていただけたでしょうか。
家族一丸となり病気に立ち向かい、みんなが余命宣告を受け入れ、後悔することのない最期をむかえられることを祈っています。
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