近年、心が繊細で傷つきやすい人が増えたといわれています。核家族化に代表されるように、社会状況が変化する中で、対人関係を学ぶ機会が少なくなったことが一つの要因だといわれています。また、ここ数年はコロナ渦で家にこもることが増え、以前にも増して人とのかかわり方に対して神経質になっている人も多いようです。
最近はHSP(生まれつき敏感な気質を持っている人)という言葉がよく聞かれるようになり、傷つきやすい人向けの書籍や情報は巷にあふれています。一方、「傷つきやすい人ほど人を傷つける」といわれることもあり、周囲の人にとっても傷つきやすい人との接し方は悩みのタネだったりします。しかし、傷つきやすい人との接し方に関する情報は多くないようです。
そこで、この記事では傷つきやすい人が周囲にいてコミュニケーションがとりずらく困っている方に向けて、傷つきやすい人の特徴や、「傷つきやすい人ほど人を傷つける」といわれる理由、傷つきやすい人との付き合い方のコツをご紹介します。
傷つきやすい人の特徴は?
自分が傷つけられないようにするためには、相手が「傷つきやすい人」かどうか見極め、接し方を考える必要があります。では、傷つきやすい人とはどのような人のことをいうのでしょうか?特徴としては、以下のような点が挙げられます。
1.他人の言動に敏感
傷つきやすい人は、他人の言動に対して過剰なほど敏感に反応します。相手が何気なく言った一言を深読みし、一人で想像を膨らませて落ち込むようなこともよくあります。良く言うと感受性や想像力に優れているといえますが、悩みすぎでうつ病を発症してしまう人もいるようです。
2.ネガティブ思考
悪い方にばかり考えてしまうのも、傷つきやすい人の特徴です。あらかじめ最悪の事態を想定しておけば、本当にトラブルに直面した時に傷つかずにすみます。そのため、事前にあれこれとネガティブな想像をする癖がついてしまっているのです。
3.優柔不断
傷つきやすい人の特徴として、優柔不断で物事を決断できないことも挙げられます。結果がどうなるか考えすぎてしまい、悪い結果を選択する不安から、なかなか決断を下すことができません。
4.断るのが苦手
傷つきやすい人は、断ることが苦手です。友達からの遊びの誘いや上司からの残業の打診など、様々な場面で「断ったら相手から悪く思われるのではないか」といった不安を感じます。結果として、嫌々物事に取り組むことになり、本人はストレスを溜めることになります。
5.自尊心が低くプライドが高い
傷つきやすい人は、プライドが高く完璧主義な一面を持っています。一方、自尊心が低いため、些細な失敗をしても「自分はダメな人間だ」などと自己否定して落ち込み、傷ついてしまうことがあるのです。
以上のような特徴から、傷つきやすい人は何となくオドオドしているように見えたり、挙動不審な感じを受けることもあります。そのような人に出会ったら、「傷つきやすい人なのかも」と考えて慎重に接するのがよいでしょう。
傷つきやすい人ほど人を傷つけると言われている根拠は?攻撃的だから?
「傷つきやすい人」の特徴を見ると、他人を攻撃するようには思えませんよね。ではなぜ、「傷つきやすい人ほど人を傷つける」と言われるのでしょうか。ここでは、3つの根拠を挙げて説明します。
1.「傷つきやすい人」は、自分を守ることを最優先にする
傷つきやすい人は、「他人の言動により自分が傷つくこと」を何よりも恐れています。そのため、正しい行動を取ることよりも、自分を守ることを優先することがあります。その結果、相手を貶めたり、嘘をついたりすることさえあるのです。
たとえば仕事でミスをしたときに、上司から怒られて自分が傷つくことを避けるため、他者に責任転嫁したり、ミスをもみ消したりといったことをします。正直にミスを報告すれば丸くおさまるような場面でも、「怒られて傷つくこと」を避ける行動を取ってしまい、結果として周囲の人を傷つけるのです。
2.「傷つきやすい人」は、負の感情を溜めこむ
傷つきやすい人は、相手に嫌われないよう常に気を遣っています。気乗りしない誘いでも断ることができなかったり、不愉快なことを言われても直接文句をいうことができなかったり、日々我慢を重ねています。
そのようにストレスを溜めていると、いずれ相手のせいでストレスを感じていると考えるようになり、感情が爆発して相手を責めたり、陰で悪口を言うようになります。その結果として、相手も傷ついてしまうことになるのです。
3.「傷つきやすい人」は、どうすれば相手が傷つくかを知っている
傷つきやすい人は、自分が他人からどんな言動をされると傷つくのかをよく知っています。そのため、自分の感情が高ぶるような場面では、相手が傷つくような言葉をストレートに放つことができるのです。
たとえば、上司が傷つきやすい人だった場合には、怒りにまかせて部下に注意すると、意識せずとも部下が傷つくような言葉を発してしまうことがあります。
傷つきやすい人に傷つけれられた経験談
インターネット上やSNSなどでも、「傷つきやすい人に傷つけれられた」と感じている人は多いようです。ここではTwitterの情報をもとに、傷つきやすい人に傷つけられた人の体験談を見てみましょう。
モラくんびっくりするほど繊細で傷つきやすいんだよな。だから些細なことでショック受けて自分守るために人を傷つける。そうしてないと自分を保てないから。どうしようもなく弱いだけ。
— しおり (@shi_o_ri_cha_n) March 14, 2022
傷つきやすい人は、他人も傷つけやすい。ある人がHSP傾向の人が集まる会に参加して、きっとみんな優しい人だろうと思ったら、主催の方にすごい傷つけられてトラウマになった、という話を聞いた。繊細な人ほど、身の危険を感じやすく、場合によっては身を守る手段として傷つけてくることは珍しくない。
— 傷つきやすいけど幸せなパパ(娘3y3m、娘1y0m)@さとし (@jspapasaku) September 27, 2020
傷つきやすい人は、自分を守るために他人を傷つける傾向があるようですね。
自分のことをHSPだと言っているとある人が、ちょっとした事で「文句言われた!傷つけられた!」として攻撃的になり、「私は傷つきやすいのに!」って怒ってるかんじなんだけど。
感受性強い人が優しい人とは限らないね。って最近思った。 https://t.co/vW2ncWlDYw— masami (@kawamasa2191) February 19, 2022
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