生後1年目あたりから、「急につねるようになった」「夜寝るときにつねるのが入眠儀式になって困る」という悩みを持つ方が出てくるようです。
たとえつねられても、痛いけどがまんしている。
そのうちにつねる癖は直るだろうから、今は耐えている…。
そんなふうに、つねられることに対して我慢してはいませんか?
ここでは子供のつねり癖に困っている親御さんに向けて、なぜ子供がつねるようになってしまったのか、どうしたらつねらなくなるか、つねり癖は成長すれば直るのか、という内容をお話していきます。
つねる子供の心理は?寝るときにつねるのはなぜ?
寝るときに、ほっぺたや二の腕の柔らかい所をつねってくる…。
安心するのなら、好きなだけつねらせてあげたいけど、地味に痛いし、あざも出来るし正直なところやめてもらいたい…。
いつの間にかついてしまった、つねりの入眠儀式。
困ってしまいますね。
そもそも、どうして子供はつねりたがるのでしょうか。
赤ちゃんはつねに好奇心から行動しています。
そのうちに、つねる行為をすると自分の気持ちが落ち着くことを学習したのでしょう。
寝るときにつねる癖が付くと、それをすることで眠りにつくことが出来るため赤ちゃんはつねる行為を進んでするようになります。
私には赤ちゃんの頃の記憶がありますが、そんな私も、つねっては避けられたり怒られたりしていました。
自分の指でつまめるのが楽しいし、ほっぺたなどは柔らかくてつまみやすかった覚えがあります。
私の場合は母親だけでなく、抱っこしてくる人のほっぺたを皆つねりました。
人によって指から伝わる温かさも違うし、触感や硬さが違うので、触るのを楽しんでいました。
指に力を入れていくと、触る感触が変わってくるのも面白かったのですが、今から思うと力いっぱいつねっていたので、つねられた方はさぞ痛かったでしょうね…。
子供の好奇心が満たされたり安心するからと言って、いつもつねられるのは辛いものがありますね。
そんなとき、お母さんは子供のためと思って我慢しなくても大丈夫です。
お母さんが、嫌な気持ちになったり負の感情を抱いたまま子供と接すると、子供はそれを感じ取り、それが子供に新しいストレスを生むことにつながります。
その場で出来る対処として、0~2歳の子供でつねってきたら、数分間つねれないように手を握ったりさすったりしましょう。
または、子供の手を内側に抱え込むようにして抱きしめて寝るなど、つねるという行為が出来ないようにします。
やりたいことが出来ないともどかしくなるので、自分にも出来る違う事をしようと、つねる以外に意識を向けるようになりますよ。
もしかして親の普段の態度が原因?
0~1歳の子がつねるとしたら、好奇心からの行動から始まります。
ただ、それを継続するとなると何かの欲求を満たしたいために続けていることが多いです。
その満たしたい欲求とは、“愛情欲求”である場合が多いです。
つねることでお母さんが反応し、自分のした行動でお母さんから関心を持ってもらうことで内なる欲求を満たそうとしています。
つねらなくてもお母さんは反応してくれたり自分に関心を持ってくれると学習できれば、つねるという行為も次第に減っていくでしょう。
といっても、子供とのスキンシップを取り続ける事が難しい環境で育てているお母さんもいますし、お母さんが頑張って育児をしようとして疲れてしまっては悪循環に陥ってしまいがちです。
子供を育てる立場にある人、特にお母さんは自分が育児に対して負担に思う事がない方向に頑張ることが大切です。
たとえば、愛情欲求を満たすためのスキンシップを兄弟や祖父母といった他の家族にも頼めるといいですね。
また、少し年齢が上がり2歳近くなると、周りがしたことを真似することが多くなってきます。
もし、お母さんや身近な誰かがつねる、またはよく見る映像などでつねるところを見ると、子供は真似してつねることを覚えてしまう事もあります。
親につねる・友達につねるのは意味が違う?
小さな子がつねるのは好奇心からが多いですが、2歳を超えてくると自分の感情を表現するためにつねるという行動をし始めます。
言葉での意思疎通も発達してくるため、つねるという事は相手を不快にさせる事を子供も理解してきます。
そこが分かってるのにつねることをしてくるのは、“自己表現”をしているためです。
辛かった、悲しかった、嬉しかった、寂しかったなどなど、そうした気持ちを表現するのに言葉をはじめ様々な方法を私たちはとりますが、ここでのつねるという行為もそうした自己表現のひとつです。
例えば、お母さんをつねる場合は、自分を見てほしい、愛情を求めている時など。
友達をつねるのは、自分の不快な気持ちを表現しているなど。
状況やつねる相手によってつねる行為による自己表現は変わってきます。
また、自分をつねる場合は、心が抑圧されている状態や、自分の中に怒りを抱えている場合があります。
幼稚園や小学校など年齢別につねる子供の心理は違う?
幼稚園の頃でも、小学生になっても、つねることは自己表現の一種です。
それでは、幼稚園または小学校ではどんな時につねるという行為をしやすいのでしょうか。
幼稚園の頃
- 自分の意思を押し通したいとき
- こちらに気づいてもらいたいとき
自分が知っている注目してもらえる最適な方法を選び行動する事があります。
それが「つねる」ことだと、その子はつねることを頻繁にするようになります。
つねる以外の方法で、コミュニケーションできることを学ぶと、つねらなくなります。
小学生の頃
- 相手をこらしめたい時
- 遊び半分で
相手が悪いと思っている時、こらしめるつもりでつねる場合があります。
また逆に、つねることは悪いことだと知っていると、悪い行為をあえてすることで、つねることがあります。
注意することでつねらなくなる子もいますが、つねることが自分が相手に影響を与えられる最適な手段だと思っている間は注意しても直らない場合があります。
その子にとっては、自分を守ったり表現したりするのにつねるという行為が必要不可欠なのでしょう。
そういう子は、自己肯定感が低かったり、自分に対して怒りの感情を抱いていることがあります。
その子の自己肯定感を上げたり、自分の中にある怒りを認識させることによって、怒りが小さくなっていきます。
自分を心から信頼して大切に思えるようになると、相手の事も大切にするようになるため、つねるという行為はしなくなっていきます。
つねること、つねる癖をやめさせるために親はどのようにしつける?
繰り返しの話になりますが、つねる癖をやめさせるには次の事を試してみて下さい。
0~2歳の子供
数分間つねれないように手を握ったりさすったり、手を内側に抱え込むようにして抱きしめて寝るなどし、つねるという行為が出来ないようにします。
幼稚園児
つねる以外の方法で、コミュニケーションできることを繰り返し教えましょう。
また、その子の気持ちや願いを汲み取って、出来るだけ気持ちを満たしてあげるとその子は“私の気持ちは届く”という事を学びます。
小学生
注意することでつねらなくなる子もいる。
子供に安心感、信頼感、自己肯定感を高めてもらうことが大切。
安心感、信頼感、自己肯定感を高めるために、すぐできる方法としては、その子を抱きしめる事。
スキンシップは言葉と同じくらいのコミュニケーション手段です。
そして、実はしつけよりも大切なことがあります。
それは、子供を信頼する事です。
その子は、何かがあり、何かを感じ、そして自分が今使える手段の中で“つねる”という行為を自ら選んで使いました。
子供が自分で選んだことを、もしできたら尊重してみてください。
尊重するとは、つねるという行為を薦める事ではありません。
ただ単に、「この子はつねるという事を選んだのだな」という事実を受け入れるという事です。
そこで、つねるということは悪いことだ、とはジャッジしないで見てください。
子供の行為によって、周りは“反応”します。
その“反応”から、子供は学んでいきます。
そう“不安”になったり“疑心”を抱いたりするかもしれませんね。
その“不安”から“疑心”から、またはどこかから湧いてくる“恐怖”から子供を注意したり、しつけたりしていると思ったら、少し立ち止まってみて下さい。
自分が子供に対してどんな“反応”をしているのか感じてみて下さい。
そして、その“反応”に対してどんな気持ちから子供に接しているのか知ってください。
そして出来れば、子供に対して、自分の内側にある“不安” “疑心” “恐怖”ではなく、“信頼”の気持ちから子供と接するように心がけてみて下さい。
子供は、大人の言葉や行動の基になっている感情を読み取ることが出来ます。
自分に向けられる大人からの感情がもし“心からの信頼”といったものであったなら、子供は自分を肯定するようになります。
自分を信じる力や、自己肯定感が高くなります。
大切なことなので、ぜひ意識してみて下さい。
まとめ
最後に、ここでお話したポイントをまとめます。
つねる子供の心理は?寝るときにつねるのはなぜ?
赤ちゃんはつねに好奇心から行動している。
寝るときにつねるのは、そうすることで自分の気持ちが落ち着くことを学習したため。
もしかして親の普段の態度が原因?
親や身近な人、映像などからつねることを覚える。
つねることでお母さんから関心を持ってもらえるなど、“愛情欲求”を満たしたいためにつねることを続ける。
親につねる・友達につねるのは意味が違う?
親をつねる場合は、自分を見てほしい、愛情を求めている時など。
友達をつねるのは、自分の不快な気持ちを表現している時。
自分をつねる場合は、心が抑圧されていたり、自分の中に怒りを抱えている。
幼稚園や小学校など年齢別につねる子供の心理は違う?
幼稚園の頃
- 自分の意思を押し通したいとき
- こちらに気づいてもらいたいとき
つねる以外の方法で、コミュニケーションできることを学ぶことが必要。
小学生の頃
- 相手をこらしめたい時
- 遊び半分で
自己肯定感が低かったり、自分に対して怒りの感情を抱いているため、その子の自己肯定感を上げたり、自分の中にある怒りを認識させることが必要。
自分を心から信頼して大切に思えるようになると、相手の事も大切にするようになるため、つねるという行為はしなくなっていく。
■つねること、つねる癖をやめさせるために親はどのようにしつける?
0~2歳の子供
数分間つねれないように手を握ったりさすったり、手を内側に抱え込むようにして抱きしめて寝るなどし、つねるという行為が出来ないようにする。
幼稚園児
つねる以外の方法で、コミュニケーションできることを繰り返し教える。
その子の気持ちや願いを汲み取って、出来るだけ気持ちを満たしてあげるとその子は“私の気持ちは届く”という事を学ぶ。
小学生
注意することでつねらなくなる子もいる。
子供に安心感、信頼感、自己肯定感を高めてもらうことが大切。
そして、しつけるよりも大切なことは、子供の事を心から信頼する事。
自分の内側にある“不安” “疑心” “恐怖”ではなく、“信頼”の気持ちから子供と接するように心がけてみて下さい。
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