現在、日本には、大きく分けて2種のたんぽぽが共生しています。
在来種である、日本タンポポのエゾタンポポとシロバナタンポポ、帰化植物の西洋タンポポです。
身近な花ではありますが、意外な花言葉を持っていて、幸せや別れと関係しているようです。
道端で小さな太陽のようなに咲くたんぽぽ。
子供たちのスケッチにもチューリップと並んでよく描かれていますね。
明るく生命力があるイメージのたんぽぽですが、そこに隠された思いとは何なのでしょう。
探索してみたいと思います。
たんぽぽの花言葉は幸せと別れがある?たんぽぽの花言葉一覧!
まず、たんぽぽの名前の由来をご紹介します。
綿毛(冠毛)が綿球のタンポに似ているのでタンポ穂と呼ばれたという説と、茎を切り出してその両端を細く切り裂いて水に浸けると反り返り、鼓の形になるので、タン・ポン・ポンという音の連想から「タンポポ」と呼ばれるようになったという説があります。
江戸時代には鼓草と呼ばれていたこともある。
英名のダンディライオンはフランス語で「ライオンの歯」を意味するダン=ド=リオンに由来し、これはギザギザした葉がライオンの歯を連想させることから来ている。
これを読むと、綿毛の様子や茎や葉に目が行って、花の方には関心がないのかと思ってしまいます。
特に、茎を割いて水に浸けると反り返る?とは、どんな状況かと不思議に思ってしまいますよね。
たんぽぽは昔から薬草として需要が高かったそうですので、根っこから葉っぱまで研究されていたのでしょうね。
では、本題の花言葉です。
とたくさんあります。
愛と別れ、正反対の花言葉を持っているようです。
「思わせぶり」と「別離」については、後述いたしますので、まずは愛の方について見て行こうと思います。
「真心の愛」とは、「真心を込めた愛」という事ですよね。
愛に真心がつくと、自分本位でない、とても優しくて深い気持ちをより多く感じます。
真心こもった贈り物は愛なのかもしれません。
由来については、飛んでいった綿毛は直に地に着き、芽を吹いて、春になれば花を咲かせることから、離れても別れずに、静かに愛を育んでいくといった意味があるそうです。
次は、「愛の神託」と「神託」ですが、こちらは古くヨーロッパには、たんぽぽを使って占いをする風習があることから来ています。
「好き、嫌い、好き、嫌い・・」と唱えながら花びらを一枚ずつ取り去っていき、最後の一枚がどちらであったかで願い事の答えとします。
二択だと分かり易いですが、例えばお相手が3人だったりすると、「A君、B君、C君、・・・」となったりして複雑ですね。
脱線しましたが、神のみぞ知る → 神頼み → ご神託、となったのはないでしょうか。
厳密にいえば「神託」は神のお告げです。
神の意を伺うのはシャーマンの様な巫女や祈祷師のお仕事ですが、民間でもお手軽にトランプや石、花など依り代となるものがあればご神託を得られるという事のようです。
たんぽぽの花言葉には、その花の姿かたちに因んだものと、目的としての意味があったんですね。
たんぽぽの花言葉が怖いと言われる意味は?
たんぽぽの花言葉に「別離」があるとご紹介しました。
これについては、切ないお話があります。
あるとき南風は野原で、美しい黄色の髪の少女に恋をします。
この少女が「たんぽぽ」です。恋焦がれる南風は、少女に気付いて欲しくて、来る日も来る日も見詰め続けていました。しかし時は過ぎ去り、ある日、気が付くと少女の美しかった髪は真っ白に変わってしまっていました。南風は、悲しくなって大きなため息をついてしまったのです。
その途端、綿毛になった「たんぽぽ」も吹き飛ばされて、消えてなくなってしまいました。
これが、「別離」のエピソードですが、南風もたんぽぽの聖霊?も残念ながら人には物語を伝えられませんから、実際には、たんぽぽという花を擬人化して人がお話を作ったと思われます。
美しい髪が歳月と共に白髪になり、そして灰になる。
人の一生をたんぽぽに見立てているのだと思いました。
そうなると、「別離」とは暗に「死」を意味することになり、これを怖い、と表現したのかもしれないと筆者は考えました。
また、たんぽぽではありませんが、ヨーロッパでは黄色いには、「裏切り」「差別」と言ったイメージがあり、キリストを裏切ったユダの服の色が黄色だったため、不吉な色と考えられることも多いようです。
そんなところからも「怖い」と結びついたのかもしれません。
たんぽぽの綿毛にも花言葉があるの?
綿毛が球状であることと、吹けば飛んで散っていく様から、英名で「ブローボールス(blowball)」と呼ばれます。
開花から1週間ほどでしぼんで、1か月ほどすると綿毛へと変化します。
綿毛が飛ぶのは4月から6月頃です。
綿毛の花言葉は、
「別離」ついては全項でお話しした通りですが、「思わせぶり」とはどんな意味が込められているのでしょう。
そもそも「思わせぶり」とはどんな意味で使わることが多いですか?
「いかにも意味がありそうな仕草や態度で相手を期待させる」
大体が恋の駆け引き的な場面でしょうか。
由来は、花弁の場合と同様、花占いから来ているようです。
綿毛を一気に吹き飛ばして、その有様から願い事の行方を占います。
恋占いで言えば、種が一つも残っていなければ両想い、一つでも残ってしまったら片思い、一つも吹き飛ばなかったら関心がない、と言った具合です。
そうなると、少しでも熟していそうな綿毛を選ばないといけませんか。
このように吉と出るか凶と出るかは、試す綿毛によって気まぐれですし、選ぶ私たちでさえ気まぐれです。
綿毛を見ただけでは、吹けば飛ぶような「思わせぶり」な様子です。
きっと、この様なことから「思わせぶり」と付いたのかもしれません。
結果が、0か1かで極端過ぎないかと思ったりします。
残ってしまっても全体の何割吹き飛んだかで少しは希望を見出したいところでもありますよね。
ふと気が付くと、手近の綿毛は全てなくなっていた!という事態になるかもしれません。
それでも、たんぽぽたちにとっては都合の良い話です。
綿毛を見ただけでなぜか吹き飛ばしたくなる。
これも生命の神秘から来ているのではないかとさえ思えてしまいます。
余談でした。
たんぽぽの花言葉、英語・韓国語での意味は?
冒頭でご紹介した通り、英語名は「dandelion」です。
花言葉もいくつかあって、日本と共通のものもありますが、他の意味も持つようです。
- 「Lover’s oracle(愛の神託)」
- 「oracle(神託)」
- 「faithfulness(誠実)」
- 「happiness(幸福)」
「愛の神託」「神託」については同じですが、「誠実」と「幸福」が加わりました。
元々の花言葉には「忠誠心」と言う意味合いが強かった名残ではないかと思いました。
また、多少、厳しい環境でも辛抱強く根を張って開花する小さな姿から、頑張ればやがては幸せがやって来る、という思いが込められているのではないかと思います。
韓国でもたんぽぽの花言葉があります。
- 「愛の神託」
- 「不死身」
「愛の神託」については、同様と思いますが、「不死身」については、新しい解釈です。
これは、たんぽぽが踏まれても踏まれても枯れることなく、きれいな花を咲かせることから来ているそうです。
韓国のドラマに「一途なタンポポちゃん」という人気ドラマがあるそうです。
これは、孤児であるヒロインが逆境に負けず、明るく真っ直ぐに生きていくお話だそうで、どんな環境でもきれいな花を咲かせ、虫に蜜をやり、白い綿毛でどこまでも飛んでいくタンポポをモデルしているそうです。
ご興味ある方は、下のリンクよりご覧ください。
タンポポの花言葉には、国を超えて共通なイメージがありつつも、神秘的なものから、より生活に密着したものまで様々あることが分かりました。
その時、その時代で人々の関心が高いものが花言葉として現れているようにも思えました。
たんぽぽの花束はどうやってつくる?花束の作り方
たんぽぽは花が咲くのが3月~5月で、最盛期は4月です。
開花から花が咲いているのは7日間ほど。
ただし、これは在来種の日本タンポポのことで、春から秋にかけて咲くのは西洋タンポポです。
個体で種子を作ることの出来る西洋タンポポと、他の花から授粉しなくてはならない日本タンポポは野原などに群生するという植生の違いがあります。
街の道路脇、アスファルトの隙間から逞しく生えているのは西洋タンポポであることが多いです。
これらの特徴を知っていれば、時期になったらたんぽぽを摘んで、可愛らしい花束を作ることもできますね。
ポイントは、摘んだらなるべく早く束ねること!です。
下の動画をご参考に。
「タンポポと春の野の花のブーケ」(YouTube動画)
また、綿毛をドライフラワーとして楽しむことも出来ます。
詳しく作り方は下のリンクを参考に。
見ているだけでも、素敵で、綿毛探しに身が入りそうです!
まとめ
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
たんぽぽの花言葉をもう一度まとめさせていただきます。
日本では、
- 「真心の愛」「愛の神託」「神託」「思わせぶり」「別離」
英語ではこれに加えて、
- 「faithfulness(誠実)」 「happiness(幸福)」
韓国では、
- 「不死身」
総じて見ると、言葉から、たんぽぽの生命力みたいなものを感じました。
特に私は、「南風とたんぽぽの精」のお話が気になります。
キリスト教には「神の息」という考えがあります。
ここでは、詳しいことは割愛させていただきますが、神の息=神の風が奇跡を起こし、そして生命を吹き込みます。
全くの想像ですが、南風は神だったかもしれません。
慈悲の心を持って、生命を吹き込み、そして果てには終わらせる。
命の儚さに涙を流したのかもしれません。
そしてまた、神の息によって新たな生命を新天地へと送り込んでいくのです。
花言葉に込められたメッセージは今も昔も変わらない不思議な力を持った言葉として、伝えられていくのだと思いました。
それをどう解釈するのかは、私たちの自由ではありますが。
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