人生の中であまり経験できない「退職」。
いざ決心したものの、どう切り出せばいいのか悩んでしまいますよね。
これまでお世話になった会社ですので、ご迷惑にならないよう、穏便・円滑にことを進めたい。
では、どう切り出すべきなのか?
まずは誰に伝えるべきなのか?
どのタイミングで伝えるのが正解なのか?
引き止められたら?
などのラインナップで、今回はお話していきますね。
退職の切り出し方と言い方!最初にするべき大事な手順!
最初にするべきこと、それは、上司へのアポ取りです。
退職するといっても「退職します!」「OK!」というわけにはいきません。
何事も準備というのは必要なので、まずは、上司と話せる機会を作りましょう。
その際も一言目から「退職したいのですが」なんて、上司に突然の右ストレートは打つようなアクションは好ましくありません。
また、重く捉えることができそうな「大事なお話が…」という前フリをするのもNG。
上司が「これはただ事ではない」と身構えてしまいますし、他の社員も何かを察してしまうかもしれません。
アポを取る段階では、
といった具合に、退職というワードを出さないのが最適ですね。
では、そのアポはいつ頃取り始めるのが望ましいのでしょうか?
上司に退職を伝えるベストなタイミングはいつ?
退職を伝えるのにベストなタイミングは「退職希望日の1~3か月前」が一般的です。
会社の規定により差がありますので、事前に確認しておくと安心ですね。
労働基準法では「退職の意思表明をした2週間後」には退職できると定められているのですが、実際のところ2週間前に言われても困る会社が多いのが現状。
私は社員ではなく、飲食店のパート勤務なので比較にならないかもしれませんが、それでも、欠ける分のシフト調整、仕事の引継ぎ等を2週間でこなすのは、厳しく感じます。
重要なポジションにいる方であればなおさらです。
もちろん、ご本人やご家族のご病気、怪我などの場合は致し方ないですが
前もって申告できる状況であるのならば、できるだけ早くに知らせていただきたいというのが正直な気持ちです。
また、伝えるタイミングで、もうひとつ重要なポイントがあります。
それは「繁忙期を避ける」ということ。
ただでさえ業務が山積みで忙しいときに、退職すると言われても
「いやいや、ちょっと待って!」「空気読んで!」となり、困らせてしまいます。
(先ほども言いましたが、病気や怪我のときは例外です。)
目が回りそうなほど忙しいときに「お話があるのですが…」と言われても対応している暇がとれない場合が多いですし、余裕がありません。
退職を伝えるとき、実際に退職する時期は繁忙期からずらしましょう。
社会人の常識?退職を伝える際のマナーとは?
社会人である以上、最後までマナーを守って行動したいものです。
退職を伝える際のマナーは、主に以下の3点です。
1:退職を伝えるときは、上司と二人きりのシーンを作ること。
同僚たちがいるところで話してしまうと、社内の空気が変わってしまいます。
退職は大事な話なので、できれば個室で。
なければ、人のいないところでするのがいいですね。
2:伝えるのは直属の上司であること。
最初に伝えるのは、必ず直属の上司からにしてください。
直属の上司より先に、他の方に伝えてしまうと、上司の面目丸つぶれ。
お世話になっている方の顔に泥を塗るような行為ですので、絶対に避けてください。
直属の上司が誰かわからない場合。
日頃あなたが業務内容の報告や相談をしている方、指示を出してくださっている方です。
会社の規模があまり大きくなく、上の方に管理職の方がいない場合。
直接、社長さんにお伝えしましょう。
3:いきなり退職届をもっていかないこと。
テレビドラマなどでは「お世話になりました」のセリフとともに、退職届をスッと差し出す光景をよく見ますが、現実世界ではNGです。
退職のお話をして、うまくお話が進んだのちに、どうすべきか上司に確認しましょうね。
退職を伝えるにあたって準備しておくべき対応例・4選!
交渉の際に伝える明確な退職理由
退職といっても様々な理由があります。
「辞めさせてください!ここを辞めたいんです!」なんて、某アニメーション映画のようにごり押しされても、会社側としては困ります。
例えば、突然恋人から「別れてください。理由は特にありません。でも別れてほしいです。」と告げられたらどう感じるでしょうか?
納得が行きませんし「せめて理由くらい教えてほしい」と私なら思います。
会社は一人では成り立ちません。
従業員あっての会社です。
人間関係、コミュニケーションが必要な場ですので、フワっとしたニュアンスではなく、はっきりと申告しましょう。
穏便に、スマートに退職を進めるためには、『明確な理由』は必要だということを覚えておいてください。
しかし、退職理由が「会社、上司、同僚」へ不満といったような、会社へマイナスの印象がつく理由の場合は、なにか他の理由を考えておくことをおすすめいたします。
愚痴や悪口を言ってしまうのもよくありませんね。
対人に関するネガティブなワードというのは、トラブルの原因。
あなたへの印象が悪くなってしまいますし、退職前に嫌な思いをすることは言うべきではありません。
では、どのように伝えるのが好ましいのでしょうか?
本日は、お時間を作ってくださりありがとうございます。
突然で申し訳ございませんが、退職をさせていただきたく、このような機会を設けていただいた次第です。
こちらでは大変お世話になったのですが…
はっきりと退職日を決めておく
退職の話をするにあたって必ず聞かれるのが「いつ退職するのか?」です。
ここをきちんと設定しないまま話を持ちかけると、いざ聞かれたときにあたふたしてしまいます。
- いつ頃退職したいのか
- いつまで働けるのか
この2点をしっかり伝えられる準備をしておきましょう。
退職後の転職先
退職するということは、仕事がなくなるということです。
今後の生活をしっかりと視野にいれなければなりませんので、転職先を用意しておくことは大切です。
(寿退社、病気や怪我が理由の退職はこの限りではありません。)
転職先の内定がもらえていると、退職の交渉に使える最強のカードにもなりますので、事前準備をしっかりと行いましょう。
また、上司に転職先を聞かれたときに、答えるべきか悩まれると思いますが、法律的に伝える義務はないので、濁しておくのが吉。
ぶれない心
会社に関わらず、人と交渉をするに当たり、最も大事ことです。
退職を伝えて引き留められることは珍しくありませんので、その際に心変わりしてしまうような素振りを見せると、話が長引きます。
引き留める材料として、心惹かれる条件を提示することもありますが、自分の意思は変わらないという姿勢を見せることが肝です。
ここで話に乗ってしまうのがなぜ得策ではないかといいますと
- 条件がその場しのぎなもので、守られない可能性がある
- つぎまた退職の話を持ちかけても相手にしてもらえなくなる可能性があるからです。
退職というのは生半可な気持ちでするものではないということですね。
では、引き止められたときにどのように対処するべきなのかを次でご紹介いたします。
退職を引き止められてしまった時の対処法!
押しに弱い人というのも世の中にはたくさんいます。
私もその一人でして、一大決心をしていざ切り出してみても、あれやこれやと理由を並べられたり、感情に訴えかけられるとどうにも決心が鈍ってしまいます。
そんなときにどう対処すればいいのかシーン別にご紹介します。
1:あなたがいないと会社が回らない!と言われたら?
- 「あなたには期待しているんだよ」
- 「まだまだ飛躍できる」
- 「あなたがいないとプロジェクトが成功しない」
といったような、情に訴えかけてくるパターン。
必要とされるのも、優秀と認めてもらえるのもとても有難く嬉しいことですが、自分がなぜ退職を決意したのかを思い出してみましょう。
やりたい仕事ではなかった。今の会社では成長できないと感じた。
様々な理由があって『ここではこれ以上働けない』という考えに至った理由があるはずです。
思い返して、自分の決断が間違っていないと思えたならば、退職に至った理由をハッキリと伝えましょう。
2:好条件を提案してくる
- 「昇進を考えていたんだ」
- 「お給料を上げよう」
このような心が揺れてしまうおいしい提案をしてくるパターン。
さきほどもお話しましたが、その場しのぎの言葉である可能性もあります。
ここで乗ってしまっては、相手の思うツボです。
まずは、しっかり話を聞くこと。
その後、持ち帰ることも可能かと思いますので、心を落ち着かせてから、自分がどうしたいのかしっかり考えた上で、結論を出しましょう。
3:退職時期を延期してほしいと言われる
- 「少しだけでも退職時期を伸ばせないか?」
- 「後任がみつかるまでいてくれないか?」
と、退職までは承諾されたものの、期限の交渉を持ちかけられるパターン。
これに関しては、ご自分の都合を考慮しながら対応しましょう。
転職先が決まっている場合、一度相談してみると、了承してもらえる場合もあります。
しかし、いい顔をしないこともありますので、柔軟に対応しましょう。
既に転職先が決まっているので、延期はできないという意思表明は大切です。
こちら側の意見を強く伝えるためにも、退職したい日の1~3か月前に伝えるということが重要になってくるわけですね。
引き止められる際に多い3パターンをご紹介してきましたが、すべてに共通して言えるのは喧嘩腰にならないように、丁寧に対応するということ。
どんなにしつこくても、どんなに嫌な会社だったとしても、喧嘩腰になったら話が長引きますし、後味も悪いです。
立つ鳥跡を濁さずということわざがあるように、円満に、穏便に交渉を進めましょう。
まとめ
- まずは上司にアポを取ろう!
- 退職を伝える時期、退職の日取りは繁忙期を避ける!
- 伝えるのは直属の上司一択
- 二人きりで話せる環境で切り出そう
- 退職届はまだ持っていかない
- 伝えるときは明確な退職理由と退職日を決めておく
- 転職先を決めておくと安心
- 交渉の秘訣はブレない心
- 引き止められたときは話を最後までしっかり聞く
- 聞いたうえで自分が退職したい理由と照らし合わせて柔軟に対応する
- 決して喧嘩腰にはならず穏便に
重要なポジションに立たされている場合、退職の一言はなかなか言い出しづらいです。
お世話になった会社に、ご迷惑をおかけしてしまうことへの謝罪と、迷惑を最小限に抑えるためにどのような準備をしていくのかが重要です。
退職と宣言すれば終わりというわけではありませんので、交渉成立した後も、自分が退職するその日まで、引継ぎなどの準備をしっかりしていきましょう。
あなたのこれからの道のりが、輝かしいものとなりますよう、お祈り申し上げます。
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