新聞でたまに見かける社葬のお知らせ。
なんとなく見ていた時に、「社葬と一般的なお葬式って何か違うのかな?」とふと疑問に思いました。
個人のお葬式には参列したことがありますが、社葬は経験ありません。
「誰が亡くなると社葬になるの?」
「香典はどうするんだろう?」
「服装は?」
「葬儀委員長って誰?」
考えてたら様々な疑問が湧いてきました。
自分はいま、会社の総務部に所属しています。
たぶん社葬に関することは、総務部が担当だと思います。
なので「社葬について知っておいて損はない」と思い、少し調べてみました。
弔電の送り方や文例、香典の相場などを、「社葬に参列する場合」と「社葬を取り行う場合」の両側面から紹介しますので、参考にしてみてください。
社葬の弔電の宛名宛先(送り先)は葬儀委員長宛?
「社葬」とは、創業者、社長など会社の功労者が亡くなった時や、勤務中や海外赴任中に不慮の事故で亡くなった社員のために、会社が主催して執り行う葬儀のことです。
一般的な葬儀の後、2週間後くらいに日をあらためて行われます。
社葬には「故人より役職が下の者が参列するのは失礼にあたる」というルールがあります。
これは、故人より上の役職の者が参列することで、故人に敬意を払うという意味です。
役職者の都合がつかず、やむをえず参列できない時は、弔電を送ります。
相手との関係によっては、弔電や供花を送った上で参列することもあります。
社葬の弔電のポイントは次の4つ。
- 受取人は、葬儀委員長。
- 送り先は、社葬を主催する会社の住所。
- 差出人は、会社名+会社代表者名。担当者名をそえることもある。
- 通夜が始まる前までには届くように。
社葬の弔電の受取人は、会社が主催のため、喪主(遺族)ではなく、責任者の葬儀委員長です。
葬儀委員長や責任者名がわからない時は、受取人を「株式会社○○ 故 □□□□ 葬儀責任者様」にします。
差出人は、「□□株式会社 代表取締役社長 ○○○○」とします。
受取人に分かりやすいように、担当者名をそえることもあります。
また、弔電が披露されることを考え、氏名にふりがなをつけると親切です。
送るタイミングは、通知を受けたら早めに送るのがよいでしょう。
葬儀担当者が弔電披露の準備をしやすいように、遅くとも前日までには届くように手配します。
社葬の弔電の文例5選
会社名義で弔電を送るときの文例を紹介します。
一般的なもの
功績をたたえる言葉を入れたもの
故人が高齢だった場合
社員が亡くなった場合
有能な社員を失われたご落胆はいかばかりかと拝察申し上げます。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。」
こうしてみると、弔電自体は特別難しくはないですが、会社名義で送るのでマナーには気を使いそう。
先方の会社に対して失礼なことがあったりすると、場合によっては、今後の取引などに影響するなんてことがあるかも。
弔電は各社から届くだろうから「オリジナルな文章で他社に差をつけたい」とも思いますが、うっかり忌み言葉を使ってしまったりする心配もあります。
やはり無難に、NTTなどの定型文を使うほうがいいかも知れませんね。
社葬のマナーとは?香典の相場は?
社葬での服装やマナー、香典の相場などは特に気になりますね。
服装
社葬に参列する場合
一般的に、社葬に参列する場合は「平服で」との案内があります。
平服とは別称「略礼服」で、普段着のことではありません。
ダークスーツや地味な服装のことで、喪服(準礼服)とは違います。
社葬を取り行う場合
葬儀委員長は、黒のモーニングに黒のネクタイ、女性の場合は和装の喪服を着用します。
運営スタッフの場合は略礼服でかまいません。
どちらの場合も、バッグや靴は黒、社章以外の光り物は避けます。
マナー
社葬でやりがちなのが「名刺交換」と「仕事の打ち合わせ」です。
葬儀に参列しているので、仕事を持ち込むことはマナー違反です。
社葬でマナー違反をしてしまうと、自分だけでなく会社の評価も下がってしまうので気をつけなくてはいけません。
香典
一般的に3~10万円と言われています。
ですが、会社との関係や故人の役職、慣例、業界などによって変わることが多く、はっきりとした相場はないといえます。
多くの社葬は、案内状に「香典は辞退いたします」とあることがほとんどです。
その場合はそれに従い、持っていかなくても失礼にあたることはありません。
香典は会社にとっては雑収入扱いなので、課税対象となり経理が複雑になってしまうためです。
自社で社葬を執り行う場合
自社の社葬に社員は参列するか、香典が必要かなどは、それぞれの会社で異なります。
参列希望者のみの会社、社員全員参列の会社、また香典は不要、社員一同でまとめてなど、さまざまです。
規定が設けられている会社もあります。
わからなければ、上司や先輩、総務部に相談するのが一番いいでしょう。
ちなみに私の勤務する会社では、社葬はまだ執り行ったことがなく、規定も特にないそうです。
いざという時のために、ガイドラインを作った方がいいと思うのですが・・・。
進行は?葬儀委員長の役割は?
社葬は、喪主は遺族、施主は会社です。
葬儀委員長は会社の代表者が務め、葬儀執行の最高責任者となります。
そのため、焼香などは葬儀委員長が喪主に先立ち行い、最後の挨拶も務めます。
一般的な社葬の進行は次の通り。
- 開式の辞
- 読経
- 弔辞拝受・弔電奉読
- 葬儀委員長挨拶
- 喪主挨拶
- 読経・焼香(葬儀委員長→喪主・遺族→親族→取引先→一般会葬者→社員の順)
- 閉会の辞
最近では、読経・焼香などの宗教儀礼を行わない「お別れの会」や「偲ぶ会」を行う会社も多いです。
まとめ
社葬の弔電やマナーについて、社葬に参列する場合と社葬を執り行う場合、それぞれに紹介しました。
社葬に参列する場合のまとめ
- 弔電は葬儀委員長宛てに、通夜の始まる前までに送ること
- 弔電の文面は失礼のないように慎重に。忌み言葉などに自信がないなら、NTTなどの定型文を使う方がよい
- 最近では「香典辞退」の会社が多いので必ず確認を
- 社葬会場での名刺交換や仕事の打ち合わせはマナー違反
社葬を執り行う場合のまとめ
- 葬儀の最高責任者である葬儀委員長は会社の代表が務める
- 参列や香典については、各社さまざま
- 規定や社内慣例に従う。わからない時は、上司や先輩に相談する
いろいろと調べてみて思ったのは、「社葬は単なる故人のお葬式ではない」ということです。
社葬を成功させることで、取引先はもちろん世間一般に対して会社のイメージをあげることができます。
また、参列する側はその後の先方の会社との関係にも影響することを念頭に、失礼がないように慎重に対応しなければいけないと思いました。
たびたびある事ではないですが、いざという時に失敗しないように、最低限のことは覚えておきたいと思います。
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