知らないのに知ってるふりをしてしまう知ったかぶり。
自分の子が、知ったかぶりをしている事に気づいたとき気になってしまいませんか?
知ったかぶりを通り越して嘘をつく子になってしまったのかな…と、気にされている親御さんもいるかもしれませんね。
ここでは、そんな知ったかぶりについての解説をしています。
どうして知ったかぶりをするのか、嘘つきとどう違うのか、知ったかぶりを改善させるにはどうしたらいいのかなど、お話していきます。
知ったかぶりをする子供の心理は?
小さな子供が知ったかぶりをしてしまうのには理由があります。
その大きな理由の一つは、現実と想像の区別がついていないためです。
子供のうちはまだ自分視点で世界を見る事が多いです。
そんな子供が見る世界では、自分の想像の世界と現実の世界と区別がついていない事があります。
そのため、自分が想像している事も現実だと思い、話してしまう事があります。
本人にとっては知ったかぶりというより、「これが真実だ」と思って話している事でしょう。
ですが、事実と違う事を話されても、知ったかぶりと思われてしまう事もあります。
想像と現実の区別は、自分以外の人と関わっていき、だんだんと他の人が見る世界観も共有していくことで「これは自分の想像」「これは皆も認識している現実」といった風に区別できるようになってくるでしょう。
知ったかぶりの子供と嘘つきの子供は違う?
少し成長して大きくなると子供の知ったかぶりは、知らない事を隠そうとするために行われます。
自分が知らない話で友達が盛り上がっていると、自分もその輪の中に入りたくてその話題を知っているように話したり。
知らない事をバカにされると、知っている風を装ったり。
知らない自分を認めずに、知っている自分を演じてしまう知ったかぶりは、自分に価値があるように見せたり、大きく見せようとする心理が働きます。
そういう知ったかぶりは悪いことではありません。
自分を良く見せようとするのは、現代ではむしろ必要なスキルとして大人の世界でも活用されています。
知ったかぶりをすると嘘つき呼ばわりされてしまう事もあるでしょう。
ですが、“知ったかぶり”と“嘘つき”は似ているようで違うものです。
では、“知ったかぶり”と“嘘つき”はどう違うのでしょうか?
それは、本人が“意図していること”が違います。
嘘は、事実と違う事を話そうと意図しています。
知ったかぶりは、知らない自分を隠したり、それを知っている事にしようと意図しています。
知ったかぶりをしている子供に、「それ嘘でしょ」とか「嘘つき」と言ってしまうと、知ったかぶりをした本人としては嘘をつく事を目的としていないため、会話がこじれてしまうかもしれません。
“嘘つき”と“知ったかぶり”は違うという事を知り、それぞれにふさわしい対応をしましょう。
知ったかぶりをしてしまう子供になってしまった原因は親?
知ったかぶりをしてしまう原因の一つで、素の自分では認められないと思ってしまう自己肯定感の低さが影響する事もあります。
例えば、小さいころにお母さんに構ってもらいたかったけれど、十分にかまってもらえなかった場合、寂しい感情がわきます。
そんな時、子供はどうにか母親の注目を引こうとして色々と行動します。
その行動した結果、母親から
などと言われ注意を引けたら、自分はこれも知ってるしあれも知ってるよ!とその方法でもっと注意を引こうとします。
それが、実は知らない事でも母親の関心を引くために知っている事にしようという心理が働き、知ったかぶりを始める原因にもなります。
知ったかぶりのメリット・デメリットは?
知ったかぶりを何度も繰り返すと、知ったかぶりをする癖がつく場合があります。
そうすると、大人になってからも知ったかぶりを習慣でするようになってしまいます。
大人になって知ったかぶりをする癖が出てしまうと、「これは知ったかぶりだ」と相手が気づいたとき、知ったかぶりをしたその人に違和感や疑心を感じ、信頼関係を築くのが難しくなります。
知ったかぶりと嘘との違いは相手には分からない事もあるので、「嘘をつかれた」と思うかもしれません。
そうした相手とは良好な関係を維持するのは出来ないと思う人もいます。
知ったかぶりは、だんだんと人が離れていく原因にもなります。
逆に、自分が知ったかぶりをすることに気づいていれば、知ったかぶりを人と分かり合えることに利用する事も出来ます。
もし、知ったかぶりをしてしまう自分を変えたかったり悩んでいたら、
とよく一緒にいる人に打ち明けてみましょう。
何かの話題で知ったかぶりをしたことに気づいた時、「あ、今自分は知ったかぶりした。」と正直に言います。
そして、
と、知りたいことだったら聞いてみましょう。
知ったかぶりをしてしまっても、そうして改善していこうという行動が出来たなら、知ったかぶりを直す経験値がたまっていきます。
そうした経験は、同じように知ったかぶりをすることに悩んでいる人の役に立つでしょう。
知ったかぶりのメリットについて語られている動画もあるので、よかったら参考に見てみて下さい。
知ったかぶりをして後悔した時の対処法/精神科医HARUKA
知ったかぶりをしない素直な子供に育てたい!注意の仕方は?
しったかぶりをしない子に育てるには、3つの方法があります。
1.現実と想像の違いを教える。
小さな子供は、自分の想像したことを現実と思って話す事があります。
なので子供に、今話している事は本当の話か、頭の中の想像の話か聞いてみましょう。
また、“想像とはこういう事”“現実はこういうこと”というお手本を見せて、想像と現実の違いを教えていくのも一つの方法です。
「現実はこういうこと」の例え
- 「今、赤い車が通ったね。」
- 「今日はブランコで遊んだね。」
「想像とはこういう事」の例え
- 「次は黄色い車が見れるといいな。」
- 「明日は何をして遊ぼうかな。すべり台で遊ぼうかな。」
2.知らない事があっても大丈夫ということを学ばせる
日ごろの会話で、“知らないときはこうするといい”という体験をさせましょう。
例えば、「今日はどんなことをしたの?」と子供に聞いてみて、「それはなに?」「これってどういうこと?知りたいな、教えて。」と言います。
すると子供は、“知らない事はこうして聞くんだな”ということを身につけます。
また、子供に質問された時に分からない事があったら、
と言って、辞書やインターネットで調べたことを伝えたり、一緒に調べてみるのもいいですね。
そのようにして、“知らないことがあっても大丈夫”“知らない時はこうしよう”と思えるような体験をたくさんさせてあげましょう。
3.子供の自己肯定感を高める
子供が、「自分は大切にされている」「自分は愛されている」と感じると、自己肯定感が高くなります。
子供の行動を見守ってあげたり、話を聞いたり、一緒に遊んであげたりすることでも「自分は大切にされている」と感じる事が出来るので、子供に関心を持って接してみて下さい。
まとめ
ここまでお話ししたことをまとめます。
知ったかぶりをする子供の心理は?
- 現実と想像の区別がついていない
- 知らない事を隠そうとしている
- 母親の関心を引きたい
知ったかぶりの子供と嘘つきの子供は違う?
知ったかぶりと嘘では、本人が“意図していること”が違う。
嘘は、事実と違う事を話そうと意図していて、知ったかぶりは、知らない自分を隠したり、それを知っている事にしようと意図している。
本人にとっては違うけれど、周りから見たら知ったかぶりと嘘の違いは分かりにくい。
知ったかぶりをしてしまう子供になってしまった原因は親?
構ってもらいたいときに十分に構ってもらえないと、素の自分では認められないと思ってしまい自己肯定感が低くなる。
そうした自己肯定感の低さが、知ったかぶりをする原因の1つ。
知ったかぶりのメリット・デメリットは?
デメリット
- 信頼し合った、良好な人間関係を築きにくい。
- 人がだんだんと離れていく。
メリット
- 知ったかぶりを相手と分かり合う手段にする。
- 知ったかぶりをする自分の体験が、同じように知ったかぶりをして悩んでいる人の役に立つことがある。
知ったかぶりをしない素直な子供に育てたい!注意の仕方は?
しったかぶりをしない子に育てる3つの方法。
- 現実と想像の違いを教える。
- 知らない事があっても大丈夫ということを学ばせる
- 子供の自己肯定感を高める
そして、親自身が知ったかぶりをしない事も大切です。
子供は親の背中を見て育つので、知らないときはこうするんだよ、ということを体験を通して子供に伝えましょう。
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