注連縄掛神事(お笑い神事)2019!枚岡神社とは?行事のみどころまとめ!

神社のしめ縄

関西で育ったわたしは、「お笑い」が大好きです。

「お笑い」をみて大笑いしていると、イヤなことも吹き飛んで、幸せな気分になることができます。

みなさんは知ってますか、そもそも「笑うこと」って崇高なことなんですよ?

だって、「笑うこと」をメインにした神事があるくらいなんですから。

全国には、そんな「笑い祭り」がいくつかあります。

東大阪市にある枚岡神社(ひらおかじんじゃ)で毎年年末ごろに行われている注連縄掛神事(しめかけしんじ)、通称お笑い神事も、そんな「笑い祭り」のひとつです。

もちろん、今年(2019年)も行われます。

「でも神事っていうくらいだから、お堅いんじゃないの?」

と敬遠している人、

「初めてお笑い神事に行くんだけど、みどころは?」

と疑問に思っている人、いませんか?

そこで今回は、みなさんも注連縄掛神事(お笑い神事)に参加して大笑いできるように、

  • 「注連縄掛神事(お笑い神事)ってどんな行事?」
  • 「開催している枚岡神社ってどんなところ?」
  • 「注連縄掛神事(お笑い神事)のみどころは?」

の疑問に答えていきたいと思います。

注連縄掛神事(お笑い神事)2019どんな行事なの?

神主のイラスト

注連縄掛神事(お笑い神事)を一言で説明すると、「みんなで大笑いするお祭り」となります。

これだけはますます「???」となると思うので、もう少し詳しく説明させていただきましょう。

注連縄掛神事は、毎年年末(昔は12月25日、近年は12月23日)に、東大阪市にある枚岡神社で行われているお祭りで、またの名を「お笑い神事」といいます。

市の無形民俗文化財にも指定されている由緒正しい神事なのですが、なぜ「お笑い神事」などと呼ばれているでしょうか。

理由は、そのユニークな行事内容にあります。

注連縄掛神事(お笑い神事)、笑撃の行事内容!

注連縄掛神事の当日、8時半から新しい注連縄(しめなわ)の作成が始まります。

それができると、その新しい注連縄を神社参道広場の注連縄柱に掛かった注連縄と掛けかえがされ、10時からその注連縄の下でお祓いが行われます。

ここまでは普通の神事なんですが、注連縄掛神事が変わっているのは、ここからです。

お祓いのあと、宮司さんの「アッハッハー」という高笑いが始まります。

その笑い声に続けて、境内に集まった2000人ほどの参拝客らも同じように高笑いをあげます。

その応酬が3回繰り返されると、いったん宮司さんから神事や笑いについてのお話があり、そこからまた宮司さんの高笑いが始まります。

今度は参拝客も宮司さんたちといっしょに笑いだし、なんとそのまま20分ものあいだ、笑いを続けるのです!

みんなでこの一年のイヤなことを笑い飛ばし、笑いで新しい福を迎えましょうというこの行事。

この「笑い」こそが、「お笑い神事」と呼ばれる所以だったんですね。

数年前までは神職の方々と数十名の見物人が新しく掛けかえた注連縄の前で3回高笑いするだけのローカルなお祭りだったんですが、今の宮司さんに変わったときに「20分間みんなで笑う」という行事が付け加えられたことにより、今のような数千人もの人が訪れるような人気のお祭りになっていきました。

最近では外国人の方々や、自分だけではなく周りの人も笑わせようと仮装をして参加する人までいたりします。

この愉快なお祭りの雰囲気を、こちらの動画から感じてください。

平成23年 枚岡神社 お笑い神事

平成23年 枚岡神社 お笑い神事

注連縄掛神事(お笑い神事)の起源は?

それではなぜ、このような奇天烈な神事が行われることになったのでしょう。

じつはこの神事、あの有名な天岩戸の神話にならって行われているんです。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、

天岩戸神話とは、神代の昔、弟である須佐之男命(スサノオ)の乱暴に耐えかねた太陽の神・天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に閉じこもってしまったことで真っ暗になってしまった世界を元に戻すため、岩戸の前で祝詞を奏上したり踊りを繰り広げて天照大神の興味を惹いて岩戸の中からこの世界に連れ戻した、というお話です。

太陽の神である自分が閉じこもってしまったのに、外から陽気な笑い声が聞こえてきたので思わず岩戸から身を乗り出して外をのぞき見したところ、力自慢の神に引っ張り出されてしまったのですね。

天照大神が戻ってきたことで、世界はふたたび光を取り戻し、明るく平和な世界に戻りました。

この神話の

「笑いによって岩戸を開き、世界に光(幸せ)を取り戻した」

ことにならって、笑いで心の岩戸を開いて、福を呼び込もうと行われているのが、この注連縄掛神事、お笑い神事となります。

笑う門には福来る

注連縄神事自体はこの20分の大笑いで終わるのですが、そのあとも境内に出ている出店をまわったり、ショーや笑いを競うコンテスト、夜には天岩戸神話を元にした儀式なども開催されており、朝から晩まで笑いに包まれっぱなしのお祭りとなっています。

注連縄掛神事(お笑い神事)は、幸せが来たから笑うのではなく、笑うことで幸せを呼び込もうという、そんなお祭りなのです!

注連縄掛神事(お笑い神事)枚岡神社はどんな神社?

賽銭箱

この注連縄掛神事が行われる枚岡神社は、大阪府東大阪市出雲井町の近鉄「枚岡駅」のすぐ近くにあります。

生駒山を背に、山麓の木々に囲まれながら神聖な空気を醸し出す枚岡神社。

その歴史はとても長く、日本の初代天皇・神武天皇が即位される3年前の「皇紀前3年」(紀元前663年)に建てられたそうです。

この2600年以上もの歴史ある枚岡神社には、主祭神が4柱もおられます。

  • 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
  • 比売御神(ひめみかみ)
  • 経津主命(ふつぬしのみこと)
  • 武甕槌命(たけみかづちのみこと)

このご祭神のうち、天児屋根命・比売御神の二神が、奈良のあの春日大社に創建の際に勧請(分霊を他の地に移して祭ること)されていて、そのことで枚岡神社は、別称「元春日」とも呼ばれています。

そしてこの4神のうち、天児屋根命がさきほどの「天岩戸神話」の中に出てきた、はじめて神事を行い祝詞を奏上した「神事宗源(しんじそうげん)の神」であることから、この枚岡神社ではそれに由来したお笑い神事が行われているのです。

枚岡神社のご利益は?

枚岡神社には4つ本殿のほか、境内に20社以上も摂社・末社があって、多種多様なご利益があります。

ご利益1 縁結び・家庭円満・家内安全・子授け

ご祭神の天児屋根命比売御神は夫婦であることから、縁結びのご神徳があります。

さらに比売御神は良妻賢母、女性の鑑と仰がれていて、天児屋根命と比売御神の御子・天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)も境内の『若宮社』という摂社に祀られていることもあって、家庭や家族に関係したご利益もいろいろといただけるようです。

ご利益2 子孫繁栄・出世開運

天児屋根命の子孫が古代の日本で神事や祭祀などをつかさどった中臣氏であり、その繁栄した様から子孫繁栄のご利益があるといわれています。

また天児屋根命自身、高天原から降り立つ天照大御神の孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)にお供するという重責を果たしたこと、中臣氏ものちに藤原氏となり権力の中心になるまで至ったことから、出世開運のご利益もあります。

ご利益3 仕事運・勝負運・学業成就・必勝祈願

武甕槌命経津主命は、出雲国に派遣されて、そのとき見事にその役を果たした武運の神さまなので、仕事運、勝負運、そして現代の戦・学業成就のご利益がいただけます。

ここにあげた以外にも、枚岡神社には金運・交通安全・安産など、数多くのご利益があるそうです。

これだけのご利益がそろっているのですから、ひとつくらいは自分のお目当てのご利益もあるのではなないでしょうか?

枚岡神社へのアクセス方法

住所:大阪府東大阪市出雲井町7-16

公共交通機関:

近鉄奈良線「牧野駅」下車すぐ

駐車場:

40台ほど駐車できる無料駐車場あり(利用時間:9時~16時)

※神事、お祭りがある日は利用できないときもあります

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