日本人にとって、桜を語らずして日本の心が語れるか、というぐらい『桜』は切っても切れない魂の花です。
桜前線が北上すると、ようやく厚いコートともお別れ、心も軽くなり、それと共に新生活への期待と緊張も訪れる。
毎年のこととは言え、春を迎えるという事は、誰にとっても意味のある大切な儀式なんですよね。
今回は、そんな桜の多岐にわたる『花言葉』をご紹介しながら、その由来など紐解いていこうと思います。
別れと出会い、そんなテーマが似合う桜だからこそ、言葉と花とが結びついた意味を考えながら、活用していただけると幸いです。
桜の花言葉は怖い?忘れないでの由来は?桜の花言葉一覧!
日本人のソウルフラワーと言っても良いほど、人生の節目に登場する桜。
実は、その花言葉もたくさんありますが、外国にもまた少し違った意味の花言葉があります。
順を追ってご紹介しますので、ご覧ください。
日本での花言葉は、「精神美」、「純潔」、「優美な女性」
由来としては、日本の国花という事から、シンボルとしての品格の高さを象徴していると言われています。
また、その姿の美しさから女性をイメージしたと言われます。
イギリスの花言葉は、「よい教育」、「独立」
アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンが幼少の頃、父親が大切にしていた桜の木を誤って切ってしまいました。
それを正直に告白したところ、その正直さを褒められた、と言う逸話から来た花言葉と言われています。
ただし、ワシントンが幼少時にはまだ桜の木がアメリカ大陸にはなかったとされているので、子供たちへの教訓として作られたお話であるという説もあります。
フランスの花言葉は、「私を忘れないで」
一見するとなんだか怖いイメージを抱く言葉かもしれませんが、この花言葉は決してネガティブなものではなく、恋が終わり、別れることを選んだ恋人同士の切ない心情を、はかなく散っていく桜の花になぞらえたものだと言われています。
はかないことは、美しさの一つと言えますね。
日本の民俗学者で著作家である柳田國男の作品に『信濃桜』があります。
その中で、シダレザクラにはどこか怪しい魅力がある、と表現しています。
そのあまりの美しさにどこか恐ろしい気持ちになった経験もありませんか?
『信濃桜の話』柳田國男(著)
冬桜の花言葉は?意味は?
フユザクラ(冬桜):「冷静」
開花時期は11月~12月と4月の年2回で、1度目は花だけ、2度目は葉も付くので違った趣で花を楽しめます。
咲き始めは薄いピンクですが、段々と白くなっていくのが特徴です。
花言葉の由来は、冬の寒く澄み切った空に、凛として咲く姿から来ていると言われています。
冬桜の種類は様々な種類や別名があって、
- 小葉桜(コバザクラ)
- 四季桜(シキザクラ)
- 十月桜(ジュウガツザクラ)
- 寒緋桜(カンヒザクラ)
- 緋寒桜(ヒカンザクラ)
- 寒桜(カンザクラ)
- 緋桜(ヒザクラ)
などで、その総称を冬桜と言っています。
早ければ10月から咲き始める早咲きの桜で真冬でも花を付けていることから冬桜と呼ばれます。
12月14日生まれの誕生花
桜と言えば早春というイメージですが秋ごろから冬を経て春まで咲いているということから、どこか、「冷静」に人生を見詰めて生きる怜悧な姿が浮かびました。
先人たちもそんな気持ちで桜を見上げたのかもしれません。
白・紫色の桜の花言葉の由来は?
桜と言ってもピンク色だけではありません。
様々な色とその花言葉もありますので、ご紹介さていただきます。
ムラサキザクラ(紫桜):これには固有の花言葉はありません
4月中旬から5月上旬に淡い紅紫色の花が咲きます。
花びらが10枚以上あるものは“八重紫桜”と呼ばれます。
また、桜ではありませんが“紫の桜”と呼ばれている樹木があります。
“ジャカランダ”という熱帯アメリカの樹木で春には非常に美しい紫色の花を咲かせるそうです。
この花言葉は「栄光」と「名誉」です。
ラッパ状の花弁がファンファーレを演奏するトランペットを連想させることから来たようです。
確かに、アップで見ると桜とは全く別の花であることが良く分かります。
どこか洋風です。
大島桜(白い桜):「あなたに微笑む」
3月~4月にかけて開花。
白い花びらを5枚つけ、淡い芳香があります。
可憐で上品な印象から優しい笑顔を連想したのかもしれません。
御衣黄(緑の桜):「永遠の愛」「優美」「心の平安」「精神美」
珍しい緑色の桜です。
ソメイヨシノが散った後の4月中旬~下旬頃に咲きます。
開花の時は淡い緑色で徐々に黄色、やがて花びらの中心が赤く変化するのが特徴的です。
花言葉は、上品な貴族の衣のような花なので落ち着いたイメージがあることから来ています。
グリーンは見ているだけで安らぐ色です。
うこん(黄色の桜):御衣黄桜の一種です
4月中旬~下旬に咲きます。
御衣黄桜の仲間なのでやや緑がかった黄色です。
花は八重咲きの大輪です。
固有の花言葉はありませんが、イメージとしては「純愛」「豊潤」などいかがでしょう。
ソメイヨシノの花言葉は?
ここからは、ソメイヨシノ他、日本列島で良く知られている桜の種類ごとに、花の特徴やその花言葉と由来についてご紹介します。
皆さんが普段目にする桜の木がどんな花言葉を持っているのか、また、「私ならこんな言葉を選ぶ」など想像しながら読んでいただけると面白いかもしれません。
1.ソメイヨシノ(染井吉野):「純潔」「優れた美人」
全国の桜の80%がソメイヨシノだと言われています。
3~4個の花が集まって枝に咲くことが特徴です。
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