茶の湯の心、和の心をお稽古をつうじて学びながら、日常の喧騒の中にも一服のお茶のように心に沁みわたる時間を過ごしたい。
近年、茶道が大人女子の間の静かなブームになっています。
とは言え、初めての門を叩くのはなかなか勇気がいるものです。
お月謝の相場や揃えるお道具、また流派など、始める前の知識は必要ですね。
そこで、ここでは、茶道を始めたいあなたの知りたいを解決する情報を集めてみました。
始めたいあなたの不安を少しでも解消し、茶の湯をこころから楽しみましょう。
茶道教室の月謝相場は?
東京都内でのお月謝の相場は7000円~13000円と1万円前後。
お稽古の回数は月に2~4回とお教室によって異なっていますが、1回のお稽古の時間は2時間くらいのところが一般的のようです。
初心者と熟練者でもお月謝は変わってきてそのレベルに応じて金額も上がっていきます。
1回あたりの金額にすると2000円~4000円となります。
また、「初心者のための茶道教室」を6か月(20回)受講できる講座を設けている教室もあり、その場合は1講座の受講料を支払う形式です。
いずれも開催場所が公共の施設やカルチャーセンター、または先生の自宅やホテルの茶室などと異なっているため、お月謝の金額もそれに応じて差があるようです。
茶道教室の月謝以外に必要な費用は?着物や茶器は必要?
費用は、お月謝以外にも諸々かかります。
まずは「水屋代」。
これは毎月支払います。
お抹茶、お茶と一緒に頂く和菓子、炭などの消耗品一式にかかる代金となります。
合計で一月に10000円程度です。
次に「季節のご挨拶」。
お歳暮、お中元を一人いくらと集めて、まとめて先生へお渡しするお金です。
金額などはこれといった決まりはなく、お教室の通例として行っている場合が多いので周りの方にそれとなくお聞きする方が良いようです。
その他にも新年の「初釜」、お正月の「炉開き」、「初風呂」は季節の節目の行事として特別なお稽古をする教室も多いようです。
これらも金額は教室によりまちまちで月謝に含まれる場合もあれば、積立金として徴収しているところもあるようです。
お金のことがはっきりしていないのは不安ですが、体験教室があればそのときにお弟子さんたちにそれとなく聞いてみるのが良いでしょう。
また、カルチャーセンターや公共施設での開催ならば、金額は明示されているのでそれ以上に掛かることなく安心かもしれません。
ただ、茶道という習い事はその性質上、お茶碗やお茶筅などのお道具にも拘った品を使い、美術品に触れる貴重な時間でもあります。
古から続く文化に対する敬意の気持ちは大切にしたいものです。
お茶碗は揃える必要はありません。
基本的にお教室のものを使用します。
自宅でもお茶を点てたいならば、お気に入りのものが一つあっても良いかもしれません。
現代風にカフェボールや深めのご飯茶碗でも代用できそうです。
ただしお茶筅については専用のものを使わないと美味しいお茶は点てられないようなので、注意しましょう。
着物ですが、最近はお稽古着が着物でなくても良い教室も増えていて、必ずしも必要ではありませんが滅多にない着物を着る機会でもあり、お正月などの特別な時には着てみるものも楽しみの一つではないでしょうか。
お稽古に揃えなくてはならないお道具もあります。
- 懐紙入れ
- 帛紗(流派や男女でも色が違います)
- 扇子
- 菓子楊枝
- 懐紙
- 古帛紗
これらはネットなどでも購入できますが、必ず使うお道具なので出来ればお気に入りのものを道具屋さんで揃えたいものです。
セットで5000円くらいからあり、長く使うのであれば質の良いものを選んだ方が良いです。
裏千家、表千家とは?
茶道には主に表千家、裏千家、武者小路千家という流派があり、かの高名な茶人、千利休が起こし、その孫などがそれぞれ継承してきたものを三千家と言います。
表千家は、裏千家と違って道具や仕草がより質素で、わびさびを重んじます。
一方で、裏千家は最も門弟の数が多く、華やかさがあるのが特徴です。
武者小路千家は、合理的な動きが特徴とされています。
作法や帛紗の色など細かな違いはありますが、実際に教室を体験してみて、触れることにより、自分にあった流儀が見つかるのではないかと思います。
全てを体験してみることで最も心惹かれた流派を選ぶことも感性磨きの一つになるのではないでしょうか。
茶道教室に通うことのメリットは?期待できる効果とは?
茶道の歴史
お茶の歴史は平安時代に最澄や空海によって中国より伝搬されたのが始まりです。
ただし、当初の茶は薬と考えられていて今のように茶の湯を楽しむものとは違っていました。
その後、鎌倉時代にも栄西により茶が持ち帰られていますが、この頃もやはり薬として扱われていました。
次第に嗜好品として喫茶の習慣が広がり、室町時代になると中国から渡来した美術品や道具を愛玩する会が茶の湯として成立しました。
その後、八代将軍義政の時代には、唐の道具ばかりでなく日本の茶道具も用いた草庵茶の湯が考案され、精神的な茶の湯の世界が作り出されていきました。
安土桃山の時代になり、千利休によってわび茶道が大成したのです。
明治時代に入ると茶道は女性の花嫁修業の一つとして上げられるようになり、現代でもまた、内面を磨く場として注目されているのです。
メリットと期待できる効果
千利休が茶道の心得として表した言葉に「和敬清寂」があります。
- 「和」はお互いに仲良くすること
- 「敬」はお互いに敬い合うこと
- 「清」は身繕いそして心も清らかであること
- 「寂」はなにがあっても動じない心のこと
このような精神の元、お互いに高め合い、立ち居振る舞いを美しく鍛錬することができ、そして、道具を大切にする心、季節や自然を感じる心、などを通じておもてなしの精神を養っていくことが最大のメリットです。
日常生活から離れた静寂のなかで精神統一することで、忙しい日常の中でも心と身体のバランスを保つことに効果が期待できそうです。
まとめ
まとめとして、
- お月謝の相場は1万円前後。
- 消耗品や季節ごとのご挨拶の費用が掛かる。
- 帛紗などの揃えなくてはならないお道具がある。
- 3つの流派あり、それぞれ作法やお道具などが違うが、それによるお月謝の違いなどはない。
私も小学生の頃に茶道を習っていた経験があります。
最年少だったせいか、お作法が厳しかったという覚えはなく、むしろ毎回、吟味されて出てくるお茶菓子が楽しみで、形も季節折々のもみじや梅、お魚などあり、珍しくてとても楽しかった記憶があります。
その一方では、お点前中は正座して黙って座っている、などの我慢や礼儀といったものは茶道から学んだのかもしれません。
きれいなお庭を拝見しながら、庭木が如何に手入れされ、美しく配置されているかといった、ものを見る目が養われたことも私にとっては貴重な時間であったのだと、しみじみと感じています。
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