陸上のスタート時の掛け声についてご存知ですか。
意外と知っているようで知らない人が多いと言われています。
陸上の大会に出てルールをよく知らなかったばかりに失格になってしまったら悲しいですよね。
いざ大会のときに失敗しないために、この記事では陸上競技のスタートのルールについて調べている人に向けて、特に短距離走に焦点を当ててルールを紹介していきます。
陸上の掛け声!スタートは英語で何と言っている?
陸上の掛け声は英語で何と言っているかご存知ですか。
テレビの大会等を見ていると聞き取りづらいですよね。
正しくは陸上のスタートの掛け声は「On your marks」「Set」と言っています。
その後、ピストル音でスタートします。
意味は
「On your marks」→「位置について」
「Set」→「用意」
です。
陸上競技連盟の公式サイト「陸上競技ガイド」でも明記されています。
現在は中高生の都道府県大会レベルでもこのルールが統一されています。
小学生の大会ではまだ日本語の「位置について」「よーい」「ドン」でスタートしているところもありますが、一定レベルの大会では基本的に英語で「On your marks」「Set」と言われると認識しておくとよいでしょう。
陸上のスタートの掛け声、日本の大会でも英語?その国ごとに違う?
以前の陸上競技会では、スタート合図は「英語」「フランス語」または「競技会の開催国」の言語で行うことが義務付けられていました。
しかし2006年に競技規則が改定され、以下の大会では英語でスタート合図を行うことが義務付けられました。
<対象の大会>
- 世界陸上競技選手権大会
- オリンピック
- IAAF陸上ワールドカップ
この改定に合わせ、日本の各大会でもスタートの合図を英語で行うことが標準的になり、昨今ではルールが統一されていることが多くなってきています。
一昔前は「位置について」「よーい」「どん」でスタートするのが標準的でしたが、最近では掛け声が変わってきているのです。
各国内での大会での掛け声ルールまでは英語で義務付けられていませんが、国際大会のことも視野に入れ、英語圏以外の国でも英語で行う国が増えています。
意外と知らない陸上のスタートのルール!フライングとは?
私たちはスタートの合図の前に飛び出してしまうことを「フライング」と呼びますが、正式名称は「不正スタート」と呼びます。
2010年にルールが改正され、混成競技以外では1回でもフライングをしてしまった場合は失格となります。
以前は同一選手で「2回まで」許容されていたのですが、故意にフライングをし他の選手に心理的プレッシャーをかける選手がいたため、たった1回でも不正と見なされ大会に出場権利を剥奪されてしまうようになったのです。
フライングの他にも、自分のレーンをはみ出して走行してしまい他の選手の妨害の妨害と見なされた場合も失格となります。
また、平行している選手に肘でつくような行為も失格の対象となります。
つい夢中になって走っているとレーンをはみ出してしまうこともあるかも知れませんが、注意しましょう。
残念ながら、大会でフライングで失格となってしまった経験をもつ有名な陸上選手もいます。
- 桐生祥秀 選手
- ウサイン・ボルト 選手
- ジョン・ドラモンド 選手
上記のような有名な陸上競技選手が、スタートの練習を何度も繰り返しているにも関わらず何故フライングをしてしまうのでしょうか。
1つは「反応時間」が要因と言われています。
陸上競技ではスタート時に装置に足をかけており、その装置が規定より早い時間に反応してしまうとフライングと見なされるようになっています。
規定の時間は「0.1秒」です。
これは「人が音を聞いてから反応するまでに0.1秒かかる」という医学的根拠に基づいて設定されています。
しかし、人によっては0.1秒より早く反応してしまう人がいるためフライング認定されてしまうこともあるようです。
また、極度の緊張感の中でスタートを切るため実際にはスタートしていなくても体の重心が前のめりになってしまい装置が反応してしまうというケースもあります。
大会前のピリッと張り詰めた空気の緊張感でつい足が動いてしまう人もいますよね。
「速くスタートしなければいけない、しかし速すぎてもいけない」という瀬戸際でスタートを切らなければならないのです。
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その他陸上競技のスタートの豆知識!
短距離走やハードル等のトラックを使って競技する種目は「トラック競技」と呼びます。
ここまでは陸上競技の中でも短距離に焦点を当てて説明してきました。
では、他の競技はどうなのでしょうか。
以下に上がられる競技はトラックではなくフィールドを使って競技するため「フィールド競技」と呼ばれます。
- 走り幅跳び
- 棒高跳び
- 高跳び
- ハンマー投げ
- 円盤・やり投げ 等
フィールド競技は上記で述べてきたスタートの合図とは異なり、審判の動作で開始・終了の合図があります。
テレビなどで見ているとアナウンスがないため分かりづらいのですが、よく見ると審判が合図を出しています。
開始 → 審判が両手に持った紅白の旗をYの字に掲げる
終了 → 審判が両手に持った紅白の旗をクロスさせる
基本的に審判が合図を出した後は1分以内に競技を開始しなければならないという決まりもあります。(ただし、同一選手が2回行う場合2回目は2分以内)
まとめ
ここまでの内容をまとめます。
- フィールド競技のスタートの合図は「On your marks」「Set」ピストル音で開始する
- 国際的な大会ではスタートの合図は英語で統一されている
- フライングは1回でも失格となる
- トラック競技は審判の旗が開始の合図となる
ルールを知らないと競技の成果そのものではなく、そもそも出場権を剥奪されてしまう可能性もあります。
しっかりと各競技のルールを理解して試合に臨みましょう。
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