子どもたちが中学生になると、部活動が始まったり定期テストが始まったりと、学校生活がガラッと変わります。
さらに、中学校生活は3年間と小学校の半分しかありませんから、その分スピードが速く感じられ、子ども本人も保護者も戸惑うことが多々あると思います。
さらにはこのコロナ禍で、例年通りのスケジュールではない学校生活になっているでしょうから、保護者に求められる役割もまた、これまでとは違っているのではないでしょうか?
そんな中、これまで小学校では何度も書いてきたはずの「通知表のコメント欄」は、中学校ではどのように書いたらいいのか?悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。
<保護者のコメント欄に書くのは、4つの項目>
基本的には、通知表の「保護者のコメント欄」は、次の4つの項目を順番に埋めていけばスムーズに記入することができます。
- お礼のことば
- 通知表に対する感想と長期休暇中の様子(学習・部活動)
- 今後に向けての抱負・目標
- 締めのことば
ここでは、お子さんの学年別に具体的な例文をご紹介します。
また、中学生になると学校での人間関係はこれまでより難しくなる場合も多く、高校受験を控えた時期ならではの悩みなども生じてくるかもしれませんが、そのような不安、相談事などは「通知表のコメント欄」ではなく、別の手段で伝えるようにするのがベストです。
その理由と、具体的な方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
通知表保護者コメント例文!コロナ禍の中学校1年生の子どもについて
例文
いつもお世話になっております。
中学生になり、運動部に入ったこともあり毎日忙しくしておりますので、成績の方はどうかと心配しておりましたが、1学期はよく頑張ったと思います。
本人も手ごたえを感じているようです。
夏休みは毎日部活があると予想していたのですが、コロナ禍で半分の活動日ということで、少し気が抜けてしまったようです。その分勉強をしてくれれば、とも思うのですが...
まずは心身の健康を優先し、過ごしてもらえたらいいかなと思っております。
2学期以降も引き続きよろしくお願いいたします。
「通知表の保護者コメント」は、こうでなければならない、というルールはありません。
しかし、「いつもお世話になっております。2学期もよろしくお願いします。」だけでは、「この保護者は通知表の中身をきちんと見てくれたかな?」と先生は不安になるかもしれません。
ですから、大切なのは「先生の評価やコメントをきちんと読みました」ということが伝わるようなコメントを書くことだと思います。
また、同じ先生とはいえ、小学校と中学校の先生は違います。
子どもたちに対する指導方法や姿勢はかなり異なる、というのが私の正直な感想です。
このように、子どもたちが1年生なら、保護者もまた中学生の保護者としては1年生ですから、改まった気持ちでコメントすることも大切だと思います。
そして.....
中学生になったばかりの1年生は、環境がガラッと変化したことにより、不安定になることもあるかもしれません。
友人関係の悩みなども、これまでとは異なり複雑になってくるかもしれません。
そんな子どもたちを見て、不安になることもあるかもしれませんが、通知表のコメント欄に書くのではなく、別の方法で相談するようにしましょう。
(具体的には、後半にふれますね)
通知表は、子どもたちが成長し、大人になってからも見返すことがある大切なものです。
できることなら「前向き」なことば、あたたかい励ましのことばが残るようにしてあげたいですね。
通知表保護者コメント例文!コロナ禍の中学校2年生の子どもについて
例文
いつもご指導いただきありがとうございます。
1年生の時と比べると、成績が上がった教科、下がった教科があります。
上がった教科については引き続き気を抜かず、下がった教科に関しては、取り組むべき課題が明らかになったととらえ、前向きに頑張ってもらいたいと思います。
部活の方は、コロナ禍で大会が中止になるなど、目標を失い落ち込んだ時期もありましたが、顧問の先生に工夫していただき発表の場ができたことで、今は前向きに取り組むことができております。ありがとうございます。
次学期もなにとぞよろしくお願いいたします。
成績が良くなった時には、コメントにも困らないかもしれません。その反対に、成績が下がってしまったときのコメントは、どう書いたらいいのか悩ましいかもしれません。
また、つい成績のよい子とわが子を比べてしまうかもしれませんが、比べてもいいのは、あくまでも「過去の自分」とだけ。
前回に比べて「よくなったこと」、前回と比べて「悪くなったこと」だけに言及するようにしましょう。
下がってしまった教科については、「このように工夫していきたい」など、具体的で前向きな姿勢を示すことが大切だと思いますし、子ども自身も叱られるよりずっと心に響くのではないでしょうか?
また、成績についての心配、友人関係の悩み事などがあったとしても、通知表のコメント欄に書くことはさけ、担任の先生に電話をかけてみる、お手紙を書いてみるなどしましょう。
(具体的には、後半にふれますね)
通知表は、子どもたちが成長し、大人になってからも見返すことがある大切なものです。
できる限り「前向き」であたたかい励ましのことばが残るようにしてあげたいですね。
通知表保護者コメント例文!コロナ禍の中学校3年生の子どもについて
例文
いつも大変お世話になっております。
成績の方は前年とさほど変わらずということで、まずは一安心しておりますが、今年は受験の年ですので、希望の進路と合わせて考えていかなければ、と話し合っております。
今の成績で行ける学校を目指すのか、それともやりたいことができる学校に行くために努力するのかは、本人の希望を優先したいと考えております。
コロナ禍で自主学習の時間が多く、進度や自分の理解度に不安を感じることもあるようですが、通知表をいただいて少し安心できたようでよかったです。
まずはあまり不安になったりせず、冷静に目標を見つけられるようサポートができたらと思っております。
2学期もお世話になります。なにとぞよろしくお願いいたします。
中学校3年生の一年間は、おそらく高校受験一色になるのではないでしょうか。
成績の良し悪しはもちろん重要ですが、なにより大切なのは子ども自身が自分の将来について主体的に考えられる環境を作ってあげることではないかと思います。
そのためには、子ども本人・先生・保護者の三者でしっかりと本音で話し合える環境であることが大切ですから、通知表の保護者コメント欄にも、わかっている範囲でよいので、
- 現時点での子ども本人の希望
- 保護者の思い
などを、短くもしっかりと書くことができたらいいですね。
もちろん、細かなやりとりやその他の相談事などは通知表のコメント欄で済むことではありませんので、個別の面談の際にお話しするか、電話やお手紙などで相談することをおすすめします。
(具体的には、次の項目でふれますね)
中学3年生ともなると、先生にも保護者にもなかなか本音を見せてくれないかもしれませんし、ましてやこのコロナ禍で、子どもたちと先生が個別に話しをする機会は減っていることでしょう。
保護者からもたらされる子ども自身の気持ちについてのコメントは、とても貴重だと思います。
通知表保護者コメントに先生やともだちへのクレームは書いていいの?
中学生ともなると、成績のことはもちろんですが、その他の心配事が生じてくるのは避けられません。
例えばテストの結果はよかったのに通知表の評価の伸びが今一つであるとか、家での様子を見ていて「友達とうまく行っていないのではないか?」など、心配になることもあるかもしれません。
しかしながら、通知表のコメント欄にそのような悩みや不安を書くのは避けましょう。
通知表は子どもの成長の記録でもあり、大人になっても、親元を離れても、ずっと保管し、折にふれて見返すものだからです。
保護者としても、また、本人にとっても、振り返ってみた時に、例えば学校や先生に対する不信感や心配事などが書かれていたら、やはり気持ちのよいものではありません。
不安や疑問などを伝えることはとても大切。肝心なのはその伝え方
とはいえ、不安や心配事をそのまま放置するのはよくありません。
相談したいことがある場合は、先生に直接電話をかけてお話しをする機会を作るようにしてみましょう。
その際は、どんなことに対してどういうふうに感じているのかを箇条書きにして、冷静にお話しができるように準備しておくことをおすすめします。
そうすることで、つい感情的になってしまい何が言いたいのかわからなくなってしまったり、後から「あ、あれを言い忘れた!」となるのを防げます。
それと同じで、先生にお手紙を書くのもいい方法です。
書いているうちに気持ちの整理ができ、なにを問題視しているのかが、自分自身にもより明確にわかるようになります。
中学生の子どもたちへの接し方は、保護者にとっても先生にとっても同じように難しいものだと思います。
だからこそ、悩んだ時こそ連携しあい協力しあえるよう、あくまでも「相談」というスタンスを忘れずに。
決して一方的な「クレーム」にならないように気をつけましょう。
通知表保護者コメントを先生や校長はどこまで考慮してくれる?
通知表のコメント欄は、先生方は必ず目を通してくれています。特に、参観日や学校行事などで保護者と直接お話しする機会が少ないコロナ禍です。保護者からの情報を得られる機会として、コメント欄は重視されているでしょう。
特に、中学生の子どもたちへの対応は重く考えられているはずです。ですが、すぐに結果が見えるカタチになるかどうかはわかりません。
今の学校はコロナ対応もあり、先生方もこれまでよりも多忙を極めていることは明らかですので、くれぐれもその点を慮って、無理のない範囲での対応を求めるようにしましょう。
しかしながら、なかなか改善が見られないときや、なるべく早く対応してもらう必要があるような場合はこの限りではありません。電話やお手紙などで相談するようにしましょう。
まとめ
中学校1年生・2年生・3年生の子どもの【通知表】の保護者コメント欄にはどんなことを書けばいいのか、学年別の書き方のコツやクレームの伝え方などをまとめます。
- コロナ禍の中学校1年生の保護者コメントは、先生へのお礼や、中学生になっての子どもの様子や通知表を見ての感想、部活動に関してなどを書いてみましょう。
- コロナ禍の中学校2年生の保護者コメントは、先生へのお礼、通知表を見ての感想、これからの抱負、部活動に対する取り組み方などを書いてみましょう。
- コロナ禍の中学校3年生の保護者コメントは、先生へのお礼、通知表を見ての感想、受験に対する本人や家族の考え、本人の様子などを書いてみましょう。
- 通知表のコメント欄には、基本的に心配事や悩み事、クレームなどは書きません。
どうしても伝えたいことがあるときは、電話、お手紙などの方法がおすすめ。
将来通知表を見返したときに苦い気持ちを思い出さないためにも... - 心配事があるときは、なるべく早めに学校に直接相談しましょう。
しかし返事は落ち着いてまちましょう。コロナ禍で多忙な先生への思いやりを大切に。
※早い対応が必要な場合は、この限りではありません。
<通知表の保護者のコメント欄には、次の4つの項目を>
子どもの学年に関係なく、保護者のコメント欄には
- 日頃お世話になっているお礼
- 通知表をきちんと見ましたという意思表示
- それを受けて頑張りたいこと、今後の目標
- 締めのことば
が書いてあればOKです。
このコロナ禍、先生と保護者がコミュニケーションをとる機会は少なくなってしまいましたので、保護者のコメント欄は「保護者としての気持ち」を伝える貴重なチャンスです。
同時に、子どもにとっては一生残る成長の記録。
ぜひ感謝の気持ちと思いやりの気持ちを込めて書いてあげてくださいね。