内容によっては、あの人はあんなに頑張っているのに、自分はだめだという思考になってしまう可能性があります。
他にも天気がいいという話から、ちょっと散歩でもしてくれば?というような何気ない提案も避けた方がいいです。
散歩ができる程の元気がなく、また散歩もできなくなってしまったのかとより落ち込んでしまいます。
このように自己否定の感情が大きくなっているため、他人とくらべたり、前の自分と比べて、今の自分はダメだいう思考にたどり着いてしまう声かけはNGです。
逆にいうと、自己肯定の感情をもってもらう声かけはとても効果的です。
次は本人を追い込まない言葉ではなく、前向きになれる声かけを1つ例をあげて紹介します。
例えば、朝起きてカーテンをあけてくれた日、ただ「ありがとう」で終わらすのではなく、少し大げさなくらいで
と言ってみてください。
本人はそれくらいできて当然と思っているかもしれませんが、今までは朝起きるのも辛い状況だったはずなのにカーテンをあけて部屋を明るくしようと思ったことは、すごいことなのです。
本人もそれに気がついてないかもしれません。
でも大進歩です。
このように気持ちを伝えることで、こんなことで自分を肯定してもらえるんだ、と少しだけ自己肯定の感情が生まれ、時には自分の存在意義まで見出すことができるのです。
カーテンでなくても、ご飯を一口でも食べられたときや食べた食器をさげることが出来たときなんかも同じです。
このように、日々の生活の中での少しの変化を見逃さず肯定していくことで、小さな自己肯定の感情が積み重なり、うつ病を改善させる大きな1歩となるでしょう。
それが妻としてのあなたに出来ることなのです。
うつ病は治るの?うつ病の夫を支える妻が気をつけることとは?
うつ病は治りますが、再発率も高い病気です。
うつ病にも種類があり、治療法も治療薬も様々なため、まずは信頼できる先生をもつことが重要です。
一般的には、十分な休養をとりながら適切な薬物治療を開始することで、うつ病の診断を受けてから1~3カ月ほどで症状が軽くなりますが、人によっては半年以上かかるケースもあります。
その後は、調子がよい日と悪い日があるように、症状が波のように上下しながら一進一退を繰り返し、半年を目処に徐々に改善していきます。
治療中は、本人だけではなく、妻であるあなたの以下のようなサポートも必要不可欠です。
病院への同行
本人が正確に話を聞くことができない可能性もあるため、出来るだけ同行してください。
あなた自身も現状を知ることも大切です。
しかし、本人にとって主治医は家族以外の唯一の話し相手でもあるので、あなたは付き添うだけで、会話にはいる必要はありません。
薬の管理
うつ病は治るまで何度も一進一退します。
本人が病気に対して投げやりになってしまったり、調子が良いと過信してしまい、薬を飲まなくなってしまうこともよくあります。
主治医の指示通りに飲まないと、治療が長引くだけでなく、症状が悪化してしまう可能性もあるので、あなたがしっかり管理することでそれを防いでください。
規則正しい生活
睡眠時間を充分にとり、朝昼晩と栄養のあるご飯をしっかり食べ、可能な限り適度な運動をすることもうつ病の治療の1つです。
これは特に1人では難しいのでしっかりサポートしてくださいね。
本人が大きな決断(退職するなど)をしようとしたらとめる
うつ病の時は、判断力も低下しています。
その決断もうつ病が原因の可能性があるため、ひとまずとめてください。
うつが改善してから決めるという方向に持っていくといいでしょう。
アルコールを摂取させない
より判断力を低下させます。
特に調子が悪い時だと、自暴自棄になり自殺の引き金にもなりかねません。
自殺を防ぐ
自己否定の感情があまりにも強くでると、自殺を考えてしまうケースもあります。
防ぐためには身近にカッターナイフやロープなど自殺を連想させるようなものを置かないことが重要です。
本人の様子をよく観察し、いつもと違うようであればなるべく本人の側にいてあげてください。
ここまであなたがすべきことを書いてきましたが、なによりも大切なのはあなたの心と体が元気であることです。
常に夫を気にかけサポートし、家事や仕事でヘトヘトの中、夫のマイナス発言ばかり聞いているあなたも相当しんどいでしょう。
うつ病は長期戦です。
あなたが倒れてしまわないように、気を許せる友人に気持ちを聞いてもらったり、短時間でもリフレッシュできる時間を作り、ストレスをためないようにすることが最終的には夫のためになることを忘れないでくださいね。
まとめ
うつ病とは?
脳が機能障害をおこす病気。自己否定の感情を強く抱くことで少しのストレスでもよりつらく感じ、眠れなくなる、いつも疲れている、ミスが増えるなどの症状が2週間以上続く。
うつ病の原因
精神的ストレス、肉体的ストレスが積み重なって発症することが多い。
原因は1つに特定できない。
うつ病になりやすい人
責任感強い、完璧主義、まじめな人がなりやすいと言われている。
うつ病と診断された夫へかける言葉や接し方
相槌をうって「そうだね」「辛かったね」と同調する。
無理な励ましや詮索、指摘はNG。
「何が辛い?」「いつから辛い?」「最近のあなたは変だった」など。
うつ病の夫に日々かける言葉や接し方
日常の何でもない会話をして、夫ができたこと(カーテンを開けられた、ご飯を1口食べられたなど)を喜び、褒め称え、自己肯定の感情をもたせる。
夫の友達や近所の人など身近な人の話は、自分と比べてしまうためNG。
うつ病の治療において、妻がサポートすること
病院への同行、薬の管理、規則正しい生活、本人が大きな決断(退職するなど)をしようとしたらとめる、アルコールを摂取させない、自殺を防ぐ、あなた自身がストレスをためないように心掛ける。
うつ病は治療によって治すことができますが、再発も多い病気です。
さらに日によっても症状がかわり、昨日より今日、今日より明日と着実に良くなっていくわけではありません。
見えている症状に一喜一憂せず、どんと構え、ゆっくり焦らず直していくことが1番の近道です。
うつ病を克服した人の中には、うつ病になったことでなる前よりも人生が豊かになったという人も少なくありません。
今まで必死に頑張って生きて築いてきた価値観や生活を改めることで、本当に自分に合った生き方を見つけることができるからです。
うつ病をきっかけにあなたとあなたの夫の人生もより良いものになるように祈っています。
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