ねぷた祭りは様々な題材を使った大小のねぷたが練り歩くお祭りで、「ラッセラー」「ヤーヤドー」など特徴的な掛け声が耳に残っている方も多いのではないでしょうか。
ねぷた祭りの掛け声はお祭りの雰囲気を盛り上げる、聞いているだけでもわくわくするものですが、ふと「ねぷた祭りの掛け声の意味ってなんだろう」と疑問に思うこともあります。
ねぷた祭りでの掛け声の意味、一度気になったらどういう意味で使っているのか、祭りによって違う掛け声があるのは何故なのか気になりますよね。
ここではねぷた祭りでの掛け声の意味が気になった方に、掛け声の意味、そしてねぷた祭りについての詳細を紹介していくのでぜひご確認ください!
【ねぷた祭りの掛け声の意味とは?】
ねぷた祭り・ねぶた祭りは東北の様々な場所で行われ、お祭りごとに掛け声が違うのも特徴です。
「ねぷた」「ねぶた」の違いなどが気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、これらは地域によってなまりの違いにより定着したもので、意味に違いはありません。
ねぷた・ねぶた祭りの掛け声は
弘前:「ヤーヤドー」
五所川原:「ヤッテマレ」
などがありますね。
それぞれのねぷた祭り・ねぶた祭りの掛け声の意味を調べてみると、以下のような意味から今の掛け声になってことが分かりました。
・青森「ラッセラー」
語源は「出せ出せ」であり、かつてはねぶたを灯すためのろうそくを集めるため、子どもたちが家を回り「出せ出せ、ろうろくを出せ」と囃し立てていました。お振る舞えや寄付金をねだる「出せ出せ」もありこれが「らせ」に変化、さらに言いやすく「あー」などがついて今の「ラッセラー」の掛け声になったという説が有名です。
・弘前「ヤーヤドー」
ねぷたについて昔の文献に「ねぷたは流れろ・豆の葉はとまれ いやいやいやよ」というねぷた歌があり、「いやいやいやよ」が「ヤーヤドー」の語源となった説が知られています。またかつて行われていたねぷた喧嘩の怒声「ヤア!」があちこちで響いていて、これを転じて「ヤーヤドー」とした説もあります。
・五所川原「ヤッテマレ」
言葉からしてなんとなく察する通り、五所川原の「ヤッテマレ」は「やってしまえ」の津軽弁です。
ねぷた祭りでの掛け声はねぷたの練り歩きに合わせて掛けられるので、このように掛け声の意味もそれぞれの地域で自然と発生して変化していき、変わっていったものなんですね!
【東北の夏といえばねぷた祭り!】
東北の夏はやっぱりねぷた祭りやねぶた祭り、どんな場所で開催されているのか、見どころなどもチェックしていきましょう!
◎青森ねぶた
青森ねぶたは毎年開催日が固定で、曜日にかかわらず開催されるので事前にスケジュールの調整もしやすくなっています!
日程:8月2日から7日
会場:青森市中心部
時間:19時10分から21時
青森ねぶたは元々七夕に行われていた灯篭流しが変わっていったのが元とは言われているものの、はっきりとした起源はありません。
奈良時代に中国から渡来した七夕、古来から津軽にあった習俗や精霊送りなど様々なものが一体化し灯籠となり、さらに変形して人形や扇ねぶたになったと言われています。七夕祭は7月7日に穢れを川などに流す禊行事として灯籠を流すもので、このお祭りが「ねぶた流し」と呼ばれていたんですね。
青森ねぶたの開催期間は青森駅周辺の自転車なども動きにくくなるほどの混雑があり、車で行く場合も駐車場はかなり早くから確保が難しくなります。ホテルの確保もかなり早めに予約しておかないとなかなか取れないので、青森ねぶたに行く場合は早めの準備を心がけておきましょう。
青森ねぶたの見どころはやはり連日楽しめる「ラッセラー」の掛け声のねぶたですが、ちょっと違った楽しみ方としてはハネトとして参加する方法があります。
ハネト(踊り手)に参加するために必要なことは事前に公式サイトなどでしっかりルールを把握しておくことだけで、事前の申込みなども必要ありません。ハネトの正装は必要になるものの衣装も1万円ほどで市販されていますし、貸出を行っている場所もあるのでぜひハネトとして参加してみましょう!
公式サイト:
◎弘前ねぷた
弘前ねぷた祭りも毎年開催日は固定です。
日程:8月1日から7日
会場:弘前市市街地
時間:19時から(7日のみ10時から)
弘前ねぷたのねぷたは大半が扇型という特徴があり、80台以上ものねぷたがお祭りに参加する大規模なものです。
忙しい夏の農作業の妨げとなる「眠気」「怠け心」、そういったものを流す「眠り流し」が元となってはじまった農民行事であり、「ねぷた」というのも「ねむたながし」「ねむた」から変化したものです。
掛け声は「ヤーヤドー」という威勢の良いもので、趣向を凝らした様々なねぷたが多く見られ、また弘前陸上自衛隊の剣舞なども楽しむことが出来ます。
弘前ねぷたは開催期間が長めとはいえ毎年の動員数は150万人とも言われていて、混雑は覚悟していかなければなりません。ベビーカーや車椅子で混雑するエリアに行くのは厳しい場合もあるので、特に混雑の激しい場所を避けるなど周りを見て判断していきましょう。
公式サイト:

◎五所川原ねぷた
五所川原のねぷたはとにかく大きいのが特徴で毎年1台新作が作られ、青森と同様の人形型のねぷたが多く見られます。
日程:8月4日から8日
会場:五所川原市市街地
五所川原市のねぷたは「立佞武多祭」となっていて、平成10年におよそ80年ぶりに復刻した夏祭りです。
祭りの名称通りの「立佞武多」と呼ばれる高さ23m、重さおよそ19トンの大きな山車が見どころで、「ヤッテマレ!」の掛け声に合わせて五所川原の市街地を練り歩き、観客を魅了しています。
五所川原ねぷたまつり「立佞武多祭」は毎年100万人以上もの動員があり、どこを見ても人だらけという規模の混雑があります。歩道はしっかり確保されているので移動できなくなるという心配は不要なものの、見やすい場所を確保したい場合はかなり早くから確保しておくことをおすすめします。
公式サイト:
【ねぷたはどうやって作っている?】
迫力あるねぷたを見ていると「どうやって作っているんだろう」と気になりますし、これだけ大きなねぷたにかかる制作費なども考えてしまいますよね。次の動画がねぷたの作成として分かりやすいので、合わせて確認しながら読み進めていきましょう。
【TDS夏】ねぶた制作タイムラプス
ねぷたを製作する人は「ねぷた師」と呼ばれ、ねぷたまつりが終わるとすぐに来年のねぷたの構想に取り掛かっています。
まず最初に構図となる下絵を描き、その後組ねぷたの場合は配線や照明の確認、紙を貼り付けてから墨描き、ロウ引き、彩色へと移ります。扇ねぷたの場合は下描きをしてから墨描き、ロウ引き、色塗りと続き、絵が完成してから紙貼りを行います。
青森のねぶたは歌舞伎風の人形の灯籠が主体で、一方弘前のねぷたは扇形が主体、五所川原のねぷたは高さ20mを超える大きな山車が特徴です。
ねぷた一つの制作費はおよそ2,000万ほどですがねぷた師への報酬はその中で400万、その他は全て材料や人件費となっています。これだけの費用と時間をかけてじっくりねぷたを作り、夏の東北といえばねぷたまつりと言われるあの大きなねぷたを作ってきているんですね。
【観光客が掛け声と一緒にねぷた祭りを楽しむには?】
せっかくねぷたまつりに行くのならやっぱり楽しみたいもの、観光客が掛け声と一緒にねぷたまつりを楽しむための方法やマナーなどもチェックしておきましょう!
ねぷたまつりはもちろん見やすい場所を確保して多くのねぷたを眺めるだけでも楽しめますが、青森ねぶたのハネトのように飛び入り参加できる方法もあります。事前に公式サイトをしっかり読んでルールを把握しておくこと、ハネトの正装を用意する必要はあるものの、すぐにお祭りに参加できる方法としておすすめです。
掛け声のタイミングは正直あまり気にせずともよく、周囲に合わせているうちにどんどん気分も盛り上がると思います。一方ねぷたまつりは掛け声と共に楽しむもの、囃子と関係なく響いてしまうホイッスルなどを持ち込み使ってしまうことはやめましょう。
もちろん花火や爆竹、一升瓶の持ち込み、ゴミのポイ捨てなどはねぷたまつりのみならず、まつりを楽しむためのマナーとしてもNGです。誰もが楽しめる、それでいて安全に終われるねぷたまつりにするため、周囲への配慮は絶対に忘れないようにしておきましょう。
【まとめ】
ねぷたまつりの掛け声「ラッセラー」「ヤーヤドー」の意味、歴史やねぷたの作り方、開催概要まとめ!
1:青森ねぶたの「ラッセラー」は「出せ出せ」から、弘前ねぷたの「ヤーヤドー」はねぷた歌の「いやいやいやよ」から、五所川原の「ヤッテマレ」は「やってしまえ」の意味
2:東北のねぷたまつり開催日は8月、曜日にかかわらず同日に開催なのでスケジュール調整は早めに!
3:ねぷたの制作費は2,000万円ほど、「ねぷた師」の手によって構想から完成まで1年掛けて作られる大掛かりなもの
4:ねぷたまつりを楽しむためには「誰もが楽しめるお祭り」を心がけること、参加したいお祭りのルールは事前に把握しよう
ねぷたまつりの由来は不明なところも多いものの、いずれも神社などを後ろ盾としない地元のお祭りというのも魅力です。どのねぷたまつりも多くの観光客が訪れるためスケジュールの調整は早めに、ホテルの確保もできるようになったらすぐにしておきましょう!
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