令和最初のいい夫婦の日には沢山の芸能人が結婚し、ニュースになっていましたよね。
中でも医師と結婚した橋本マナミさんが「婚前契約を結んでいた」として話題になりました。
これから結婚を考えているけれど、この婚前契約とやらをしておきたい!
と思ったそこのあなたに向けて、「婚前契約」とはなんぞやということをまとめました。
それぞれの項目について、ひな形・テンプレートも紹介しているので、是非活用して下さい。
実際の契約書ってどんな感じ?
実際の婚前契約書のひな形・テンプレート例はこのようになります。
婚前契約書
男性の名前(以下「甲」という)と、女性の名前(以下「乙」という)は、甲乙間の婚姻について、以下のとおり契約を締結した。
第1条 甲及び乙は、本契約締結後遅滞なく婚姻届を管轄官庁へ提出するものとする。
第2条 甲と乙は、婚姻を継続する為に貞操を守り、お互いに努力を惜しまず、お互いを尊重し、思いやりと感謝の気持ちを持ち続けることを約束する。
第3条 甲及び乙は、万一貞操義務に反し、不貞行為を行った場合には、その当事者は相手方に対し、年収分の慰謝料を支払うものとする。
第4条 甲と乙は、甲の毎月の小遣いを、月5円とし、乙の小遣いは、月3万円とする。家計に不足が生じた場合は、両者の小遣いの金額を見直すこととする。
第5条 甲及び乙は、お互いに、思いやりの気持ちをもって、家事に協力することとする。甲は、主に日曜大工や家電製品関連の仕事や自家用車の運転を行うこととする。
令和 年 月 日
(甲)
住所
氏名 印
(乙)
住所
氏名 印
一般社団法人プリナップ協会さんのHPにもひな形例がありましたので参考にしてみて下さい。
そもそも婚前契約書とは?

欧米では「Prenup(プリナップ・プレナップ):婚前契約」といわれ、結婚をする5組に1組が交わすほど、一般的になってきています。
欧米は、「個人主義」が浸透しており「契約」が、生活の一部になっています。
また、結婚についても、「契約する」という概念があるようです。
事実婚も多い、フランスは制度として確立しています。
この結婚契約書は、誰でも作ることができます。
結婚をするふたりで話し合って作っていく契約書なのです。
とはいえ、その中身は、夫婦ごとに違うとともに、契約書も1枚で完成するカップルもいれば、1冊の本ができあがるほどのボリュームになる場合もあると思います。
「付き合う」という状態から「結婚」という状態になると、生活習慣のこと、お金のこと、子供の進学のこと、将来の両親の介護のことなど、沢山の問題に直面します。
結婚する前のラブラブカップルの頭にあることは「結婚式のドレスどうする?」「新婚旅行はどこにする?」など目の前の楽しいことばかりだと思います。
婚前契約の話しなんかして相手がドン引きしないかな?
と心配になる方もいると思いますが、結婚前でもお互いの意見を言い合えないような関係ならば、その結婚は少し考えたほうがいいかもしれません。
契約書を作るまで至らなくても、話し合う項目の参考になると思います。
また、再婚の場合や年齢を重ねてからの結婚の場合、独身時代の自分の財産をどうするのかなど取り決めておいた方がいいケースもありますね。
男性の方が「契約に縛られそう。」と尻込みするかもしれませんが、事前に自分の主張をできる場でもあります。
結婚生活を互いにうまくやっていくために、2人で話し合い、その気持ちを文章にして、残しておく」というのが、この婚前契約書です。
婚前契約書の種類
手軽に作れるものから公的なものまでいくつか種類があります。
1.覚え書き
2人で話し合った内容を箇条書きし、日付、2人の署名と捺印をする。
作るのが簡単ですが、法的な効力はあまりありません。
2.正式な書類
法律の下、内容を作成します。
法律の書式に基づいて作成し、日付、2人の署名と捺印をする。
上記の覚え書きよりは効果がありますが、内容次第では効力は弱くなってしまいます。
3.公正証書
公正役場の公証人が作成する書類です。
簡単に制作することができないぶん、強い法的効果が期待できます。
しかし、裁判において婚前契約書が使われた前例がないため、現段階では法的効力が
どの程度あるかは不明です。
婚前契約書の作り方
婚前契約書の作り方
1.記載内容を準備します
- それぞれ、気になっていることを、メモでまとめる。
- メモをもとに、尊重しあいながら、ふたりで話しあう。
- 作り方ページの文例を参考にする。
- お互いに納得がいくまで話し合い、契約書に記載する項目をまとめる。
2.契約書の作成
- 契約書の文頭の定型分を書く。(パソコンでも、手書きでも)
- 文例を参考に、2人の理想に沿って契約書の文面を書く。
- 書けたら、通し番号「第1条」「第2条」をつける。
- 契約書の文末に、日付、それぞれの署名(住所・氏名)、捺印欄を入れる。
- 契約書の文章全体を、2人で確認する。
- プリントアウトする。(手書きの場合は清書する。)
- それぞれが署名(住所氏名)を手書きし、捺印をする。
- ファイルなどにいれ、大切に保存する。
3.婚前契約書の更新
状況の変化にあわせて、追加したり、削除したり、変更する等、更新しましょう。
上手く話し合うコツ
結婚契約書は、結婚する2人が話し合い、合意をした内容を記載します。
しかし、作成について、お互いに前向きに取り組むことは容易ではありません。
積極的に結婚契約書を作り、安心感を得たい女性と、自由を好む男性というカップルが多いようです。
そんな相手と結婚契約書を作るには、まず自分の意見を伝えるだけでなく、相手の気持ちを聞く姿勢が大切です。
また、契約書を作るメリットを伝えるといいかもしれません。
- お互いの価値観を話し合うため、結婚後に無駄なけんかが減る。
- お互いがどのようなことを求めているのか、明確になる。
- 自分の権利「お小遣いは◯円にしたい」「妻にはいつまでも綺麗でいて欲しい」「こんなことはしたくない」など主張ができる。
なんかめんどくさくなったから締めるけども。
婚前契約を交わすことを推奨したい。出来れば書面できっちりと。法的には有効にならないかもしれんけど
踏み倒したり守らない人間とは見切りつけた方が楽チンよ。— おやすみなさい。 (@matane_oysm) December 12, 2019
お金持ちの人をみてると最近多い気がします。婚前契約。婚前契約するからこそ、思い思いに結婚生活をおくれるというかね。
婚前契約がないと婚姻成立後もずっと気をもまないといけないかもしれないし、ちゃんと契約があった方がお互いにとってはいいかもしれませんね。— 新ヨコワケ❄️⛄️シャン専門 (@EcstacyofSaint) November 18, 2019
話し合いを増やしていき、時間をかけてと結婚契約書を作るのもいいでしょう。
契約書は、一度完成したから終了ということではなく、「子どもが産まれた」「家を買った」など、その状況に応じて、『更新』していくものです。
5年ごとに更新するなど、ルールを決めておくと良いですね。
文頭の定型文
結婚契約書の文頭に、本契約を結ぶにあたってのふたりの決意を表します。
【例】
1.これから結婚するふたり
「○○○と○○○(それぞれの名前)は、○年○月○日に結婚するにあたり、本日、お互いに下記条項を理解し、同意した上で、真摯にその履行に努力することを証し、ここに契約いたします。」
2.結婚したいふたり
「○○○と○○○は、将来の結婚を前提に…」
3.結婚しているふたり
「夫○○○と妻○○○は、順境にあっても逆境にあっても、健康なときも病気なときも、お互いに誠意を尽くし、それぞれの育ってきた環境を尊重し、生涯の伴侶として助け合うことを約束し、本契約を締結します。」
夫婦の理想
「どんな夫婦でありたいか」ふたりの夫婦の理想像をイメージしてみましょう。
- 楽しい夫婦
- 明るい夫婦
- 信頼できる夫婦
- 思いやりのある夫婦
【例】
- 「明るく、楽しい夫婦でいられますように。」
- 「夫と妻は、結婚生活を営むにあたり、互いを愛し、支えあい、尊重します。」
- 「夫と妻は、お互いを信頼し、支えあえる関係を築けるよう、努力します。」
- 「お互いの目標達成のため、いかなるときも協力していきます。」
- 「夫と妻は、互いに隠し事はしません。」
- 「相手に対し、思いやり・いたわりの気持ちと言葉を忘れません。」
お互いの役割
結婚生活を営むうえでの、お互いの役割を確認しましょう。
- 「対等」
- 「自立」
【例】
- 「夫は妻に、妻は夫に協力を惜しみません。」
- 「夫と妻は、家庭の事を独断で決めず、お互いに報告と相談をします。」
- 「相談は、互いに納得がいくまで話し合い、決めていきます。」
- 「家庭内の役割は相談の上決めますが、家事は妻の意見を優先します。」
夫婦の会話
夫婦間のコミュニケーションは、とても大切です。
コミュニケーション不足からくる小さな歪みは、やがて大きな揉め事に発展しかねません。
【例】
- 「夫と妻は、いかなるときも誠心誠意向き合い、話し合います。」
- 「お互いの意見を述べ、お互いの意見を尊重しながら話し合います。」
目標・努力
日常で努力することや、とくに努力をしていきたい項目を記載します
【例】
- 「夫と妻は、家族を大切にし、最大限の努力を惜しみません。」
- 「お互いの仕事を最善に保つよう努力します。」
- 「毎月○円を貯蓄し、お互いに協力し努力を惜しみません。」
- 「夫と妻は、◯年までに、持ち家を購入することを目標とします。」
- 「結婚記念日、誕生日は、ふたりそろってお祝いします。」
家庭内暴力・浮気
もしもの時のために、お互いのために項目として入れておいてもいいでしょう。
【例】
- 「夫と妻は理由を問わず、身体的、精神的、性的な暴力をふるいません。」
- 「浮気は、信頼関係を壊したとみなし、回数に問わず認めません。」
- 「浮気と疑わしい行為があった場合、離婚協議を開始します。」
- 「浮気の有責配偶者は親権を放棄します。」
- 「浮気の有責配偶者は共有財産の全部を慰謝料として譲渡します。」
お金のこと
収入・管理
お互いの収入を把握するとともに、家計に入れるお金を明確に決めましょう。
また家計管理の主体者も決めておきましょう。
【例】
- 「夫と妻は、それぞれの収入の85%を家計に入れます。」
- 「夫と妻の家計に入れた合計金額で、家計を運営します。」
- 「夫の収入は、すべて共有の家計で管理します。」
- 「妻は家庭の仕事を行います。」
- 「妻の家庭での仕事は、夫を補助する対価とします。」
- 「家計の管理は、夫の固有財産を含め、妻が行います。」
- 「家計の管理は夫が行い、毎月月末に相談・報告をします。」
財産と負債
お互いの持っている財産と負債を、きちんと確認しておきましょう。
自分の財産、相手の財産、共有財産の線引きをしっかりとしておきましょう。
【例】
- 「夫と妻は、すべての財産を夫婦の共有財産とします。」
- 「家計は共有財産とし、その他の財産は各自の固有財産とします。」
- 「負債については、相談のうえ共有財産から返済していきます。」
- 「共有財産については、それぞれ50%の権利を有します。」
- 「共有財産は、夫と妻の同意で売却・交換・譲渡ができます。」
- 「各自の固有財産は、お互いの許可なく売却,交換.譲渡はしません。」
- 「固有財産には、結婚後に各自が親族から相続する財産も含みます。」
※固有財産とは結婚前から持っていた財産、または結婚後に、どちらか一方が得た財産のことをいいます。
おこづかい・ボーナス・貯蓄・カード
お互いのおこづかいの金額は、夫婦間で揉めやすいことのひとつです。
【例】
- 「夫と妻は、各自の収入の2割以内を各自の固有財産とし、自由に使えます。」
- 「夫のおこづかいは、月○○円とし、妻のおこづかいは、月○○円とします。」
- 「家計に不足が生じた場合は、おこづかいの金額を見直します。」
- 「ボーナス等の臨時収入については、必ず報告しあいます。」
- 「臨時収入の使い道は、話し合いで決めます。」
- 「◯年までに、持ち家を購入するため◯年までに◯円の貯蓄を目標とします。」
- 「夫と妻は互いに協力し合い、節約に努めます。」
- 「クレジットカードの支払いは、それぞれの銀行口座から支払います。」
- 「家計出費のクレジットカード支払いは、お互いの確認を要します。
ローン・保険
夫婦のどちらかに借金・負債があり、それをローンで返済している場合や、これからのローンについても、返済計画もあわせ、考えておきましょう。
財産のひとつでもある保険についても、どの保険を選ぶか、支払額や保険金の受取り方法についても、話し合っておきましょう。
※公的保険:健康保険や国民年金・厚生年金のこと。
※任意保険:民間の生命保険会社の保険のこと。
【例】
- 「妻の結婚前からの負債(残額~円)につき妻が責任を持ち返済します。」
- 「負債うち、半額は妻の固有財産より、半額は共有財産より返済します。」
- 「今後組むローンについては、夫と妻の協議の上、決めます。」
- 「結婚後、妻は扶養家族として、夫の公的保険に加入します。」
- 「夫も妻も任意保険に継続加入し、保険料は共有の家計から支払います。
- 「子どもの生命保険・学費保険につき、子どもの誕生後話合って決めます。」
- 「保険金は全て、共有財産とします。」
無駄づかい防止
夫婦それぞれの買い物について、各自が購入してもいい金額の範囲を決めておきましょう。
また高額の生活必需品(家具や家電製品)などの金額の大きな買い物についても、「○万円以上のものは相談してから買う」など決めるのもいいかもしれません。
【例】
- 「個人使用のものでも3万円以上の購入に関しては必ず事前に相談します。」
- 「緊急に購入した場合は、速やかに事後報告します。」
- 「家庭で使用するものは2万円以上の購入に関しては必ず事前相談します。」
仕事のこと
結婚後の仕事
結婚後の仕事について、特に女性には、いろんな選択肢が出てくることかと思います。
結婚してすぐではなく、いずれはこうしたいという希望を話し合うこともいいでしょう。
- 妻は結婚を機に仕事をやめる/続ける ・出産を機に仕事をやめる/続ける
- 今の仕事は辞め、新たな仕事を探す・ずっと共働き・結婚後は専業主婦
- アルバイトまたはパート勤務希望 など
【例】
- 「夫と妻は、お互い仕事をしていることを配慮し、お互いを支えます。」
- 「夫と妻は、お互いの仕事に干渉することなく、尊重します。」
- 「結婚後、子どもができるまでは、妻もフルタイムで働きます。」
- 「妻は、専業主婦として家庭を支えます。」
仕事の目的・目標
「収入のため」「生活のため」「社会貢献」など、仕事をする目的が人それぞれあると思います。
そして、結婚を機に、「家族のため」という目的が加わります。
仕事に対する心構え・目的・目標を話し合ってみましょう。
コメント