お絵描きは子供にとっても楽しい遊びです。
そして、実は何気なく描いた絵からその子の心理が読み取れることがあります。
この場合、緊張して描かせるのではなく、子供が遊びながらリラックスした状態で描くことがポイントです。
子供とお絵描きを楽しみながら、「次は何描こうかな?家族の絵を描いてほしいな」などと話しながら、自然に家族の絵を描いてもらえるように話してみましょう。
そして子供が嫌がることなく、自然に家族の絵を描いてくれていたら、その絵はその子の今の心の状態を知る手がかりになります。
ここでは、子供が家族の絵を描いたときどんな気持ちでいるのか、絵から読み取る心理を解説していきます。
子供が家族の絵をどのように描いたかチェック
子供にとって身近な存在の家族を絵に描こうとするのはとても自然なことです。
寂しい気持ちがあるから家族の絵を描くという事はありません。
ただ、その絵の中に注意してみてほしいポイントがあります。
そこから、子供の描いた家族の絵から読み取れる心理を見てみましょう。
①自分をどのように描いているか
家族の姿を描いている時、その家族から遠い居場所にポツンと自分がいたり、自分だけ極端に小さく描かれていたり、または描かれていないとしたら、それはその子が家族との関係の中で自分の存在価値が見いだせていないのかもしれません。
自己評価や自分の存在価値をとても小さいものと思っていて、自分に対する自信がないのでしょう。
お子さんの様子をよく見てあげたり、長い時間一緒に遊んだり共同の作業をしたりして、お子さんとの関りを増やしてみましょう。
そして、上手く出来なくても、思い通りに動かなくても、そのままの子供を受け入れてあげてください。
よく見てあげることで、子供は自分自身の自己肯定感を高めることが出来ます。
②家族の目や顔の向き
子供が家族の絵を描いたとき、顔の向き、目の向きはどの方向を向いているでしょうか。
子供の方を向いていたら、その人の事を信頼していて、心の距離が近いことを表しています。
逆に子供の方とは逆の方向を向いていたら。
その人との心の距離を感じている様子を表しています。
③特定の人だけ書き方が違う
家族みんなの絵を描いてみて、他の人とは明らかに様子が違う絵は、その子にとってその人は何か心の中でざわつくものがあるという事です。
たとえば、皆は色とりどりに描いているけど、1人だけ黒一色だったり。
性器が露骨に描かれていたり。
一人だけ描かれていなかったり、極端に小さく描かれていたり。
これは明らかに様子が違うと思う描き方の人を見つけたら、その人と子供との様子を注意深く見ていてください。
①顔を上から線でぐちゃぐちゃにする絵は、その人が苦手なサイン
特定の誰かを描いて、その人の顔を線で塗りつぶすときは、その人が苦手、関わりたくない、消えてほしいと思っているサインです。
もし友達の絵を描いて顔を線で塗りつぶしていたら、その子とケンカしていたり、イジメにあっていたりなど、何かあったのかもしれません。
などと、質問を投げかけてその子の事をどう感じているのか聞いてみると、何か話してくれるかもしれません。
また、もし自分の顔を塗りつぶしていた場合、自分の事を消してしまいたいと思うような何かがあったのでしょう。
自分に対する期待や理想を高く持っているためそれが叶わなかったり、周囲の期待に応えられなくて自分は悪い子だと思っている可能性もあります。
そんなときは、自然の中で好きなように遊ばせてみて下さい。
自然には心を安らげる効果もあり、さらに時間に追われないで過ごすことで、その子は自分のペースで楽しむことが出来ます。
自分のペースで生きられると、その子はあるがままの自分を認められるようになっていきます。
休日は緑のたくさんある公園に連れて行ってあげてみて下さい。
②自分の顔に赤い色を使う絵は、内に秘めた怒りのサイン
自分の顔を描いて、色を塗る時。
もし赤い色を使っていたら、その子は自分に対して怒りを感じています。
お母さんに怒られた自分を許せなかったり、出来ない事があって強いくやしさを感じているなど。
心に怒りをためている時、自分を象徴するものの絵に赤い色を使います。
怒りはその場ですぐに発散出来ればいいですが、ため込んでしまうとその怒りの感情が解放されるまでずっと内側にとどまることになります。
怒りは悲しみか生まれる場合が多いので、子供が悲しんでいたり怒っているときは、許容できる範囲でそのまま感情を発散させてあげましょう。
③黒い絵は、抑圧された心のサイン
線を黒で描くのは問題ないですが、その中の色を塗る時に、黒一色で塗っていたら子供を気にかけてみて下さい。
黒一色で塗りつぶすとき、その子は心が抑圧されている状態を表します。
その黒い色が濃く増すごとに、抑圧されている状態が強いという事です。
もしそうした絵を描いていたら、その子には安心できる場所での休息が必要かもしれません。
ところで、子供にとって一番の安らぎになるのは何だと思いますか?
それは、お母さんや、その代わりになる母親的存在の人が笑顔で幸せでいる事です。
子供が抑圧されているという事は、少なからず母親も自分の感情を押し込めて抑圧していたりする場合があります。
子供の事も気がかりかもしれませんが、母親の気持ちにも意識を向けてみて下さい。
お母さんが癒されると、たいてい子供も良い状態に向かっていきます。
毎日の生活の中で、ほんのひと時でもいいので心休まったり、心から楽しめたり、気力が回復するような時間を作るように意識してみてください。
絵に心理状態が現れる理由と改善方法
絵を描くことで心の状態を知るのは、気持ちを目視化することが出来るからです。
自分の心の状態を形にするには、言葉による方法(文章化)と、形にする方法(目視化)、音にする方法(言語化)などがあります。
絵は、自分でも理解できない心の状態を描写するのに優れているとされ、無意識の領域で感じている部分を顕在化してくれます。
絵に現れる心理を読み取り癒しにまでつなげる事をアートセラピー(絵画療法・芸術療法)と呼びます。
アートセラピーからは様々な心の状態が読み取れるため、それに合わせた対処法も知ることが出来ます。
さらに、絵を描きその絵を見るということは、自分の心を映し出し自分の心を知るという行為にもなるため、そのこと自体に癒しの効果が期待できます。
絵を通じて子供の気持ちを知るだけでなく、気持ちの整理や癒しにも使えるため、楽しみながら日常にお絵描きを取り入れてみてください。
まとめ
子供が家族の絵を書く心理は寂しい?
寂しいから絵を描くという事ではない。
気をつけたいポイントは3つ。
- 自分をどのように描いているか
- 家族の目や顔の向き
- 特定の人だけ書き方が違う
子供が、自分の事をどう感じているか、家族との距離感を知ることが出来る。
子供の書いた絵からわかるサイン3選!
- 顔を描いた後に上から線でぐちゃぐちゃに描く絵は、その人が苦手のサイン!
- 自分の顔に赤い色を使う絵は、内に秘めた怒りのサイン!
- 黒い絵は、抑圧された心のサイン!
子供が抱えている感情は、その母親も抱えている事が多い。
まずは、お母さん自身を癒すことで、子供の心が良い状態に保たれることにもつながる。
なぜ心理状態は絵に現れるの?どのように改善するの?
絵で気持ちを目視化し、深層心理を知ることで気持ちを知ることが出来るので、それに合わせた対応がとれる。
絵を描くこと自体も癒しの効果が期待できる。
子供が気になる絵を描いたとしても、次の絵ではそれほど気にならないので、
「あれ、気のせいかな?」
と思う事もあると思います。
確かめたい場合は、絵を描くことを習慣にしてトータルでどういう状態の絵が多いかを確かめてみるといいですね。
リラックスして、何も考えていないような状態で描く絵が深層心理を映し出しやすいと言われています。
ぜひ、お絵描きを習慣に取り入れてみて下さい。
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