受験に失敗!かける言葉・言ってはいけない言葉は?大学受験失敗した子供とどう接する?

悩む男女

受験は一発勝負で何が起こるかわかりません。

もしも受験が2回あったとしたら合格者と不合格者が半数は入れ替わるだろうと聞いたことがあります。

子供たちは将来のためにそんな一度のチャンスしかない大学受験に全てをかけているといっても過言ではありません。

そのため、受験に失敗したとき「自分は何をしてもだめな人間だ。」「人生おしまいだ。」と絶望を感じてしまう子供もいます。

大げさに聞こえるかもしれませんが、受験は子供にとっての世界の中心です。

今やネットを開けば偏差値で大学のランクづけまでされており、自分の価値を偏差値で考えてしまう子供もいます

受験に失敗した子供の中には、大学に行く道を諦めて引きこもりがちになったり、人が変わったように荒れてしまう子供もいます。

ただ、このように大学受験後の人生でつまづいている人の多くは、原因が“受験の失敗”そのものではなく、“失敗したときの周りからの言葉がけや対応による自信喪失”が原因である場合が多いと言われています。

受験までやりたいことを我慢して、人と比べて競争し、苦手なことを克服するなど、毎日が努力の連続だったはずです。

にも関わらず、結果がついてこなかったときの落胆は親が想像するよりもかなり大きいです。

そんなときだからこそ、親がかける言葉というのは良いことであっても悪いことであっても一生子供の中に残ります。

「あのときは分からなかったけど、今になって親のありがたみを感じる。本当に親には感謝している。」

と言って前を向ける子供になるのか、

「受験のときに親にかけられた言葉が忘れられない。もう思い出したくもない。」

と一生の傷として残るのかは、親のかける言葉・対応次第といえます

そこで今回は受験に失敗した子供との接し方について、お話したいと思います。

受験に失敗した子供たちは今どんな思いでいるのか、また親がかける言葉にはどんなものがあるのかなどご紹介します。

“子供を一生傷つけてしまう親になるのか、それとも子供が前を向いて進めるようにそっと背中を押せる親になるのか”

ぜひ最後までごらんください。

大学受験に失敗!かける言葉・言ってはいけない言葉は?

熊の人形

まずは、大学受験に失敗した子供へかける言葉をご紹介します。

大学受験に失敗した子供にかけてはいけない言葉

「だから〇〇しなさいって言ってたでしょ?」と正論を言う。

受験に失敗してしまったのに、更に追い打ちをかけるように子供の過去の行動を責めるのは、子供の心を大きく傷つけます

子供は言われなくても自分が努力不足であったことを痛いほど理解しています。

また、親に口すっぱく言われていたことも思い出して、自分を何度も責めたでしょう。

それにも関わらず「だから言ったでしょ。」なんて正論を言われると、

  • 言い訳もできず立ち直れなくなる
  • 反抗するしかなくなる
  • 自暴自棄になってしまう

など、良い結果にはなりません。

「親が言っていたことは正しかった」というのをあえて親から誇示する必要はありません。

時間はたってからかもしれませんが、子供は自分で気が付きます

自分で気がつくからこそ親に感謝の気持ちが生まれます。

ここで親が誇示してしまうと、後に

「本当にあのときの親はうるさかった。言われなくても分かっているのに。」

となるだけです。

「受かると思ってたのに…。あなたより頭がよくない子が受かったって聞いたよ。」などと他人と比較する。

これは大学受験に限らず、子供が親に言ってほしくないことの上位に入る言葉だと思います。

兄弟でも比較されるのは嫌なのに、他人と比較されるとプライドもズタズタです。

誰だって親には認めてほしいし、どんなときも味方でいてほしいのに、この一言で子供は行き場を失う思いになります。

受験はもちろん第一は自分のためですが、応援してくれている親の喜ぶ顔が見たくて頑張る気持ちもあります。

その親に他人を引き合いに出されると

「その子が子供だったら良かったのにね。こんな子供でごめんね。」

と、どうしても卑屈になってしまうし、悲しいです。

自分よりも普段成績がよくなかった子が受かり、自分が落ちてしまうなんてことがあれば「どうしてあの子だけ?」と納得いかない思いを一番感じているのは子供自身です。

「受かると思っていたのに」というのも、子供自身が一番感じています。

それを親に言われると、とても惨めな気持ちになり心が閉じこもってしまうでしょう。

「お母さん(お父さん)のときは〇〇だったのに。」など自分の過去の受験で凄かった(頑張った)話をする。

ふだん親の凄かった昔話を聞くのは新鮮で楽しくもあり、興味をもって聞いていると尊敬に値することもありますが、大学受験に失敗してしまったときにその話を聞くのはしんどいだけです。

親がすごかったのはわかります。

でも今はその昔話をすることに何の意味もありません

受験での失敗話ならまだマシですが、受験に対してどれだけ努力したか、どのように合格したかなど、今更されても意味のないアドバイスのような説教は聞きたくありません。

今、子供は受験に失敗したのです。

受験について考えたくもないし、考えることもできません。

まだ心に余裕がないので、親の自慢話・努力話といった昔の話は控えましょう。

「あんなに頑張ってきたのに何でだめだったのかな。」と、一見励ましているように見える言葉。

落ち込んでいる子供の気持ちに寄り沿っているように見え、子供が頑張ってきたことを認めているのでこの言葉の何がだめなのかと思う人もいるかもしれませんが、この言葉は逆に子供を惨めな思いにさせます。

何がだめだったのかなんて分かっていれば受かっていたはずです。

「あんなに頑張ってきたけど、その頑張り方がよくなかったのかな。」

「あんなにやっても受からないなんてよほど出来ない頭なんだよ。」

と遠回しに言っているようなものです。

「頑張っていたね。」だけなら良いのですが、「何でだめだったのか?」という問いかけは無意味であり、子供自身が落ち込んでいるときに答えられない疑問を投げかけるのは余計に追い詰めるだけなのでよくないでしょう。

「この受験にお金がかかってるの分かってる?もうお金ないよ?どうするつもり?」

受験失敗の際についつい親が言ってしまいがちなのがお金に関することです。

金銭問題はご家庭によっては本当に深刻な問題であり、受験生の子供に正直に家庭の金銭状況を伝えるのは大切なのですが、受験に失敗したタイミングでこのように言うと、「お金がない中、頑張って用意してあげたのに失敗するなんてどういうつもり?働いて返すこともできないくせに。」という風にただ子供を責める言葉でしかありません。

また、大学受験をする子供にとってお金がどれだけ大切なものであるのか、無限ではないことなど十分理解しています。

家庭の状況もある程度分かっているでしょう。

そんな中、失敗してしまい両親にとても申し訳ないと思う気持ちも感じています。

親がそう言うと、そのとおりだと思い自分を責めることしか出来ません。

正論かもしれませんが、これを言うことで子供はどうなるでしょうか。

自己肯定感も低くなるでしょう。

「大学受験はやめて働くね。」と言い出すかもしれません。

すでに書きましたが、子供たちはたくさんの苦労をして受験に挑み、結果として失敗してしまったわけですが、自分自身で至らなかった部分、努力不足や力不足を十分に感じています。

見た目ではそう見えなくても、受験失敗の後は親に迷惑をかけていることを気にして落ち込んでいる子供も多いです。

そんなときに責める言葉は追い詰めるだけになるので、避けるべきでしょう。

大学受験に失敗した子供にかける言葉

「これも大切な経験になるよ。」

落ちてしまったことを責めるのではなく、受験失敗も今後生きるうえで重要な経験となり、この経験をすることでもっと大切なことに気づき、学ぶことができると教えてあげる。

筆者自身、家庭の事情で大学を退学して2年間フリーターを経験しました。

私はもともとプライドが非常に高く、大学を退学するときは死んだほうがマシだと思うほどでしたが、その後お金を貯めて自分が一番嫌だと感じていた短期大学(4年生大学に入ることが全てだと思っていたので)に入りました。

ただ、入学のときこそ納得していない気持ちでしたが、人としてとても大切なものを学び、今まで生きてきた中で一番だと言えるほど幸せな時間を過ごしました。

大学は退学してしまったけれど、後悔をするどころかそのおかげで本当に良い道に進めたと感じています。

高校生といってもまだまだ視野の狭い世界にいて、その中で苦しむことは多いです。

そんなときに、

「大丈夫よ。今は失敗して辛いかもしれないけど、時間がたてばこの経験が活きてくることがある。それがわかるのはもう少し時間がたってからだけどね。」

と一言いわれると、そんな世界もあるのかなぁと少し前向きになるきっかけを与えられることでしょう。

「頑張ったね。」

余計な言葉をつけなくても、

「あなたがよく頑張っていたのを知ってるよ」

が伝われば十分です。

落ちてしまったときに何よりも大切にしたいのは“安心感”を与えることです。

これは親にしかできないことではないでしょうか。

次の受験への励ましや落ちたことへの励ましの言葉も良いのですが、子供の気持ちにひとこと共感するだけで良いです。

そうすると、子供からも親に話しやすい環境にすることができます。

「お疲れさま」

受験に失敗することで落胆してしまうと、人からかけられるどんな言葉も届きません。

むしろ良い名言や良い言葉をかければかけるほど子供はうんざりする気持ちになってしまうこともあります。

そんな中、「お疲れさま」とただ一言労いの言葉をかけてあげると、とてもホッとします。

家が一番居心地がよいところであれば、子供は自然と前向きな考えになれます。

「何も言わないでいてくれてありがとう。時間がたったらもう一度頑張るから、見ててね。」と子供をやる気にさせることでしょう。

「今日何が食べたい?」

いつもと変わらないようすで接してあげるのもとても良いです。

それでいて、労いの気持ちを込めて何か食べたいものを聞いてあげると良いでしょう。

美味しい物を食べれば、気分も上を向くものです。

好きなものを用意して、少しでも受験の嫌な気持ちを忘れられる時間を作ってあげるのは大切です。

もちろん、失敗してしまったことを活かすために全てを忘れるというわけではありません。

ずっと子供が失敗したことばかりに悔み、思いつめてしまわないように、親のはからいで息抜きさせてあげられると良いということです。

「あなたのことを誇りに思ってるよ。」「自分に自信を持ったら良いよ。」

努力してきたことを誰よりも知っているから、結果がどうであれ、

「あなたのことを誰よりも誇りに思っている」

ということを伝えてあげましょう。

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