子どもが小学校の4年生になり、親はいろいろと子育てに悩んでいるのではないでしょうか。
それもそのはず、世間では子どもたちは『9歳の壁』とか『魔の4年生』とかいわれている悩ましい時期に入っているのです。
なかなか言うことを聞かなくなった・口答えをするようになった・なんでも嫌だと親のいうことを拒否するようになるなど、一見反抗的な子どもに『私の子育てが間違っていたのかな。』と落ち込みそうになりますが、とんでもない。
素晴らしい成長段階にいます。
この時期、子どもたちの間には学力や体力さまざまな面で、できる子・できない子と差がで始めます。
自分の力量を知り、人と比べて自分のポジションを探る・自分のできる分野で活躍するといったように自分と他人を比べることができるようになってきているのです。
子どもにとってこの時期はよくも悪くも今後の成長に大きく左右をします。
人権作文の課題がでたなら、これを機にぜひこの時期の子どもたちに人権についてじっくりと話して、考えてもらいたいところです。
今回はそんな4年生の子どもたちに人権についてどのように伝えたらよいのか、どういったテーマなら書くことができるのかをお伝えしたいと思います。
また、パクリはバレるものなのかというのも合わせてお伝えしますので、参考にしてくださいね。
人権作文小学校4年生向けの書き方ガイド!人権作文とは?
小学校4年生にもなると、もう頭の中で想像する力や言葉に出さずに黙って考える力がついてきています。
たとえ抽象的な話をされたとしても、頭に具体的なイメージを浮かべることもできるようになってきているということです。
そんな子どもたちに人権について伝えるなら、
と言ってみるのはどうでしょうか。
その上で、例えば誰かに悪口を言われたり、悪口を言われていることを他人から教えてもらったりするとどんな気持ちになるのか。
例えば、クラスの中で数人の男の子から「気持ち悪い」とからかわれている女の子がいたとする。
女の子は笑っているけど、
といったふうに問いかけてみて、子どもと一緒に自分の気持ちとそれを受けとった人の気持ちについて考えてみると、わかりやすいでしょう。
このように、自分や周りの人がそのとき幸せな気持ちで過ごせているのかを想像したり、もしも幸せじゃないなら、これから
どうするとよくなるのか、どんな気持ちで過ごせばよいのかを考えさせてみてください。
先程も書きましたが、4年生になると子ども同士で体力・学力・コミュニケーション力などさまざまな面で差が目に見えて分かるようになります。
そこで、できる子ができない子を見下してしまったり、バカにしたり、ちゃかしたり、子分のように扱ったりと、悪いことと分かっていながらもそれを
とついつい理由づけをして調子にのってしまうときがあるのです。
それがひと時の冗談ですぎればよいのですが、しつこく続けると陰湿ないじめにも発展します。
こうしたことが起こりやすくなる時期なのでこの頃に人権について考えるというのはとても重要なわけです。
子どもたちは小学校という集団の中で、自分の立ち位置を確認しながら人と競ったりして、ときに自分と相手を比べながら感じたことを素直に言葉にしたり態度に出してしまいます。
そんな子どもたちが自分や自分以外の人の大切さについて時間をかけて考えることで、自分の言動に責任をもつ大切さについても考えられるようになるのです。
そこで人権作文という宿題がでるのですが、感じたことや考えたこと、学んだ知識を言葉で話すよりも文章として書くほうが断然むずかしいです。
そして文章にした自分の言葉たちを自分で拾って読むことはなによりも自分の心に刺さるのです。
人権作文小学校4年生向けのテーマの見つけ方・設定方法は?おすすめのテーマは?
さて、ここで4年生にオススメのテーマの見つけ方ですが、人と比べるようになる・差が出始めるという点を踏まえて、「いじめ」「差別」といったテーマがオススメです。
このテーマの人権作文であれば、自分のふだんの友達との関わりやクラスでのできごとを思い出して想像しやすく、振り返って反省や考えることもできると思います。
考えやすいテーマであれば文章に起こしやすいです。
他にも、例えば小学校であれば特別支援学級があり、そこで過ごしている子どもと関わることもあるのではないでしょうか。
関わらなくとも、そういったクラスがあるという存在自体を認識していることと思います。
その子たちについて子どもはどう感じているのか。
「かわいそう」という言葉は子どもから出てきませんか?
この『かわいそう』という気持ちは子どもたちが素直に感じることですが、果たして本当にそうでしょうか。
この自分の感じた優しさから生まれる気持ちが、ときに相手を大きく傷つけたり心外であったりするということに気づくことができる年齢でもあると思います。
このような自分の考えや相手に対して生まれてくる気持ちをテーマにしてみるのも、心の成長の面でよいでしょう。
題名の決め方ですが、
- 「思いやりとは何なのか」
- 「言葉がもっている力」
- 「相手の立場で考えるということ」
- 「見てるだけでもいっしょ」
といったように、書いた文章のなかで一番自分が強く感じていること・学んだことを題名にするとよいでしょう。
人権作文小学校4年生らしい書き方・まとめ方は?
4年生の人権作文の枚数ですが、大体400字詰めの原稿用紙3~4枚ほどとされています。
書き方としては下の4つにポイントを分けて書いてみると書きやすいですよ。
- テーマを決めたきっかけ
- 実際にあったできごと
- 2に対して、自分が感じたこと・思ったこと・相手がいるならその相手が思ったことなどを具体的に書いていく
- これからどうしていこうと思ったのか、考えや学びなどまとめの文章
例文「見てるだけでもいっしょです」
クラスで起こったいじめに関して先生が「見てるだけでも一緒です」と道徳の時間にいった。
自分は悪口も言ってないし、ひどいことをしてないから関係ないと思っていた。
だから先生の言葉はとてもショックだった。
でもこれはいじめられている人の気持ちを自分はちゃんと考えたことがなかったんだなということに気づいたきっかけでした。
クラスで「バイ菌」という言葉が流行りだした。
授業中に○○さんが居眠りをしてよだれを垂らしていてそれを気持ち悪がった男子がやりだした。
〇〇さんが近づくとバイ菌がうつるといって逃げたり、悲鳴をあげたり気持ち悪いと本人に言っていて、ひどいなと思った。
自分は絶対にしないようにしてた。
○○さんはひとりで泣いていてかわいそうだった。
あの日、よだれを垂らしてからかわれたときは〇〇さんは恥ずかしそうに笑っていたし皆笑っていたので、自分も一緒に笑ってた。
でも繰り返されて毎日のようにバイ菌と呼ばれだしてかわいそうになってきた。
○○さんが泣いているときはかわいそうだったし、自分は絶対に言わないでおこうと決めて言わなかった。
でもバイ菌バイ菌って皆がなんとなく近づかないようにしていたから、自分もなんとなく近づき辛いなぁと思って見ていた。
そしたら〇〇さんが学校に来たくないと言っていると先生が道徳の時間に皆に言った。
そのとき「見てるだけでもいじめです」と言われて、誰にも助けてもらえない1人で辛い思いをしている〇〇さんの気持ちを考えてみたら、どうしていじめられているのを知っていたのに助けられなかったんだろうと思った。
いじめをしている人を怖くて止められないなら、先生に言ったり、〇〇さんに声をかけたりして、1人じゃないよと伝えることもできたはず。
見ているだけで自分は何もしていないと思っていたけど、〇〇さんからしたら誰も助けてくれない状況なのは、クラス皆が同じように思っていると感じたからだと思う。
〇〇さんは1人ですごく心細かったと思う。(〇〇さんの気持ちになって感じたことを書く)。
私はこのことから、いじめや人を傷つけている行為に対して「関わらないし見てるだけ」だから関係ないのではなく、見て気づいているのに何もしないのはいじめやその人を一緒になって傷つけているのと一緒なのだと気づきました。
今後はもしも気づいたら(どうしていけるのか・どのようになりたいのかを書く)・・・。
といった具合です。
また、下は人権作文を書く上で参考になる本を紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
(わたしのせいじゃない せきにんについて(あなたへ)/レイフ・クリスティアンソン)
(ひとりひとりのやさしさ/ジャックリーン・ウッドソン)
(いきのびる魔法 いじめられている君へ/西原理恵子)
下記は参考サイトです。
(大玉村人権作文コンテスト入賞作品・平成29年度入賞作品・優秀賞 いじめをなくそう)より
人権作文や読書感想文のパクりはなぜバレる?
ここまで人権作文について書き方などをお伝えしましたが、なにせ手のかかる4年生。
親の言うことも聞かないし、机に向かう素振りすら見られない。
それなら簡単にネットとかで掲載されているような人権作文から文章をパクリ、提出させたらどうなのかと考える親御さんも中にはいるのではないでしょうか。
ただ、パクりの文章は必ずバレますのでパクるくらいなら内容を気にせず思ったことをただつづるだけの作文を提出するほうがまだマシです。
この時期の子どもたちは悪知恵を働かせたり、いわゆるズル賢さを身につけていく時期でもあります。
このときに、宿題で困ったらネットからパクり、計算が面倒だから計算機を使う、辞書は時間がかかるしネットで適当に調べる、といったことをしてしまうとその楽さを覚えてしまいます。
すると、今後自分が気になったことや与えられた課題を自分の力で調べよう・自分で解いてみようとする意欲を低下させてしまい、結果的に学力向上の妨げとなってしまいます。
親の背中を本当によく見て成長していく時期なので、楽なことばかり選ばせないように親としても注意が必要です。
子どもが困っているときに一緒になって考えることはよいことですが、先に楽なことを教えてしまうのは子どものためになりません。
時間は必要ですし、親の負担もあるのですができることなら子どもと向き合い人権について話し合う機会をもうけてみてください。
また、なぜパクりの作文はバレるのか?気になると思います。
下記のサイトを見ていただくと分かりやすいですが、このように盗作について気になる文章を打ち込むことですぐに調べることができる便利なものが今はあるのです。
この3つのサイトは例で挙げましたが、これ以外にも無料で使えるコピペチェックツールはたくさんあります。
もしも盗作がバレてしまったら、親子一緒に学校に呼び出されるということもあるみたいです。
また、バレなかったとしてもそのまま子どもが成長し、ひとりで作文や論文を作成するようになった頃、同じようにコピペをして提出し、あとあと盗作がバレたとすると剽窃(ひょうせつ)といって著作権の面で違法となります。(盗作が万が一入賞してしまうなどすると取り返しがつかないことになります。)
悪いことを知らない間にやってしまうという恐ろしい結果に繋がりますのでこの時期から、もう十分に気をつけてあげてください。
どうして人の文章を盗んではいけないかを子どもに伝えるなら、
というと分かりやすいと思います。
くどくど盗作はだめだと書きましたが、親もしないといけないことは沢山あり、ずっと子どもの宿題を見るというのは大変なことだと思います。
そこでひとつパクりがバレないように“リライト”という方法もあるということをお伝えします。
このリライトについてですが、詳しくは下記の参考サイトをごらんください。
参考サイト(読書感想文のコピペやパクリをバレなくする方法/塾トビラ)
ただ、人によってはこのリライトという作業が大変で普通に書いた方が結果的に楽ということもありますので、参考までに。
まとめ
- 4年生になると想像力もつき、頭で考えられるようになるので親は文章を一緒に作る手伝いをするのではなく、人権について子どもが考えられるような問いかけをすることが大切。
- 4年生らしいテーマを考えているなら「いじめ」「差別」「自分と他人の気持ちの違い」などが日常生活(現在の成長)にそっていて書きやすい。
- 「~と思いました」という感じたことだけではなく、作文の最初にテーマを決めた理由や最後に自分がその経験から学んだことをまとめて書けると低学年の作文から一歩成長をした作文にすることができる。
- 作文のコピペはバレる。運良くバレなくても子どものためにならない。もしパクりを考えているのならせめてリライトをすることをオススメします。
いかがでしょうか。
子どもの成長は親にとってうれしいことですが、子どもが成長する過程にはまだまだ先生や親のサポートが必要です。
ただ、全て親が手伝ってしまうのではなく、子どもの年齢と成長に応じてサポートの種類を変えること・口を出しすぎずに見守ることができたなら、さらに子どもたちはのびのびと成長していくことと思います。
この記事が少しでも参考になり、人権作文を考えられるお手伝いになれば幸いです。