中学にあがると、人権作文という課題が出ますよね。
この人権作文ってどういうものなのか、読書感想文のときのように読んだ物の感想を書くのとはちょっと違うので、どうやって書こうかと悩みますよね。
人権作文はテーマが重たいので 『感想を書くのはむずかしいなぁ』 と感じることと思います。
どこかから人の作文を見てパクってこようと考えている人もいるのではないでしょうか?
ただ、私達はふだんから無意識に人権について感じていることや考えていることが多いので、書き方のポイントさえおさえれば案外スラスラと文章が思い浮かびやすいものです。
そこで今回は中学生のかたに向けて、人権作文の書き出しや、どういう風な順番で文を作っていくとよいのかなど、書き方のポイントをお伝えします。
また、パクリはバレるものなのかということも説明しますので、ぜひ最後まで見てくださいね。
人権作文の中学生向け例文!障害者の人権作文の書き出しの例文は?
ではさっそく、人権作文の書き出しかたを例文を見ながら考えてみましょう。
情景(場面)から書き始める
電車やバスなど静かにしないといけない公共の場にも関わらず、ときどき大きな声をあげたり落ち着かない様子でウロウロしたり突然手を叩くなどする大人の人を見ることがあります。
周りの人は迷惑そうにしていたし、可哀相な人を見るような目をしていました。
私もその人が近くに居ることが怖かったし、あんな風に自分はならなくてよかったと思っていました。
そんないつも他人事だと思っていた知的障害者の人に対して考えるきっかけになったのは、学校から帰宅する帰り道のことでした。
よく見かける知的障害者の人が、地域の子どもたちに囲まれていました。
通りすぎるときによく見てみると、小さな石を投げられていたり、「気持ち悪い」「消えろ」といった言葉をかけられていたのです。
状態から書き始める
私の叔父は右腕がありません。
詳しくいうと、右の肘から下がないのです。
小さい頃に交通事故で失ってしまった様です。
叔父は、私のことを小さなころからとても可愛がってくれました。
優しくて面倒見のよい叔父に私はとても懐いていました。
叔父は私の授業参観などにも喜んで来てくれたのですが、当時の私は正直周りの目がとても気になりました。
好奇の目で見られたり、気味悪がられたりすることもあり、私は叔父さんに学校に来ることを遠慮してもらうように言ったのです。
すると母に「あなたは右腕が無い叔父さんが恥ずかしいと思ったんだね。
でも、お母さんはあなたに叔父さんがどんな気持ちなのかを考えてみてほしい。」と、言われたことが身体障害者について考えるきっかけとなりました。
体験したことから書き始める
この夏休みに家族で旅行に行きました。
うちには車が無いので電車で移動でしたが、夏休みなので駅のホームはとても混んでいました。
私には小さな弟も居るし、長旅になるので絶対に席に座りたいと思い、電車が到着するとすぐに二人で駆け込むようにして乗り込みました。
そのときに、弟が何かにぶつかって頭を押さえたのです。
見ると、サングラスをした無愛想な男性が白い杖を振っていたのです。
それを見てすぐに、その男性は目が見えないのだということには気がつきました。
ぶつかったことを謝罪しましたが、男性は「どいてくれ!」と言ってとても慌てているように声を荒げてきました。
私はどうしてこの男性がここまで怒るのか、急いでいるのかこのときは全くわからず、ただ失礼な人だと思っていましたが、視覚障害の方について調べるうちに、男性がどうして急いでいたのかを知ることになりました。
社会的な事情の面(調べたことなど)から書き始める
最近ではバリアフリーといって障害のあるかたや高齢者の方でも、障害のない方と同じように社会生活・日常生活を送ることができるように、障害の壁といわれるものを取りのぞいていく支援がとても多くなっています。
外を歩けば、点字ブロックがあったり、階段の近くにスロープや車椅子の方でも利用できるエレベーターがあったり、シャンプーなどのボトルに点字があるなどたくさん日常生活には優しさが溢れていることに気づき、温かい気持ちになります。
ただ、私はひとつ気になったことがあります。
それは「障害者」という言葉とその漢字です。
害がある、害を他人に及ぼすというようにも見えるこの漢字が見ていてどうしても嫌な気持ちになり調べてみることにしました。
以前、母親が私の学校の運動会で「サバイバルリレー」という文字をみて、「これ何?」と聞いてきました。
サバイバルリレーは「障害物リレー」といわれていたものを言い換えたものだそうです。
といった具合です。
ここで人権作文の書き出し方について3つのポイントをあげます。
1.作文のテーマ(今回は障害)について調べてみる
まずは、障害について調べてみます。
- 『どんな風なことが障害(不自由)となっているのか』
- 『どんな気持ちで過ごしているのか』
- 『どうしてもらうのがありがたいと感じているのか』
- 『そもそも障害って何なのか』
など。
2.自分の体験(見たり、聞いたりした障害に関してのこと)を思い浮かべてみる
その人のことを考えたときに、頭に浮かぶ言葉(感情)は?
もしその人が自分の家族や友達だったらどうしてあげたいと思うのか思い浮かべてみる
3.2で思い浮かべた人について、どんな人であるか、どういうところが気になったのかを書いて、それについて調べてみよう(考えてみよう)と思ったきっかけを書く。
このきっかけの部分が、文章を作る上で大切な起承転結の『起』の部分にあたります。
まずはこの3つポイントを順番に意識して書いてみてください。
だいたい作文は原稿用紙5枚ほどが目安だと思いますので、書き出しは1枚の半分ほどを目標に書いてみましょう。
また、以下では全国中学生人権作文コンテストで入賞した作文を見ることができます。
ぜひ参考にしてみてください。
参考《法務省・全国中学生人権作文コンテスト》
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