あなたは今年の初詣で何をお願いしましたか?最近は初詣だけでなく、御朱印集めや、エナジースポット、ヒーリングスポットとして訪れる人も多い神社。どんな理由にせよ行ったら欠かせないのがお願い事ですよね。
そして、お友達や家族で神社にお参りすると必ずと言って話題になるのが、「何をお願いしたか」です。言ったら叶わないから、言わないという人も多いでしょう。
実は筆者も京都が好きで、御朱印集めで神社を回っていた頃がありました。神社は神様のおうちです。神道では八百万の神様がいるとされていて、神社もその性格に合わせてそれぞれ雰囲気が違うんですよね。
そんな神社が大好きな筆者は「お願い事は積極的に言う派」です。
今回は、なぜ?と思ったそこのあなたへ、願い事を言わない方がいいと言われ始めた本当の理由と、合わせてお参りの作法から唱える言葉、絵馬の書き方と読み終わったおみくじの処理法までご紹介します。
せっかくお願いして神様からもらったパワーを半減させてしまった…なんてことにならないようにしっかりとした知識とマナーを身につけて、あなたのお願い事を叶えちゃいましょう!
神社での願い事を人に言うと叶わないは本当?
言うと叶わないと言われるのはなぜ?
あなたは友達や家族に願い事を聞かれたら、言う派ですか?それとも言わない派ですか?
多くの人は「言わない派」ですよね。願い事を口に出すと叶わなくなると言われていますが、そもそもなぜ叶わないとされているのでしょう?
それはズバリ言うことによって引き寄せてしまう「負のパワー」のせいです。
人は神様に願い事をするときに、自分1人では実現が難しいかもしれないことを願うものです。自分だけではどうにも出来ないから、神様助けて、お願いしますと言うわけです。それを他人が聞いたらどうでしょう?
「そんなの無理だよ」
「叶いっこないよ」
多くの人はこのように思うでしょう。口に出さなくても思うことによって、出てしまう「負のパワー」がせっかくお願いによって頂いた「神様パワー」を半減させてしまうのです。
また、このような「負のパワー」にさらされていると、
「やっぱり私には出来ないのかも」
「どうせ叶わないよね」
などという邪念があなたのなかに生まれてきます。神様は自身が叶わないと思っているお願い事は叶えてくれません。
本当のところは?
しかし、筆者は冒頭でも書いた通り「言う派」です。どうしてでしょう?
それは、自分の願い事を言うことが叶えるための「近道」だからです。
え?先ほど書いたことと矛盾しているじゃないか、と思いますよね。いいえ、実は自分のお願い事を言うこと自体が「負のパワー」に繋がるのではなく、「言う相手」が大事なのです。
相手があなたの願いを本当に応援してくれる人であれば、言うことはむしろプラスになります。
「あなたなら叶えられるよ」
「私も応援するね」
こういった言葉や態度は、あなたの励みになり、お願い事を叶えるための糧になります。
お願いだけして放っぽりぱなしでは神様は叶えてくれません。「願い事は誓い事」です。あなたは努力を神様に誓い、それが果たされて初めて、神様はあなたの願い事を聞き入れてくれるのです。
そして、あなたの願いを本当に応援してくれる人は、そんな頑張るあなたの背中を押し、支えになってくれるでしょう。また、願い事に近づけるチャンスや情報があれば教えてくれるはずです。
神社で願いが叶うかも?!お参りの作法を動画つきで!
さて、お願い事に関する注意点をお話ししたところで、今度はマナーのお話をしたいと思います。神社は神様のおうちです。あなたも自分の家に他人が土足でヅカヅカ入ってきたら嫌ですよね?お願いどころではありません。
そこで、まずはお参りの作法とステップ、よくある参拝の間違いをしっかり押さえて、神様にあなたの話を聞いてもらえる環境作りをしましょう。
1. まずは玄関口である、鳥居前で一礼をします。
この時、出来れば帽子やコートは脱いでください。人のうちにお邪魔する時と一緒ですね。服も汚れていないか、ボロボロになっていないかチェックしましょう。
2. 手水舎(ちょうずや)という水場で手と心を清めます。
これから神様に会いに行くのですから、体はもちろん心もしっかり清めましょう。
• 左手に柄杓を持ち替え、右手を洗います。
• もう一度右手に柄杓を持ち、左手に水を受け、口をすすぎます。
• 柄杓を立てて、持ち手を洗います。
• 終わったら、ハンカチや懐紙で手と口をぬぐいます。
※柄杓から直接水を口に含むのは絶対にやってはいけません。ケガレを残し、次の人に移すことになってしまいます。
3. 途中鳥居があれば一礼を忘れずに、拝殿に向かいます。
参道の真ん中は神様が通る道とされていますので、端を歩くようにしましょう。横切るのは問題ありません。
4. 拝殿前に着いたら、軽くお辞儀をして、お賽銭を入れます。
お賽銭は神様への貢物です。本来金額は関係ありませんが、縁起がいいとされている語呂合わせをいくつかご紹介しておきます。
• 11円=いい縁
• 21円=夫婦円満(割り切れない数字ということから)
• 45円=始終ご縁
※10円は遠縁(十円)、500円はこれ以上大きい効果(硬貨)がないと言う意味があるので、使わないようにしましょう。
5. 鈴を鳴らします。
鈴の音はあまり大きくならないようにしましょう。神様は小さな音でもちゃんと気付いてくれますよ。
6. 2回おじぎをし、2回拍手をします。
頭は90度くらいまで下げましょう。拍手は頭を上げてからです。ながら拍手は神様に失礼ですので、やめましょう。
7. 手は合わせたまま、できれば唱え言葉を言います。
これは神社によって異なる場合がありますので、指定があればそちらを優先してください。詳しくは次の項目でお話しします。
8. 手は合わせたまま、お願い事をします。
9. もう一度90度のおじぎを1回と、軽いお辞儀を一回します。
10. 最後に鳥居から出たところで、拝殿に一礼しておしまいです。
動画の方がわかりやすいと言う方は、下記のURLをご覧ください。
[神社参拝の作法]拝礼の仕方
願いは思う?口に出す?唱え言葉とは?
参拝の方法を確認したところで、願い事をする際のちょっとした注意点をいくつかご紹介しようと思います。
願いは思う?口に出す?
まず、願い事をする時は声に出した方がいいのか、という疑問についてです。こちらは賛否両論あるようですが、声は出さなくてOKです。
神様にはしっかりと、あなたの心の声が聞こえています。神様はケガレを嫌うので、純粋な心で感謝と尊敬を持って、謹んでお願い事をしましょう。
唱え言葉とは?
次に、唱え言葉と呼ばれるものをご紹介します。こちらは参拝の手順にも書いた通り、できればで大丈夫です。昔からの言葉そのままなので、現代人の私たちにとっては少し難しい文言ですが、頑張って覚えましょう。
神社によって指定がある場合もありますが、一般的な唱え言葉はこちらです。
(はらえたまい、きよめたまえ、かむながらまもりたまい、さきわえたまえ)
難しいですよね。しかし、こんなのすぐに覚えられるよというあなたは、実はこれよりももっと難しい「祝詞(のりと)」というものがあるので、ぜひ挑戦してみてください。
「祝詞」というのは、もともと神主さんが神事をするときに唱える言葉です。一般の人でも唱えることによって清らかなケガレのない姿でお願いができるとされています。
かな付きの原文と現代語訳を書きましたので、見てみてください。
原文
(かけまくもかしこき)
伊邪那岐大神
(いざなぎのおほかみ)
筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に
(つくしのひむかのたちばなのをどのあはぎはらに)
禊ぎ祓へ給ひし時に
(みそぎはらへたまひしときに)
生り坐せる祓戸の大神等
(なりませるはらへどのおほかみたち)
諸々の禍事・罪・穢
(もろもろのまがごとつみけがれ)
有らむをば
(あらむをば)
祓へ給ひ清め給へと
(はらへたまひきよめたまへと)
白すことを聞こし召せと
(まをすことをきこしめせと)
恐み恐みも白す
(かしこみかしこみもまをす)
現代語訳
イザナギの大神が、
筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で、
穢祓いをなされた時に、
お生まれになった祓戸の大神達よ、
様々な災難・罪・穢れが
ございましたら、
祓いお清めください
と申しますことをお聞き届けくださいませと、
畏れ多くも申し上げます。
古事記の内容を知っている人は気付いたかもしれませんが、古事記にあるイザナギとイザナミのお話ですね。
イザナギとイザナミは、紆余曲折を経て、何人かの子供(ほかの神たち)を産み出しますが、最後に産んだ火の神によって、イザナミは火傷のため命を落としてしまいます。
悲しんだイザナギは黄泉の国へイザナミを探しに行くのですが、イザナミを取り戻すことは叶いませんでした。
そして、下界に戻ってきたイザナギは黄泉の国の穢れを落とすため、水で体を清めました。
そこで生まれたのが、かの有名な天照大神(アマテラス)と月夜見尊月読命(ツクヨミ)です。
アマテラス(太陽神)を主神とする、神道の神さまたちのおうちが神社なわけですから、納得ですね。
神社の願い事といえば絵馬!絵馬の書き方は?間違ったらどうする?
神社で参拝を済ませたら、あなたは次に何をしますか?ここでは絵馬の書き方と、おみくじを引いたあとについてお話ししていきます。
絵馬の書き方
絵馬は表にまず「奉納」と書くところから始めてください。よく忘れる人がいるのですが、書かないと奉納したことになりませんよ。
裏には願い事を書きますが、これは縦書きで書くのが普通です。神社によっては萌え絵などがあると嬉しい、などという意見もあるようですので、最近では特に決まりはないようですね。神様が喜ぶようにという気持ちを持って書いたものならOKという認識で良いでしょう。
最後に自分の氏名と住所を書きましょう、と言いたいところですが、最近は個人情報保護の関係から書かなかったり、個人情報保護シートを置いている神社もあります。
筆者としては、しっかりと書くことをオススメしますよ。たくさんある絵馬の中で名前と住所が書いてなければ、神様だってどこの誰の願いか分からなくなってしまいますからね。
書き間違えてしまったら?
斜線で消して、横に正しい文字を書けばOKです。案外シンプルなんですね。
筆者も緊張するとよく書き間違えをしてしまいがちですが、受験生の方が学業成就で絵馬を書かれる場合は、特に誤字脱字には気をつけたいですね。
読み終わったおみくじはどうする?
凶や大凶が出た時は、おみくじを結んで帰るというのが一般的ですよね。しかし、筆者はおみくじの結果にかかわらず、おみくじは持って帰るのをオススメします。
なぜなら、おみくじはその結果ではなく、書いてあることが重要だからです。初詣の際におみくじを引いて新年の運勢を占っても、残念ながら1・2ヶ月経つとその内容はほとんど覚えていないでしょう。
しかし、おみくじを持ち帰り、時たま読み返すことによって、気を引きしめ、何を注意したらよいのかを思い出すことができるのです。ただし、おみくじは神様からの手紙と一緒なので、大切に財布などにしまい、粗末に扱わないようにしましょう。
まとめ
2. 二礼二拍手一礼が基本
3. 唱え言葉はあればなおよし
4. 絵馬は縦書き、氏名・住所と「奉納」の文字を忘れずに
5. 間違えたら斜線で訂正
6. おみくじは持って帰って読み返す
ここまで神社参拝のいろはをお話ししてきましたが、一番大切なことは神様のおうちにおじゃまするんだという気持ちです。失礼がないよう、身なりを整え、きちんとしたマナーで神様から見て気持ちのいい参拝を心がけましょう。
そして、願い事はひとりで叶えようと頑張るより、周りの助け・応援があった方が断然叶いやすいということを忘れないでください。あなたの一生懸命な努力と周りの助け、最後に神様のひと押し…これが揃えばきっとあなたの願いも叶うはずですよ!