昨今はLINEやメールでの連絡手段がメインになり、めっきり手紙を書く機会も減りましたね。
授業でも「習ったっけ?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
手紙を送る相手によっては、敬語、謙譲語など使わないといけないし…「書き出しはどうしたらいいの?」「季語」「時候の挨拶」などを取り入れないといけないとなると益々ハードルが上がってしまうイメージ…
プライベートな手紙とビジネスの手紙では書き方も違うので上記のような疑問をお持ちではありませんか?
わたしも今回、色んなことを調べて学べる場を頂けて良かったと思いました。
実は、この記事で紹介する『1月に書く手紙の例文&短期間で字が上達する方法』を実践すると、誰でも簡単に解決することが可能です。
「季語」はなんとなく授業で習ったけどハッキリはわからない…という方も多いと思います。
書いてあることを実践すれば、手紙の書き出しや季語などのあなたの悩みが解決されることでしょう。
コロナ禍で中々会えない今だからこそ、手紙の良さを顧みるいい機会でもあります。
それではさっそくいきましょう。
手紙のマナーと構成は?
手紙はどんな構成にする?
構成
- 前文
- 主文
- 末文
- 結語
- 副文
- 後付け
の順で構成されます。
順を追って詳しく説明していきたいと思います。
①前文…人と会った時の挨拶(「こんにちは」」に相当する部分)
※丁寧であるべきですが、あまり長く綴ると失礼になってしまいます。
※お悔みや災害見舞いの時は省略します。
▼起首・頭語
- 頭語と末文はペアになっています。
例…「拝啓」「敬具」など
- 欧文風に「○○様」と名前の呼びかけで書くことも増えている。
▼時候の挨拶・季語
- 時候の挨拶とは、”四季の流れ””季節感”です。
- 季語や暦の言葉を上手に使い、さらに自分なりの表現で季節を伝える。
- 普通は前文の挨拶の最初に来る
☆ビジネスシーンでは、かしこまった漢語調の時候の挨拶を使うのが一般的です。
▼安否の挨拶
- 相手の安否を尋ね、次に自分の現況をそっと書き添えます。
▼お礼の挨拶
- 必要に応じ、ご無沙汰のお詫びやお礼などを短めに書きます。
☆3〜4行にまとめましょう。
②主文…手紙の内容の部分(本来の要件を書く)
▼起辞…主文に入るときに用いる言葉(「さて」など)
~起辞の用い方~
- 必ず行を改めて書く
- 一字下げにしてよいが、格式ばった場合は一字下げにしないこともある。
- 主文の中で別の用件に移る場合にも行を改めた最初に用いる。
~主文の書き方~
- 内容を整理し、文脈を整え手紙の用件が正しく伝わるように書く。
☆伝達事項をはっきり述べましょう。
- 「さて」「この度」などを起こせばスムーズに書けます。
- 簡単な内容であれば、例文の語句を入れ替える「だけでもいいでしょう。
- 複雑な内容であれば、用件を箇条書きにし、その用件に合う手紙の”要点””注意”を参考にしてまとめてみてください。
☆書き進める順序は、事件の起こった順序、考えを進めていく順序が良いです。
~文体の統一~
- 手紙文は一定の調子に乗せて文体を統一する。
→「ます体」が一般的である。
- 目上の人に宛てる場合には、特に丁重に書く必要がある。
→「ます体」で統一するとともに「です」を用いないようにする。
- 同輩に宛てる場合には、普通の「です・ます体」で良い。
- 目下の人や特に親しい人には、「ますね」「ですよ」など、親しみのある形を用いても良い。
③末文…主文の終わったあとに来るのが、要旨のまとめを中心とする末文の挨拶である。
~悪文の陳謝~
- 手紙の文章が下手だと思えば、それについて謙譲の意を表し末文で陳謝する。
「以上長々と勝手なことばかり書き連ねましたこと、幾重にお詫び申し上げます。」など。
~後日の約束~
- 主文の性質によっては、さらに後日詳しく伝えることを約束することにもなる。
その際は、「委細は、後日ご拝顔の折に申し上げたいと存じます。」など。
~返信の請求~
- 主文の性質によっては、相手方からの返信を待つことになる。その場合は、
「恐縮ながら折り返しご返信を賜りたく、伏してお願い申し上げます。」など。
~愛顧の挨拶~
- 特別な依頼がない場合は、一般的な形で今後ともよろしくとする。
「なお、今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。」など。
~自愛の挨拶~
- 本文の終わりの方で、相手方の無事を祈る。
末文の挨拶のうち一つだけ書くとすれば自愛の挨拶が良い。
「末筆ながら、貴社一層のご隆盛をお祈り申し上げます。」など。
~要旨のまとめ~
- 主文の内容について、締めくくりとして念を押す部分。
別行にして書き始めるが、一字下げにするかしないかは主文の起辞の書き方と同じにする。
- 一般的には「右とりあえずご案内まで」のようになる。
簡略して、「右、とりあえず」だけでも良い。
④結びの挨拶、結語
- 締めくくる部分です。相手への近況や健康を察する言葉を添えます。
- 手紙の結びの挨拶をする部分、結びの挨拶と結語で構成
▼結びの挨拶例
- 「まずはお礼まで」「皆様によろしく」など臨機応変に使い分けます。
結語
- 前文の”頭語”に対応させる。また、女性が用いる「かしこ」は頭語がなくても使えます。
- 手紙の本文の最後に来るのが、「敬具・草々」などの結語である。
- 女性の場合は、「かしこ」などとも。
- 結語は、本文の最後の行の下に書く。本文が下まである場合には、次の下の行に書く。
⑤副文…手紙の本文のあとに、本文に準じて書き加える「追伸」の部分
- 追伸と書くには、「二伸」などの頭語を用いる。
内容は本文に書き漏らしたこと、本文とは別の用件で本文と一緒にしない方が良い。
☆特に注意を引く必要のあることなどを書く。
- 追伸は、本文よりやや下げて「二伸」などの頭語を書き、その後、一字分上げるか、別行にして、本文よりやや小さい字で書く。
⑥後付け
- 日付・署名・宛名・敬称…いつ、誰が、誰にという部分です。
~日付の書き方~
- 普通は月日のみ。改まった時は年月日を記します。
- 縦書きは、”元号”が基本で横書きは”西暦”を用いることが多くなっています。
- 書く位置は、本文のあとで、行を改めて、本文より少し下げ、やや小さい字で書く。
~署名の書き方~
- 原則としてフルネームです。(「田中一郎」のように)
- パソコンや印刷の手紙でも、署名だけは自筆で書くのが礼儀です。
- 書く位置は、日付の行の下、または次の行の下で、書き終わりが本文より一字分上ぐらいで止まるように、やや大きい字で書く
~宛名・敬称の書き方~
- 誰に宛てたか明らかにする部分
- フルネームに敬称をつける(「田中太郎様」「山田花子先生」のほか)
- 書く位置は、署名の次の行の上で、日付より上、本文より下、のところから、署名よりも大きい字で書く。
- 宛名の左下に「侍史」などの脇付けを添えることもある。
- 構成順に気を付ける。
- 構成は、「厳しい寒さは残るものの、暦の上では春を迎えました。」というように短い文でまとめる形と「ましたが…」のように次に続ける形とがあることも併せて覚えておきましょう。
プライベート、ビジネスの場合のそれぞれのマナーは?
ビジネス編
- 頭語・結語のペアを正しく使う
- 尊敬語・謙譲語を正しく使い分ける
- 字配りに気を付ける
- ビジネス編では、末文で自愛の挨拶はしない
- 宛名・敬称に気を付ける
どういう物かここからご紹介していきます。
~頭語・結語~
- 季節に関係なく、「時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます」なら特にどの月とは限定しないので使える言い方を覚えておくと便利です。
- 「晩冬の候」「晩冬のみぎり」使い方は同じですが、女性がよく用いていた言葉なので、ビジネスの場合は、『みぎり』は女性言葉であることを覚えておくといいと思います。
~尊敬語・謙譲語~
- ”尊敬語””謙譲語”を正しく使い分けることが重要です。
- ”尊敬語”…相手を敬う言い方で、手紙文では相手方の事柄に用いる。
- ”謙譲語”…へりくだった言い方で、自分側に用いる。
☆手紙文では相手方に用いる語と自分側に用いる語と異なる場合が多い。
~字配り~
- 人名・地名・物名・数字・金額などが、二行に分かれないようにする。
- 「が、の、に、を、です、ます」や「趣、由、旨、間」などの軽い語や、自分を差す
- 「小生」「私」などが行の始めに来ないようにします。
- 相手方の代名詞や敬称の付いた氏名は行の終わりに来ないようにする。
- 用紙は二枚以上にわたるようにする。(やむおえず一枚で終わる場合は、白紙を一枚添えて全体で二枚にするのが礼儀です。
~末文~
- 自愛の挨拶は書かず、「末筆ながら、貴社一層のご隆盛をお祈り申し上げます。」などとする。
~宛名・敬称~
- 目上の人に対しては、本文と同じ高さまであげて敬意を表する。
- 会社・商店・官庁に宛てる場合は、会社(商店・官庁)名、部課名のあと、左下に「御中」と添える。
~日付・署名・宛名・敬称~
- この部分が二枚にわたったり、この部分だけが別の用紙になったりしないように注意!
プライベート編
相手の心情、地域の季節感などを考慮する。具体的にはどういう物かご紹介します。
~忌み言葉~
☆手紙によっては、用いてはいけない言葉があります。
▼結婚祝い
- 「去る・帰る・返す・別れる・離れる」など離婚を連想させる語。
- 「別紙・格別・帰京・帰宅」など「別・帰」の付く語もNG。
▼忌慰状
- 「いよいよ。たびたび・またまた・それぞれ」などの畳語。
- 「重ねて、再び、追って、再三」など二回目を連想させる語。
※出産祝い、新築祝い、開業祝いなどの場合も、これに準じて考えます。
▼手紙を書き出す相手の居住地の季節感を考慮する
- 時候に関する事柄であるから時期は地方によって異なります。
- 相手に無神経な印象を与える挨拶もあるので注意が必要です。
(例)
- 「桜花爛漫のみぎり」は4月の用語ですが、東北地方では5月のG.W.の頃が桜の開花期です。
- 梅雨の時期に常識的な挨拶「梅雨の候」を用いた場合、本州が梅雨の真っ盛りでも北海道には”梅雨はありません”し、沖縄だとすでに”梅雨が明けている”場合があります。
☆このような理由から、相手が住んでいる地方の季節感、地域や地形を考慮して時候の挨拶を述べることが必要です。
1月の時候挨拶は?
時候の挨拶一覧
- 新春の候
- 初春の候
- 厳寒のみぎり
- 穏やかに年が明け
- みぞれ混じりの寒空に身も縮む日が続いております
- 松の内も明け
- 正月気分もそろそろ抜けて
- 日を追って募る寒さに閉口しております
- 例年にない寒さが続きますが
- 寒風の吹きすさぶ毎日を迎えております
- 寒の入りとともに寒さがつのり
- 厳しい寒さに困り抜いております
- 寒中とは思えない暖かさですが
- 軒のつららにも寒さの募る毎日となりました
- コートの襟を立てて歩く毎日ですが
- 七草も慌ただしく過ぎてしまいました
- 初春とはいえ、毎日厳しい寒さが続いております
- 積る雪に一段と寒さを増すころとなりました
※時候の挨拶は、上旬・中旬・下旬と使える言葉が異なるので注意が必要です。
(例)
- 初春の候…新年にからむ表現は、1月上旬に使うことができます。
- 厳寒の候…1月下旬全般に使うことができます。
1月に使える季語は?
・元日 ・元朝 ・大旦 ・歳旦 ・元旦 ・初明かり ・年玉 ・明の春 ・年の始
・朝賀 ・十日戎 ・初寅 ・屠蘇 ・おせち ・頼朝忌 ・御用始め ・晴御膳
・新年 ・御慶 ・春永 ・数の子 ・三が日 ・お降り ・太箸 ・門松 ・初山河
・餅 ・福引 ・旧年 ・初晴 ・宝船 ・初空 ・独楽 ・初鴉 ・七福神詣 ・正月
・年賀状 ・初苗 ・初鶏 ・福笑 ・福寿草 ・初詣 ・初夢 ・初司会 ・福茶
・年の朝 ・牛蒡注連 ・羽子板 ・書初 ・掛柳 ・松の内 ・双六 ・輪飾 ・初市
・四方の春 ・出初 ・初芝居 ・初星 ・初旅 ・七種 ・春着 ・初富士 ・歌留多
・獅子舞 ・小寒 ・寒析 ・雪 ・柳葉魚 ・傀儡子 ・迎春 ・枯桜 ・雪国 ・鶴
・おでん ・鴨の陣 ・猿回し ・初雀 ・冬椿 ・雑煮 ・年神 ・冬木の桜 ・兎
・水餅 ・寒討 ・初声 ・雨氷 ・雪時雨 ・寒行 ・日向ぼっこ ・鏡開 ・鏡割
・雪やどり ・成人の日 ・寒夕焼 ・御神渡 ・吉書 ・足袋 ・霜 ・温め酒 ・蜜柑
・初場所 ・冬芽 ・落葉 ・山眠る ・寒早 ・霜除 ・雪野 ・懐手 ・寒念仏
・梟 ・寒禽 ・初稽古 ・伊勢 ・海老 ・豪雪 ・松過ぎ ・日脚伸ぶ ・冬銀河
・松明け ・雪折れ ・大寒 ・玉子酒 ・枯菊 ・牛鍋 ・小正月 ・樹氷 ・蕪
・寝酒 ・どんと ・鍋焼 ・女正月 ・霧氷 ・寒鯉 ・しばれる ・鰭酒 ・寒斧
・寒鮒 ・寒あやめ ・冬菜 ・仏の座 ・生姜酒 ・枯山 ・千両 ・田平子 ・寒釣
・焚火 ・初笑い ・マスク ・蒲団 ・万両 ・初大師 ・寒灸 ・二十日正月 ・冬探し
・スキー ・寒泳 ・骨正月 ・寒薔薇 ・かまくら ・姫椿 ・雪見 ・冬の浜
・雪見舞 ・炬燵猫 ・黄水仙 ・寒卵 ・寒昴 ・初天神 ・ちゃんちゃこ ・笹鳴
・寒牡丹 ・寒満月 ・白菜 ・雪沓 ・雪だるま ・雪催 ・煮凝 ・底冷 ・寒餅
・葉ぼたん ・寒紅 ・雪しまき ・旧正月 ・雪下ろし ・つらら ・冬の霧 ・雪掻
・雪焼 ・寒造 ・春隣 ・凍瀧 ・若菜 ・春通し ・冬の雷 ・セロリ ・冬菫
1月に書く手紙の結びの一文は?
結びの一文の書き方と例文
プライベート・ビジネスで使うオーソドックスなパターン
(プライベート編)
拝啓 松の内もあけてやっと正月気分も抜けたころではないでしょうか?
今年こそは、コロナが収まって欲しいですね。
先日、成人式帰りでしょうか、晴れ着姿の新成人を見かけました。
私たちにもそういう時代がありましたね。
コメント