以前働いていた会社に、再度就職したい。
他の職場で働いた後に、そう思う人は一定数います。
会社に再雇用の制度があればラッキー。
挑戦したいと思いますよね。
でも、『出戻り』での採用試験は、どのように志望動機を書けばいいのでしょうか。
一般的な志望動機と同じでいいのかな?
迷うところですよね。
ここでは、出戻りの場合の志望動機において、書くべきポイントをまとめました。
営業職・販売職、事務・総合職、技術職、バイト・パートなど職種に分けてポイントを紹介。
それぞれ例文もあげています。
ぜひ参考にして、あなたのケースにあった志望動機を作成してください。
おさえるべきポイントを知っているか否かで、あなたの志望動機は変わるはず。
以前働いていた会社への志望動機例文職種別5選! その1:営業職・販売職の場合
営業職・販売職への出戻り転職の場合、書くべきポイントはこちらです。
- 御社独自の商材の良さ(もしくは独自の営業体制)に改めて気づいたため、もう一度本気で営業(販売)したい
- 他社で経験したことで新たなスキルと結果が身についており御社で発揮できる
どちらも、具体的に伝えましょう。
以下のようなネガティブな要因はNGです。
- 転職先で営業成績があがらない
- 給料が低い
- 人間関係がうまくいかない
はもちろん悪い印象しか与えません。
例文
現職では営業スキルをアップさせ、入社当時に比べて4倍の営業成績をあげています。
その間独学と受講により、営業スキルを磨きました。
具体的には、『傾聴、ペーシング、質問のテクニック』への注力です。
それまで扱ったことのない商品を扱うことになりましたので、商品知識についても網羅しました。
その結果、営業成績があがっています。
その中で、改めて御社独自の商品○○や△△を扱うことの魅力に気づきました。
業界の中で支持されているだけあって、消費者のニーズを的確に掴んでいます。
違う商材をお客様にアピールしていく中で、何度も『○○や△△の方がお客様のニーズを満たす』と気付かされました。
お恥ずかしながら、一度離れたことでその魅力に気づいたのです。
ですから、ぜひ自分のスキルをもって御社のサービス展開に貢献したいと応募いたしました。
以前働いていた会社への志望動機例文職種別5選! その2:事務・総合職の場合
事務や企画・財務・法務などの総合職のケース。
一旦他社で経験した結果、やはり御社で再度事務や総合職をしたいのはなぜか、を明確に書きましょう。
ここで重要なのは
- 他社を経て、御社での企画(財務、法務など)の魅力に気づき再度本気で挑戦したい
- 自分が他社でやってきたこの仕事のここが活かせる
という2点です。
具体的に書くのがポイント。
また、総務・財務・法務などは業務の内容は他社の同部門と似ていることが多いもの。
ですから、『なぜ現職ではなく御社(への出戻り)でないといけないのか』という点が必要です。
営業職・販売職の前章でも書いたように、ネガティブ要因はNG
- 転職先で業務成績があがらない
- 給料が低い
- 人間関係がうまくいかない
はもちろん書かないのが正解。
例文
年商6,000万円を達成したチョコレート菓子『○○』の企画、販売展開に携わりました。
その際、販売チャネルの拡大を提言し、体制を整えることで昨年比1.2倍につなげております。
その中で、卸業者とのコミュニケーションや広告代理店との交渉で、ウィンウィンの関係を築く経験を積みました。
その経験を経て、御社の海外輸入菓子における、ブランド構成の戦略の優位性に改めて気づきました。
その分野で、ぜひ自分の力を生かしたいと考えております。
今あるブランド優位性を活用し、更に新たな市場を開拓する企画を担いたいと考えております。
以前働いていた会社への志望動機例文職種別5選! その3:技術職の場合
技術職は各社の特色が違うことが多い職種です。
扱う商材、商品など具体的な違いがあれば、その違いをとらえてポジティブに書きましょう。
書くべきポイントはこちら。
- 他社を経て、どんなに御社の技術や開発力、またはその体制がすばらしいと感じたか
- 自分が他社でやってきたこの仕事のここが活かせる
という2点です。
具体的に書くのがポイント。
ネガティブなことを書かないのも、同様です。
- 転職先で実績があがらない
- 給料が低い
- 人間関係がうまくいかない
はNGです。
例文
現職のプロジェクトを通じて得た問題解決力を、御社の先進的で機動力の高い体制で発揮したいと考えております。
現職では商品開発の担当をしております。
プロジェクト制で、自社の資源の制約や、それまでのフローを厳守しようとする現場の反発に阻まれることがありました。
そこで私は社外の資源活用を提言し、交渉することで新たなビジネスモデルを構築しました。
結果、目標期間で商品開発を実現し、当初販売額目標の150%を達成しました。
またその取組の中で、改めて御社の開発体制が、先進的で機動力ある魅力ある職場だと気づきました。
よって御社の組織で、更に自分の問題解決力を生かした開発がしたく、志望いたしました。
以前働いていた会社への志望動機例文職種別5選! その4:契約・派遣社員の場合
契約・派遣社員の場合は前回やめた経緯も重要です。
期間満了のためであれば、「やめたくないけど制度上やめざるを得なかった」というアピールができます。
円満に退社していることが重要です。
そうでないなら、前回の退社理由を話せるように準備しておきましょう。
自分の人間性を疑われないように話す注意が必要です。
そのうえで、書くべき志望動機に盛り込むポイントはこちら。
- 御社退社後、他社で勤務したが、やはり御社の業務に魅力を感じる
- 他社ではこのスキルが身についたので、再度御社であがったスキルを発揮したい
書くべきでないことはこちら。
- 転職先で業務効率があがらない
- 給料が低い
- 人間関係がうまくいかない
これまでに紹介した部署と同様、ネガティブ要素はNGです。
例文
御社で得た知識と経験から、前職でも即戦力として就業し、2ヶ月でチームリーダーを任されました。
チームリーダーとしては、主に各営業所の月次収支報告のとりまとめを担当いたしました。
やりがいのある職場でしたが、更新の上限まで到達したため、期間満了で退職しております。
そこで、かねてから御社の効率的な業務の進め方を魅力に思っておりましたので、再度応募いたしました。
数字の取り扱いは、常に正確さに注意して業務してまいりました。
さらに報告書作成の進捗把握スキルを活かした業務をしたいと考えております。
以前働いていた会社への志望動機例文職種別5選! その5:バイト・パートの場合
バイトやパートの場合は、人の入れ替わりが正社員に比べて多い傾向にあります。
会社にもよりますが、比較的採用の可能性は高いでしょう。
ただし、やる気やスキル、そして空きがあればの話。
ここでも志望動機には注意が必要です。
盛り込むポイントはこちら。
- 一旦やめたが、他社で勤務する間に御社での勤務のすばらしさに気づいた
- 他社ではスキルアップをしたので、もう一度御社に貢献したい
『御社での勤務のすばらしさ』は、もちろん『ラクだから』という意味ではNGです。
例えば
- 扱う商品が好き
- 社会的に貢献していることに気づいた
- 業務の流れが効率的で自分に合っている
など、会社や業務の質について触れましょう。
書くべきでないことは他部署の場合と同様です。
- 今の職場でやる気にならない
- 給料が低い
- 人間関係がうまくいかない
などと書く人間にいい印象は持ちませんよね。
例文
コンビニエンスストアにおいて、お客様対応や多様なサービスに触れることは刺激的で、その中で効率的に動くスキルを得ました。
ですが、やはり御社での本を扱う経験が忘れられず、家族の都合が解消しましたので再応募いたしました。
一旦離れることで、書店の販売員がいかに自分に向いていたかに気付かされました。
知的なサービスを提供することにモチベーションを感じます。
コンビニエンスストア勤務で効率的な動線を考えたことも、活かせると考えております。
以前働いていた会社への志望動機の書き方のポイントや構成は?
志望動機に盛り込むポイントとして外せないのはこちらの4点です。
- 入社したら御社の役に立つスキル
- 退社してから今までの他社での実績
- なぜ再度挑戦したいのか
- 業務以外で会社に役立つスキル
最後の『業務以外で会社に役立つスキル』は難しい人もいるかもしれません。
ですが、ずっと同じ会社に勤める人よりも、外部を知っているというのは強みです。
社内しか知らない人との違いをアピールする絶好のポイントです。
採用すれば、会社も人件費として安くない金額を払うことになります。
『この人材のおかげで我社は業績アップする』と思える人材しか採用しません。
↓
業績アップにはスキルある人材が必要
↓
我社に合ったスキルのある人材がほしい
と会社は考えています。
ですから、応募者は『私は御社のニーズを満たしますよ』とアピールすればいいのです。
そのアピールに使えるのが、冒頭の4点です。
構成としては、
- 前回退社後どのようなスキルを積んだか
- それを生かして御社で何をしたいか
- 御社を再度選んだ理由
- (あれば)直接的な業務以外において発揮できるスキル
を盛り込むことでOKです。
順番は変わっても構いません。
その中で、
- 一度やめたけど他社に入って改めて御社の魅力に気づいた
- 他社でこのようなスキルアップができたから再度御社で挑戦したい
この2点を冷静に書くことで、本気度が伝わる志望動機になります。
NGなのはネガティブな要因。
- 現職では成績が伸びなかった
- 給料が安い
- 人間関係がうまくいかなかった
は、書かないでおきましょう。
出戻りの場合はやっぱり採用されやすい?不合格にならないためには?
出戻り社員を再雇用する会社は多いのでしょうか?
人材紹介業のエン・ジャパンではアンケート結果を公表しています。
”一度退職した社員を、出戻りで「再雇用したことがある」と答えた企業は、全体の67%。”
引用元:エン・ジャパン
7割近い企業で、すでに再雇用の実績があるという結果です。
気になるのが、再雇用した理由。
同じく、エン・ジャパンのアンケート結果から引用します。
- 即戦力を求めていたから
- 人となりがわかっているため安心だから
- 本人の強い復帰の意志があったから
これが回答の上位3つ。
志望動機を書く際はこの回答を意識するとよいでしょう。
(人となりを盛り込むことは難しいですが。)
不合格にならないためのポイントはこちらです。
しっかり自分でおさえておきましょう。
- 出戻りたいという意志の強さをかためておく
→ つっこんだ質問が来たときに動じずに答える必要があります。
- 自分のスキルの棚卸し
→ 具体的に話せるように整理しておく必要があります。 - 出戻り先の人間関係や仕事内容を熟知していることをアピールしすぎない
→ 体制や人事は変わるものであり、会社も出戻り組はある程度分かっている前提で接してくる。
ここを大きくアピールすると、『そこしか君の魅力はないのか』と思われかねない。 - できれば、今の体制や会社の課題を社員に聞いておく
→ 業務内容は数年でテーマが変わることもあります。体制も同じ。
今の状況を抑えておけば、面接官との話でズレが起こりにくいでしょう。
「出戻り」転職で歓迎される人、されない人は何が違うのか
まとめ
今は歓迎している会社も多い『出戻り再雇用』。
一旦離職したものの、経験を積むことで「やはり前の会社がよかった」と思う人もいますよね。
その際、志望動機は自己アピールの絶好の場所になります。
- 入社したら御社の役に立つスキル
- 退社してから今までの他社での実績
- なぜ再度挑戦したいのか
- 業務以外で会社に役立つスキル
この4点を具体的に書けるように、話せるように準備しましょう。
一旦入社したことのある会社ですから、ご縁があるはず。
他社を経たことで積んだ経験を活かし、しっかり下準備をして、再入社を勝ち取りましょう。
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