子どもたちが放課後を安心安全に過ごす場所であるべく学童。学童は小学校の教室内と決定的な違いがあります!
異年齢の子どもたちが同時に同じ空間で過ごすということ。
高学年が低学年の面倒を見てくれたり、宿題や勉強でわからないことを教えてくれたり、日頃なかなか接することができないお兄さん、お姉さんとお話したり遊んだり。
同級生だけでは経験できない学びがそこにはたくさんあり、高学年も低学年もそれぞれ良い時間を過ごせるという利点がいっぱい!
ですが・・・
逆に異年齢が一緒に過ごす時間のなかで、良い面ばかりではなく問題点も出てきます。
体も大きく、遊び方も言葉の一言一言も上級生は何だか迫力があり、気おくれしてしまう1年生も多いです。
また、いつもとは違う雰囲気の中で緊張や不安から、ついつい周りのお友だちにきつく当たってしまう子もいます。
いじめられてしまう子・・・悪気はなくても意地悪な態度になってしまう子・・・
学童という小さな社会のなかですが、集団行動をしているのであれば、当然いろいろな問題が出てきますよね。
最近、学童に行くのを嫌がる・・・もしかして、うちの子いじめられてる?
学校では楽しく過ごしているみたいだけど、学童ではいつもの笑顔があまり見られないわ・・・うちの子をこのまま通わせても大丈夫なの?
このような不安や悩みを抱えているママへ、子どもたちが楽しく伸び伸びと学童での日々を過ごせる対策をご紹介させて頂きます。
学童でよくある「いじめ」とは?
まずは学童でよくあるいじめの実態、よくある相談内容をみていきましょう。
①上の学年の子が権力を持って、下の学年の子に指示する。
異年齢の子ども達が集まる学童では、どうしてもこの問題が出てきがち。
上の学年の子も悪気があって意地悪な行為をしているわけではない場合もあります。しかし、体格も大きく、言葉遣いもまるで大人のような口調で上から指示されると、小さな1年生は圧迫感しかありませんね・・・。
何も言い返すことができずに静かにしているか、言われたとおりに行動してしまうパターンが多いです。
②持ち物を壊される、隠される
学校の授業と違い、学童では自由に勉強する時間も設けられています。
宿題をやる子、塾などの習い事で必要な課題に取り組む子、家で用意したドリルやプリント学習をする子、読書をする子など。
また、長期休暇の間は時間に余裕があるので、工作をすることもあります。このような生活の中で、学校とは少し違う持ち物を持ってくることも多く、お友だちの持ち物に興味が湧いたり、貸し借りする場合も出てきます。
そのようななかで、故意ではなくとも大切な物を壊してしまったり、失くしてしまったり・・・ということも。
大切な物を壊された、失くされたということがきっかけで、いじめにつながることもあります。
③多種多様な集団の輪に入れず仲間外れ
学童に来ている子の家庭状況は様々です。
両親が共働きの子、祖父母と暮らしている子、シングルマザーで育児をしているママ、日本国籍の子も外国籍の子もいるでしょう。
いろいろな環境で育ってきた子が集まっているなかで、「みんなそれぞれ違うんだ、違ってもいいんだ!」という気持ちで多様性を認め合うことができれば素敵ですね。
でもそれって・・・大人でもなかなか上手くできない場合もあります。
まだ小学校1年生の子に多様性を認めて、みんなで助け合って仲良くね!って、なかなか通じないことのほうが多いです。
これまで出会ったきた友だちとは、少し違うタイプの友だちも学童にはいるはずです。すぐに仲良くすることができず、気付いたら自分が仲間外れになっていたなんてこともあります。
★小学校とは違う学童の雰囲気や現状を、まずはママも理解してあげましょう!
そこを理解せず、いじめに対する不安や悩みがいっぺんに解決するという魔法のような解決法があれば嬉しいのですが・・・なかなか難しいですよね。
まずは、子どもがどのような状況で過ごしているのか、ご自身の目で見たり、我が子や指導者から直接聞いたり、現状を知ることから始めましょう。
何でも問題解決には1歩1歩、道筋を作っていくことが大切ですね。
学童でいじめが発生してしまう背景や原因は?
学童の現状をある程度、理解できたら、次にいじめが発生してしまう背景や原因は一体なにか?を考えていきましょう。
①異年齢の集団生活という特有の雰囲気
小学校の教室とは違う異年齢が集う縦社会のなかで、どうしても上下関係が出来上がってしまいがちです。
例えば、学童では1年生から4年生までで1班を作り一緒に行動する、縦割りのグループ活動をする場合が多いです。上の学年の子が言ったことは絶対という暗黙のルールが出来上がっていたり、威圧的な言葉や態度に何も言い返せない子もいるでしょう。
実際に子どもが成長していく過程で、「先輩と後輩」や「上司と部下」といったように縦の繋がりを経験する場面がきっと出てきますが、この学童という小さな社会のなかで、初めて上下関係を経験するという子も多いです。
初めてのことは誰しも不安だし、上手にできないこともいっぱいありますよね。
なので、上手く会話ができなかった、コミュニケーションが取れなかったなど、ちょっとしたきっかけからいじめに繋がってしまうという背景があります。
★年齢が上の子にも、嫌なことは嫌とはっきり言える練習をしよう
②様々な家庭環境など多様性を認め合うことが難しい
基本、学童は放課後に養育者が子どもの世話をできない場合に通うことができます。
両親が共働きでも同居の祖父母がいるなど、親以外でも子どもの安全を見守ることができる養育者がいる場合は通所できないというルールを設けている学童もあります。
家族と一言にいっても様々です。3世代で生活している家族、親子だけの核家族、シングルマザーやシングルファーザーで生活する家族など、いろいろな家庭環境があり、それぞれの家庭で自然と家族だけのルールが出来上がってくるものです。
自分の家で当たり前に守っているルールが、他の家では当たり前でなかったり・・・
学童という集団のなかで一緒に生活していくうえで、ちょっとした行き違いから、いじめに繋がってしまうこともあります。
★世の中にはいろいろな価値観があることを伝えていこう
③放課後も集団生活をしなければいけないストレス
学校での授業を終え、いざ帰りましょう!という時間。
帰宅後に一緒に遊ぶ約束をし合う友だち、習い事に行くという友だち、いろいろな放課後の過ごし方があります。そんな中で・・・・今から学童に行かなければいけない。
これがストレスになっている子どももいます。
学童に行けば、そこではそれなりに楽しく過ごせたり、学童で仲良しの友だちもできるのでしょうが、ふっと帰宅時間に頭をよぎる心の叫び・・・
「みんなと一緒に帰宅して家でゆっくり過ごしたいな。」
「いいな~、仲良しの友だちはみんなで遊ぶ約束をしているけど、僕は学童だ・・・」
このような気持ちの積み重ねが何かの拍子に爆発してしまい、意地悪なことをしてしまうというケースです。
これは大人も子どもも同じです。
自分の心が穏やかで安定しているときは、他人にも優しく接する余裕が持てます。逆に、何か嫌なことがあったり心が疲れてしまっているときには、自分のことでいぱいいっぱいになり、他人に優しい言葉の一つをかけるどころか、ついついキツイ口調になってしまうことありますよね。
自分ではそんなつもりで言ったわけじゃないのに、相手を傷つけることになった等、些細な一言や言動からいじめを引き起こしてしまうことがあります。
★なぜ学童へ行かなければならないのか、我が子にはママの言葉でしっかり伝えよう。
我が子が少しお疲れモードかな・・という日には、ぎゅーとハグをしてあげよう!
1年生は上級生からいじめや意地悪される?
そもそも1年生は上級生から意地悪されることや、いじめの標的になることが多いのでしょうか?
1年生だから、2年生だから・・・という年齢に限らず、意地悪をされてしまう子の特徴を考えてみましょう。
①もともとの性格が優しく穏やかな子
これまで穏やかな環境で育ってきて、乱暴な言動を経験したことがないので、子ども同士のちょっとした喧嘩でもびっくりしてしまったり、怖いと感じてしまいます。
嫌なことでも我慢したり、文句や愚痴も言わないタイプ。
気の合う子が近くにいたり、同じような性格のグループに入れば、とても性格がよくてイイ子だね!となりますが、正反対の性格のグループのなかでは意地悪される対象になってしまう場合もあります。
②もともとの性格が強い子
言い方がきつかったり、命令口調で言ってしまうことが多い子。同じように話をしていても、なんとなく威圧感が出てしまい、周りから怖いと恐れられることも。
本人は悪気なくやったこと、意地悪のつもりでなくても、相手は意地悪されたと捉えてしまい、喧嘩やトラブルの原因になることもあります。
③正義感が必要以上に強い子
上の学年の子や誰に対しても、間違っていることは違うとはっきり主張できる子。
指導者に「あの子があんなことをしていたよ。」など、臆することなく報告したりすることも多く、周りからウザイと思われる場合もあります。
④体つきの特徴がある子
身長が低い、高い、痩せている、太っているといったように、他の子に比べて体型や見た目に特徴がある子。「人を見た目や容姿で差別をしてはいけない」ということは、まだ学童期の子ども達には理解できているようで、難しい部分です。
親や先生から、そのようなことを言い聞かされていても、実際には悪気なく人の容姿に関することを口に出してしまったりすることは多々あります。何気ない一言でも、言われた子は傷つきますし、それを意地悪と感じることもあります。
★決して1年生だから意地悪の対象になるというわけではありません。
但し1年生だからこそ、周りの状況がつかめず悪気なくやったことや言葉がきっかけで意地悪やいじめの対象になる場合も在り得ることを理解しておきましょう。
いじめ加害児童の特徴は?意地悪との違いを理解している?
「いじめ」をしてしまう子にも特徴があるのでしょうか?そもそも、自分がやっていることを「いじめ」だと理解しているのでしょうか?
ここではいじめをしてしまう子の心理状況や特徴をみていきましょう。
①強い性格の子
人の性格というのは生まれ持った要素プラス、成長の段階で徐々に形成されていくものです。
一朝一夕で出来上がるものではありません。
その子の生まれ育った環境要因、どのような言葉を浴び、どのような習慣の中で育てられたかにもより、いろいろな感情が育っていきます。
性格が強い子といっても一括りにするのは難しいのですが、こんなタイプの子がいます。
- 自分の意見をはっきりと主張する子
- 大人にも臆することなく意見を言う子
- 嫌なことははっきり嫌と断る子
- 人に指示を出す、命令口調で話をする子
- 負けず嫌いな子
ここにあげた強そうなイメージである性格の子だって、状況によってはとても積極的で活動的!活発ないい子!ってなりますよね。
人の性格の長所と短所は紙一重。見る方向によって長所でもあり短所にもなります。
★自分が言ってしまった言葉、行動にまだまだ責任が持てない年齢。いじめや意地悪するつもりがなくても、相手を傷つけてしまう。
②何らかのストレスを抱えている子
何か心的ストレスを抱えている子が、モヤモヤする気持ちを発散したいという衝動から、つい大きな声をあげてしまったり、手を出してしまったりすることがあります。
子どもにはストレスなんて無関係と思わないでください。小さな体と心で毎日を精一杯、生きている子どもたちだってストレスを感じます。
上手に発散する方法もわからず、ただただイライラする、モヤモヤする、哀しい、寂しいなどいろいろな感情に苛まれている子もいるのです。
周りの友だちにきつくあたってしまう、意地悪なことをしてしまう、そういったことで自分の気持ちを発散させている場合もあります。
★自分の気持ちを上手く言葉にして伝えることが苦手な子や、ストレスを上手に発散できないで我慢している子が、衝動的に意地悪をしてしまう。
③家庭環境による要因
その子が育った家庭環境の要因も考えられます。
一緒に暮らす養育者から暴力的な言動をうけている子の場合、子どもの精神状態も落ち着かず常に情緒不安定になっていることがあります。
日常的な体罰、言葉の暴力、罵声を浴びさせられる、両親の夫婦喧嘩を日々見ている等も、その要因となります。
子どもは身近にいる大人が使う言葉を真似したり、大人からやられたことを同じようにやってしまう傾向にあります。
家庭内でやられたことを、無意識で学童の友だちにもやってしまう。そんな負のスパイラルに陥ることになります。本人はそれが悪いことだと感じてない場合も多いです。
大人は子どものお手本になっているということですね。素行には十分気を付けたいものです。
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