みなさんは「土用の丑の日」という言葉を知っていますか?夏になると、スーパーやテレビでうなぎを見かけることが多く、土用の丑の日には、うなぎを食べる習慣がある人もいると思います。私も土用の丑の日というと、なんとなくうなぎを思い浮かべてスルーしていました。一体どれだけの人がこの習慣について理解しているのでしょうか。
そこで今回は、土用の丑の日についてみなさんにご紹介します。土用の丑の日の由来や江戸時代から続くうなぎの名店なども合わせて調べてみました。ぜひ参考にしてみて下さい。ではさっそく見ていきましょう。
土用の丑の日2019!土いじりをしてはいけない理由とは?
まず始めに土用の丑の日はいったいつを指しているのかをお話しします。
「土用」という言葉は立夏、立春、立冬、立春の直前18日間の4つの期間を指しています。次に「丑の日」ですが、年と同じように日も昔は十二支で数えていました。子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の「丑」の時が「丑の日」と呼ばれているわけです。
つまり、一般的には丑の日と聞くと夏をイメージされると思いますが、実は四季それぞれに丑の日があったということがこれでわかったと思います。
まとめると、「土用の丑の日」は土用の丑の期間中に訪れる丑の日ということになります。昔は実家のカレンダーに日付のところに小さく干支や立夏など書かれているものがありました。もし同じようなのがあったら確認してみると面白いかもしれません
ちなみに今年2019年夏の土用の丑の日はいつなのかというと、7月27日(土)となっています。
土いじりをしてはいけない理由と期間は?
土用の期間中は土をいじってはいけないと言われています。
元々、土用という言葉は「五行説」からきています。五行説は、古代中国の自然哲学の思想で、万物は火・水・木・金・土の5つの要素から成り立っているという考えです。火は夏の象徴、水は冬の象徴、木は春の象徴、金は秋の象徴、土は季節の変わり目の象徴と言われていて、この「土」の部分が「土用」に当たります。
そして土用の間は、土の気が盛んになるとして、穴掘りや土をいじることは避けられていました。これが土いじりをしてはいけないとされている理由です。
2019年の土用の期間は下記になります。気になる方は参考にしてみてください。
・春の土用・・・4月17日〜5月5日
・夏の土用・・・7月20日〜8月7日
・秋の土用・・・10月21日〜11月7日
■土いじりをしたらどうなる?
土用に土いじりをすると、土公神が怒り、祟りを起こすという話もあります。もし、土いじりをしたときは、土いじりをした場所に塩をまきながら土公神に謝罪するといいようです。ちなみに土用に入る前に着工している場合は、土用中も作業を続けても問題が無いようです。
土用の丑の日の「間日」とは?
土用の期間はそれなりに長く、四季にそれぞれ18日間あります。この期間に土をいじることが出来ないと、いろいろ問題があると思いますが、土用の期間中には「間日」という日が設けられていて、この日の間は、土公神が文殊菩薩という仏に招かれて天上に行く為、この日は土いじりをしてもいいとされています。
■2019年の間日はいつなのか?
2019年の土用の間日は下記になります。
・春の土用の間日・・・4月18日・26日・27日・30日
・夏の土用の間日・・・7月22日・29日・8月3日
・秋の土用の間日・・・10月25日・27日11月6日
土用と土曜は違うのか?
言い方や読み方が同じなので、勘違いされる方がいるかもしれませんが、「土用」と「土曜」は別のものです。
土用は、立夏、立春、立冬、立春の直前18日間の4つの期間です。
土用の丑の日といえば「鰻」。なぜ食べるの?
では、なぜ土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのか。調べてみるといろいろな説がありました。簡単にご紹介したいと思います。
ある鰻屋が売れない鰻をなんとか売るために学者の平賀源内に相談をすると、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、鰻屋は大繁盛し、他の鰻屋もそれを真似した為、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着したという説。
「丑」の「う」にちなんで、「う」のつく食べ物を土用の丑の日に食べると、夏負けしないという風習があったとされ、うなぎだけでなく、うどんや梅干しなどの「う」のつく食べ物を食する習慣があったとされるが、今でも風習として続いているのが鰻を食べることという説。
鰻屋、春木屋善兵衛が、子の日、丑の日、寅の日の3日間で作って保存しておいたところ、丑の日に作った物だけが悪くなっていなかったからという説。
平仮名で墨汁を使って書いた「うし」と言う文字が、まるで2匹の鰻のように見えたからと言う説。
栄養価が高いウナギを食べて日本の暑い夏を乗り切るという説。
丑の日はいつから始まった?
江戸時代末期、文政5年に当時の世相や風俗を描いた文献の「明和誌」に土用の丑の日に鰻を食べるという習慣について書かれていたそうです。
平賀源内説は本当?
平賀源内が関わっているのは、店先に張り紙を貼った話と暑い夏を乗り切るために鰻を食べたという話ですが、調べてみると平賀源内は自著「里のをだまき評」に「土用の丑の日に鰻を食べる」と滋養になると記述したという説がありました。信憑性が高いかもしれませんね。
春、冬の土用の丑の日でも鰻を食べる?
土用の丑の日にうなぎを食べるのは、一般的には夏ですが、最近はコンビニで春の土用の丑の日にうなぎを売り出しているところもあるようですね。
ちなみに天然のうなぎは、秋から冬が旬の時期になり、冬眠に備えて栄養を蓄えるので、脂が乗っていて美味しいそうです。
土用の丑の日に行ってみたい!「江戸時代から続く鰻の名店3選!
丑の日に鰻を食べるという習慣は、江戸時代から続いていると話をしましたが、その江戸時代から現在も続いている鰻の名店を皆さんにご紹介します。
江戸時代から続く鰻の名店その1:うなぎ割烹 大江戸(東京都銀座)
まず初めにご紹介するのは、東京都日本橋元町にある「うなぎ割烹 大江戸」です。寛政12年(1800年)に創業した200年以上の歴史を持つ老舗です。
一尾のうなぎを2つに切らずに焼き上げたものをお重に並べた土曜日限定の「いかだ」は一度は食べてみたい名物メニューとなっています。
下記は「うなぎ割烹 大江戸」の公式ページです。気になる方は覗いてみてくださいね。
https://oedo.gorp.jp/
江戸時代から続く鰻の名店その2:うなぎ 桜や(静岡県三島市)
次に紹介するのは、静岡県三島市広小路長にある「うなぎ 桜や」です。安政3年(1856年)に創業した老舗で地元や県外から多くの人が訪れる有名店です。
富士山の雪解け水を仕入れたうなぎに数日間流してから締めたうなぎは絶品。事前に連絡を入れておくとウエイティングシートに代理で記入をしてくれます。人気店の為、待つのが嫌な方は予約しておきましょう。
下記は「うなぎ 桜や」の公式ページです。気になる方は覗いてみてくださいね。
http://www.sakura-ya.net/
江戸時代から続く鰻の名店その3:魚伊 本店(大阪府大阪市)
最後に紹介するのは、大阪府大阪市旭区高殿にある「魚伊 本店」です。慶応3年創業の老舗で、鰻の卸問屋も営んでいる為、目利きによる良質の鰻を堪能することができます。備長炭の強力な火力で焼き上げた鰻は、小骨が少なく、外はパリパリで中みはふわふわです。
下記は「魚伊」の公式ページです。気になる方は覗いてみて下さい。
http://www.sumiyaki-unagi.com/
結論!
・「土用」は立夏、立春、立冬、立春の直前18日間の4つの期間。
・土の気が盛んになるとして、穴掘りや土をいじることは避けられていた。
・土用に土いじりをすると、土公神が怒り、祟りを起こすという話もある。土用に入る前に着工している場合は、土用中も作業を続けても問題無し。土用に入ってから土いじりをしたときは、土いじりをした場所に塩をまきながら土公神に謝罪しよう。
・土用の間日なら土いじりをしても土公神が天上に行くと言われている。間日なら土いじりをしても大丈夫。
・江戸時代には鰻を食べる習慣があったことが明和誌に記載がされていた。
・平賀源内は自著「里のをだまき評」に「土用の丑の日に鰻を食べる」と滋養になると記述していた。
・「間日」の間は、土公神が文殊菩薩という仏に招かれて天上に行く為、この日は土いじりをしてもいいとされている。
・鰻を食べる風習は夏が一般的だが、天然の鰻の旬は秋から冬。
・うなぎ割烹 大江戸(東京都銀座)
・うなぎ 桜や(静岡県三島市)
・魚伊 本店(大阪府大阪市)
いかがだったでしょうか?
今回は、土用の丑の日の意味やうなぎの食べる理由をご紹介しました。年々うなぎが取れる量が減ってきたこともあり、うなぎの値段が高騰したという話もありました。原因は詳しくはわかりませんが、これからもおいしいうなぎを食べれるといいですね。
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