アメリカで子供の留守番は何歳から?日本人が知らないアメリカの子育て事情!

あごに手を当てる女性

アメリカは日本と比較すると、治安の悪い場所がとても多いです。

銃の所持率も高く、銃による犯罪は後をたちません。

そのためアメリカでは、親はどんなときも子供の安全が最優先になる生活をしています。

国全体でも子供を守るためのさまざまな決まり(法律)をつくっています。

そんなアメリカの子育て事情について調べていると、「子供を1人にするだけで逮捕される」とか、「留守番しても良い年齢が法律で定められている」とか、ネット上でも色んな情報が溢れていてどれを見たら良いのかと頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はアメリカ在住の筆者が、日本とは違うアメリカの子育て事情や子育てに関する法律、子育てにおける治安・環境について、実際にあったエピソードなどもふまえて詳しくお話したいと思います。

また、アメリカで全く意識のないままに虐待を疑われて通報されてしまわないように、日本と違う子供への接し方についても少しお話しますので、ぜひ最後までごらんください。

アメリカで子供の留守番は何歳から?一人で留守番は逮捕?

窓から外を見る女の子

それでは早速アメリカの法律で子供が何歳から留守番できるのか見ていきましょう。

結論から言うと、アメリカでは法律で「子供を留守番させてもよい最低年齢」が決まっているのは、イリノイ州(14歳)とメリーランド(8歳)の2つだけのようです。

法律で年齢が決まっていない州の方が圧倒的に多いです。

アメリカはとても大きい国で、たくさんの州があり、その州ごとにも法律がありますし、州の中でも町や市などで違うルールがあります。

ただ、平均してどの州でも12~13歳(ティーンエイジャーとして認められる年齢)までは常に親が子供の側にいて保護をする必要があると言われています。(登下校の送迎・買い物・習い事への送迎・外で友達と遊ぶときなど。)

法律で年齢が決まっていない州

「親がいなくても子供だけで大丈夫」と判断をするのは「何歳から」という考えではなく、親が全ての責任をもつことを前提として自分の子供(12~13歳以上)の成長度合いから、「1人で安全に留守番をすることができる」と判断をした上で留守番をさせています。

判断基準として少し例を挙げますね。

例えば、

  • 緊急事態になったとき、自ら救急や家族などに連絡をして状況を伝える・避難するなど適切な対応がとれる
  • 留守番に対して恐怖や不安がなく、精神的にも成熟しているといえる
  • 留守中に訪問する人(セールスや近隣住民など)があったときの安全を考えた対処法を家族で話し合って周知できている

などです。

当然のことですが、留守番中に子供に万が一のことがあれば親が全責任を問われます。

親が子供と離されるのはもちろん、児童虐待とみなされ逮捕されることがあるので、この留守番させるかどうかの判断はとてもむずかしいものです。

その為、アメリカでは親が不在になる間だけベビーシッターに頼んだり、付き合いのある近所の友人や親族の家に子供を預けて見てもらう人が多いです。

もしも児童虐待とみなされた場合は、状況にもよりますが、軽い罪だと判断されても1年未満の禁固刑や10万円以上の罰金をとられます。

ケガや命に関わる危険・可能性が考えられる場合は重罪と判断され、より重い刑・罰金となります。

法律で年齢が決まっている州

「何歳から」と決められた年齢以下の子供を留守番させていることが警察に見つかれば、即違法とされ逮捕されます。(この場合警察は裁判所や児童保護サービスの許可無しに親を逮捕できます。)

警察に見つかる過程でよく聞くのは、“近所の人の通報”によるものです。

アメリカでは子供の安全が第一です。そのため、もしも子供に何かあるのではないかと思われる状況があれば、それを見つけた人に通報の義務があります。

日本では、留守番をしている子供を見かけたら「1人で留守番?偉いねぇ~。しっかりしてるね~。」と声をかけられるところかもしれませんが、アメリカであれば「子供を1人にしている家なのね!?すぐに通報して子供を守らなきゃ!」となるわけです。

国が違えば物の見方は大きく変わりますね。

ただ、留守番をほんの少しの時間でもさせると犯罪になるのかというと、州によって少し違ったルールや解釈もあるので、それは住む州ごとに確認をする必要があります。

例えば「○歳以下の子供のふさわしくない期間を超えての留守番はいけない。」という表記があるとします。

それは場所によって、「半日以上子供だけにするのはいけない。(半日以内ならセーフ)」「夜中、家に子供だけにするのはいけない。(時間帯によってはOK)」ということもあります。

裏を返せばOKということもありますが、周りの人が気づいて心配をして通報をしたりすることもあるようですので、絶対に大丈夫とは言い切れないといったところです。

私の住むカリフォルニアは、法律で決められた年齢はないようですが、子供のいる親御さんに聞いたところ、日本語補習校からもらったプリントには「14歳以上の子供でも3時間以内しか留守番させてはいけません。長時間の留守番は18歳以上しかいけません。」と書かれていたようです。

それでは次に「法律で年齢は具体的に決まっていないけれど、この年齢を参考にして留守番をさせるべきか考えてください。」という指標を示したものがあるので紹介します。

年齢
コロラド州・デラウェア 12
ミシガン州 11
ニューメキシコ州・オレゴン・テネシー州 10
ジョージア州・ノースカロライナ州 8
その他 None

こちらの詳細に関しては下記の参考サイトをごらんください。

「None(無し)」は最低年齢が決まっていないという表記です。

こちらが参考サイトです。気になる方はこちらからご覧ください。

(The Washington Post)より

※表の見方は、左から州の名前・指標となる最低年齢・参照されたページです。

※こちらにも最後にかかれていますが、表記されている年齢は子供が1人で留守番することを合法的に認定している年齢ではありません。

アメリカで子供だけでの留守番はあぶない?アメリカの治安は?

ピッキング

上記の通り、アメリカで子供だけを留守番させるというケースはほとんどありません

もしも留守番をさせるとなれば、防犯のための対応(緊急時の連絡方法・手順や避難場所の確認、護身術体得など)の徹底が必要だと思います。

私は、実際にアメリカに住んでみて子供だけの留守番は危ないと思ったので、その理由となった経験談を少しご紹介します。

ドアノブを回される

ある日の平日のことでした。

主人は仕事に行き、私は家にひとりでした。

のんびり本を読んで過ごしていたら、突然ドアノブがガチャガチャと回されました。

そのときは鍵がかかっていたからか、そのまま何事もなく終わりました。

でも、もしもあのとき鍵を閉めていなければ・・・誰かが侵入してきたら・・・私は何の対応策もありませんでしたのでどうなっていたか分かりません。

後から思い出してもとても怖いです。

ちなみにこれは別の日にもあり、2回ほど体験しました。

怖くなって近所に住む日本人の友達にこの話をしたところ、このようなことはアメリカでは結構あるということでした。

家を間違ってノックしたり鍵をさす人もいるようですが、やはり鍵の閉め忘れている家を探している空き巣は多いようです。

ほかにも、夜中に全く知らない人に玄関の扉を何度もバンバン叩かれて、「開けろ!」としつこく叫ばれた人もいるようです。

日本から来たばかりで慣れない土地でもあったので、とても怖い思いをしたと言います。

もしも子供だけで留守番中にこんなことがあったら、子供はどれだけ怖い思いをするでしょうか。

また、親が万が一家を出るときに鍵を閉め忘れたり、子供が親だと思って鍵を開けてしまったりしていたら、どうなるのでしょうか。

浮浪者の訪問

またある日のことです。

私の住んでいる地域は、アメリカの中でも比較的安全な場所と言われています。

その日は同じアパートに住む友人宅へ夫婦ふたりでお邪魔して夕飯を頂き、帰宅したところでした。

扉をノックされたときは、私たちが何か友人宅に忘れ物をして、それを友人が届けてくれたのかと思いました。

一応夫がのぞき穴をのぞいたのですが、もう外は暗くてよく見えませんでした。

私たちのアパートは治安も良いと感じていたので、あまり警戒心を抱くことなく夫は扉を開けました。

すると黒人の男性がひとり立っており、突然夫に1ドル札を見せているのか、押し付けようとしているのかしながら、何やら英語で話しかけてきます。

その英語は言葉になっていないのか、こちらが聞き取れていないのか何やら理解できずに怖くなりました。

扉には日本のように安全対策のチェーンなどついていないため、いつ襲いかかられてもおかしくありません。

「これあげるから、お金を恵んでください。」という意味であったのか、身なりからして浮浪者の人でしたが、物腰が低い訳ではなくグイグイくる感じで、私が「怖い。怖い。」と大きな声を出して言ったので、夫も慌てて「No!」という言葉を繰り返し扉を閉めました。

この日から、扉は不用意に開けてはいけないと強く反省しました。

タイミングが悪く友人だと思い込んでしまったことと、外が暗くてのぞき穴が見えなかったことから開けてしまいましたが、扉を開ける前に声で「Who is it?(誰ですか?)」と聞くことが大切だと学びました。

大の大人がこれですから、もしも子供が警戒心なく扉を開けてしまったらどうなっていたでしょうか。

もしも銃や刃物を持っていたら、それに子供の誘拐も多いアメリカです。

私はこのことから子供の留守番は日本とは桁違いに危ないと感じました。

これは私の経験ですが、こちらに住む日本人の中にはもっと怖い経験をされているかたも多いです。

むやみに親の心を不安にさせたい訳ではないのですが、日本人の性格的に扉を叩かれたときに居留守を使うことに抵抗があったり、居留守を使いたいけど家にいるのがバレている状況の場合には、出ないといけないと感じてしまう傾向にあるので、大人であっても普段からセキュリティーにおいて学ぶことや反省すること、不安や恐怖を感じることが多いです。

また、治安がよくないという割りに値段の安いアパート(そうは言っても私の住んでいる所で17万円の家賃)では扉にチェーンがついていません。

日本のように、モニターで玄関の外を確認するシステムも無いですので、やはり子供だけで留守番をさせるというのは、おすすめしないです。

気になるアメリカの治安についてですが、参考になる犯罪統計が書かれているサイトがあったのでこちらを紹介します。

(在アメリカ合衆国日本国大使館 犯罪対策)より

アメリカで子供を安全に守るために親が行うべきこととは?

子供を抱きしめるお母さん

とにかくアメリカでは親はいかなるときも子供を保護できるように行動します。

また、親は子供がどこで過ごしているのかを常に把握しておくことが必要です。

子供自身にも常日頃から安全について考えさせる必要がありますので、親ができることにはどんなことがあるのかをご紹介します。

子供のセキュリティに関して親がするべきこと

  • 子供がどこへ行くにも親は送迎する(学校・習い事・友人宅・パーティー会場など)
  • 子供から目を離さない・離れない
  • 外でトイレに行くときは必ず付きそう(変質者がでたり、誘拐されることから守る)
  • 子供の友達を家に招くときには、相手の親にも必ず確認をする。クラスの担任に双方の親からそれについて連絡をする地域もある。
  • 子供の友達を家に招くときには、どこか家以外に外出する(連れ出す)予定があれば予め必ず相手の親にも連絡をして了承をとる必要がある。(常に自分の子供がどこで何をしているのかを知っておく必要がある)
  • 子供とどうしても離れる場合には、ベビーシッターや親族・頼れる友人などに子供を預けてみてもらう

などです。

子供のセキュリティに関して親が子供に伝えること

  • 知らない人に話しかけられても、自分のことを絶対に教えない(名前や住所など)
  • 知らない人からの電話に、「今家にひとりでいる。」「○時まで親は仕事。」など情報を言わない。その理由も必ず伝える。
  • イヤホンをつけて音楽を聴きながら・携帯を触りながら歩かない
  • 合言葉を用意する。(不審な人に話しかけられたときに家族の合言葉をたずねるようにする)
  • 見た目が怪しい人ではなく、犯罪が起こりそうな場所の特徴について普段から話し合う
  • 家にいるとき、誰かに玄関の扉を叩かれても出ない。声を出さない(応答しない)。

といった具合です。

こちらは、アメリカで実際に行われた社会実験の動画です。

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