ADHDの大人への注意の仕方のポイントは?物事がスムーズに進む言葉の選び方

ここ数年、「ADHD」という言葉を耳にするようになったと思いませんか?

ADHDは発達障害の一種で、「不注意」と「多動・衝動性」を特徴とする先天的な脳の障害のことをいいます。ADHDが知られていなかったころには、「ちょっと変わった人」という扱いを受けてきた人たちが、実は発達障害を抱えている可能性があることがわかってきました。

ADHDの人はうっかりミスが多かったり、整理整頓が苦手だったり、時間を守るのが苦手だったりと、日常生活に困難を抱えています。20人に一人はこの障害を抱えているともいわれており、この記事を読まれている方の周りにも、ADHDの特徴を持つ人がいるかもしれません。

「仕事でミスが多い」、「よく遅刻をする」、「約束の時間を守らない」といった特徴を持つ人は、意外に多いものです。でも、ADHDは生まれつきの脳の障害なので努力だけで治せるようなものではなく、どのように注意すれば良いのか悩んでしまいますよね。

この記事では、職場や近所など身近にADHDの大人がいる場合の、スムーズな注意の仕方をご紹介します。

ADHDの大人への注意の仕方のポイントは?

まず、ADHDは脳の障害であることを理解し、ある程度は受け入れ温かい目で見守ることも大切です。それでも、仕事となるとミスを放っておくわけにはいきませんし、問題となる行為をしている場合には注意をすることも必要ですよね。

注意をする前提として、大声で怒ったり威圧的な態度をとると、混乱してミスが悪化してしまうことも考えられるため、できるだけ優しい態度で接するようにしましょう。また、ADHDの人は抽象的な言葉を理解することが苦手なため、「こうしたら良くなるよ」というように具体的なアドバイスを行うことも大切です。

ここでは、ADHDの大人への注意の仕方を、よくある5つの事例をもとにご紹介します。

1.仕事上のミスが多い

「仕事に漏れがある」、「指示したとおりに行わない」など仕事上のミスが多い人は、自分がやるべき仕事の管理ができていない可能性があります。

ADHDの人は一度に多くのことを処理することが難しく、他のことを指示されると前にやっていたことを忘れてしまうなど、記憶することが苦手な傾向があります。そのため、仕事上のタスク管理をしっかりできるようアドバイスしてあげましょう。

具体的には、仕事上のタスクはエクセルなどを使って一覧表形式にし、指示されたことはすぐに表に書き込み、締め切りや期限も表を使って管理するのが有効です。タスクを可視化することで、記憶しておかなくても一覧表として残っているので、漏れを防ぐことができます。

最初に一覧表を作成する際には、どのような項目を盛り込むのか、どんなときに書き込みを行うのかなど、一緒に考えアドバイスしてあげると良いでしょう。

2.遅刻が多い

ADHDの人は時間どおりに物事を進めるのが苦手なため、遅刻が多い場合は時間の管理ができていない可能性があります。具体的には、起床時間にアラームを設定するのを忘れてしまう、一度に多くのことをしようとして混乱してしまう、出勤の準備をしている間に他のことに気を取られて遅れてしまう…、といったことが考えられます。

そのため、以下のようなアドバイスを行うことが有効です。

  • スマホのアラームを毎日一定の起床時間に鳴るよう設定しておく
  • 予定はスマホのリマインダー機能などを使って管理する
  • 持ち物の準備は前日にしておく
  • 朝起きてから出勤までに行うことを一覧にし、それを見ながら順番に進めるようにする
  • 時間に余裕をもって行動するようにする

3.整理整頓ができない

ADHDの特徴として、「片付けが苦手」というのは良く知られていますよね。

ADHDの人は、一度に多くのことを行うのが苦手なため、散らかった場所を一気に片づけるように言っても、混乱してしまい少しも片付かないということになりがちです。そのため、家が散らかっている場合には「今日は冷蔵庫の中だけ」「今日はお風呂だけ」、会社の机が散らかっている場合には「今日は机の一段目だけ」など、場所を限定して片づけるようにアドバイスするのが有効です。

また、ADHDの人は、意味のないことを記憶することが苦手です。そのため、片づける場所を決めてラベルを貼り、入っているものの名前を書いておくのも良いでしょう。どこに何をしまえば良いのかが一目でわかるので、片付けを行いやすくなります。

4.集中力がない

ADHDの人は感覚が過敏なため、気が散りやすい特性があります。そのため、エアコンの音など小さな物音が気になったり、職場の席がドアや窓の近くだと人の往来が気になったりと、些細なことに気を取られがちです。

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