小学生の冬休みの宿題の定番といえば書き初めがありますね。書初めといって想像するのはお正月らしい縁起のいい漢字や四字熟語ではないでしょうか。
でも小1はまだ習う漢字も少なく、そもそも何を書いたらいいんだろう?と悩まれる親御さんも多いのではないでしょうか。
さらに親としてはそもそもなぜ普段使わない、書きにくい筆で文字を書かなきゃいけないんだろう、準備も片付けも大変だし、下手したらお洋服も汚れる、なんてネガティブに考えている方も多いのではないでしょうか。
そんな親御さんも書初めの歴史や書初めのきちんとしたやり方を知る事でお子さんと一緒にやってみてよう!という気になるかもしれませんよ。この記事では書初めのルーツを学びながら小学校1年生にもおすすめな文字10選をご紹介します。
ぜひ親子でお正月の書初めを楽しんでみてくださいね。
小学生の冬休みの宿題といえば書初め!なぜやるの?
書初めの歴史は古く、昔は宮中で行われていた儀式でしたが江戸時代から一般市民にも普及しました。元旦の朝に汲んだお水を神棚に供え、その神聖なお水で墨をすり、吉方角へ向かって縁起のいい和歌を読んだ事が始まりとされています。
今でこそ1月5日が仕事始めというのが一般的ですが、昔の仕事初めは1月2日が一般的でした。
1月2日に「事初め」たことは長続きすると言われていた事から農家や商人などの願掛けの意も込めてこの日に1年の仕事のスタートをしていました。
さて、子どもたちがお正月に行う書初めに関しては年の始まりにまずは1年の抱負を筆でしたためることで祈願成就の願がけの意もあります。
そして、文字がきれいにかけるようにという願いを込めてこの日に書いた文字は1月15日のどんど焼きにてお焚き上げを行います。このお焚き上げで高くあがったほど願いが叶うと言われています。
このように書初めには日本の伝統文化が色濃く反映されています。
伝統文化を学ぶことはお子さまの見聞を広げ、なぜ学ぶのか、という根本的な疑問を解消してくれます。
年の初めにお子さまと書初めの宿題に取り組みながら日本の伝統文化の話も伝えてみてもいいかもしれませんね。
小学1年生向け書初めの文字おすすめ10選
小学校1年生はまだ漢字を多く習っていませんので、縁起のいいひらがなやお正月を連想する言葉を選ぶのもおすすめです。
親御さんがアドバイスするのはもちろんいいかもしれませんが、ぜひお子様自身に「お正月といえば?」「冬といえば?」など質問をしてみて返ってきた答えを書いてみてもいいかもしれません。意外な答えが返ってきて我が子の成長も噛み締められるかもしれません。
おすすめの文字
ひらがな編
そもそも縁起物の書初めなので明るい意気込みの感じる文字はおすすめです。
1.ゆめ:子どもらしく「ゆめ」という文字。子どもにも分かりやすい単語でなおかつ全体的にバランスの取りやすい平仮名です。
2.みらい:3文字ですがお正月に今年の抱負と言ってもお子様にはピンと来にくいかもしれません。「みらい」を思って書いてみようと分かりやすく伝えてみてはいかがでしょう。
3.げんき:とにかく子どもはこれにつきますね。元気よく1年を過ごせる事を願って。
また、お正月ならではの文字もいいですね
4.さる、とり、いぬ、などその年の干支
5.もち:お正月ならではの食べ物はぜひ書いてみて欲しいですね。
6.ふじ:えんぎのいい「ふじ」。なんで縁起がいいの?なんていうお話をしながら描いてみるのも楽しいと思いますよ。ちなみに縁起の良い理由は美しい末広がりな佇まいと富士(不死)にかけて、江戸幕府を開いたかの徳川家康が愛したという由縁があるそうです。
漢字編
小学1年生で習う漢字はまだ少ないですが、その中でもバランスがとりやすく、新年を感じさせる漢字もオススメですよ。
7.学:小学生らしく「学」という文字を選んでみてもいいですね。「学校」など日頃から目にする機会も多い漢字なので見た目ほど難しくないかもしれません。
8.空:お正月の清々しい空をイメージできる書初めの「空」トメ、はらい、ハネ全てが入っているのでお習字の練習にはとてもおすすめです。
9.ふじ山:ふじに習った「山」をつけてみてひらがなと漢字の3文字に挑戦!
10.一年:二文字の漢字に挑戦してみてもいいですね。
書き初めをうまく書くコツとは?名前はどこに書くの?
字の上手い下手にこだわりがちですが、書初めを上手に書くコツとして、シンプルにハネ、はらい、トメ、など筆の特性を活かした文字が書けることが大切です。
そして筆の良し悪しももちろん影響してきますので書初めを始めるこの機会に良い筆を購入するのもお勧めです。有名な書家の先生などは何十年にも渡り使い続けているなんていう方もいるくらいです。ぜひ長い目で見て、良い筆を購入するという選択肢も考えてみてくださいね。
お子様や初心者でも書きやすい筆の特徴としては半紙にも書きやすい柄が短めで、筆はだるま筆(筆先が少し丸くなっているもの)がオススメです。
今は楽天やAmazonでも気軽にバリエーション豊かにいろいろな筆が買えるようになっていますよ。
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そして何より子どもの書初めの醍醐味は元気の良さが伝わってくる事です。
子供らしい元気の良さを感じさせるためにも半紙からはみ出すくらいの勢いで書いてみましょう。それだけでもパッと目を引く迫力感を感じられると思います。
せっかくかっこよく文字が書けても、気をつけなければならないのはよくある端っこに追いやられた感のある学年と名前です。名前も遠慮なく、力強い字で書ききりましょう。
書初めは見た時にパッと目に入るくらい主張感がコツです。そのためには、文字のバランスなどは一旦置いておいて、太く、濃く、そして力強く書くだけでも自信の満ち溢れた文字に感じられますよ。ぜひお子さんへ指導するときには太さや力強さに注力してみてください。
上手に書くための練習方法は?
書道が上手くなるためのコツはなんといっても何度も実際に書くことです。ただ、むやみやたらに書くのではなく、効率を測って練習をする事も大切です。
書道の練習には見習いという項目があります。これはお手本となる文字をしっかり目で細部まで確認し、気をつける点や文字のバランスなどを確認する作業です。
お子さまと取り組む際は親御さんが気をつけるべき文字の特性などを一緒に確認してあげるといいですね。特に書道で大事なはらう、ハネる、などはより注意して見てあげると普段から文字を気をつけて書けるようになります。
最低限文字のはねる、止める、はらうはできるようになるまでは何枚か練習してみましょう。
書初めがきっかけに習字が好きになった!
筆で文字を書くこと自体嫌いなお子様はいないと思います。
子どもは物事の準備や過程が大好きだったりするので、大人から見たら文字を書くだけなのにひと手間もふた手間も大変そうに見えるお習字ですが、意外とお子様はその過程も含めて楽しんでくれるものです。
少しでも楽しいと思ってくれているようであればぜひ習い事を検討してみてもいいかもしれません。
墨をすり、姿勢を正し、美しい文字を書くお習字の一連の行為は集中力が培われます。もちろんこれは言うまでもなく、普段のお勉強にもつながりますし、綺麗な字をかけるトレーニングをすることで板書に対する抵抗感も減ります。
そして、なおかつ日本の伝統文化に触れられる数少ない習い事でもあります。
一般的な習字の月謝は?
小学校低学年から習い始める方も多いお習字ですが、スイミングやピアノのよりも月謝が安いのが一般的です。
大体平均で3,000円〜4,000円 / 週1回 プラス、施設管理費や材料費で年間1万円ほどかかってくるのが一般的です。中には自宅の一室でボランティア的に教えてくれているなんていう無料に近い月謝のお教室もあったりしますよ。
まとめ
- なぜ書初めをするの?実は祈願成就の意を込めた歴史深い日本の伝統文化なんです。
- 小1だからこそ書いてみるべき文字10選。
- 字の上手い下手でもない、小1の書初めが綺麗に書けるコツは筆の特性を生かし元気よく書くこと。
- うまく書くための練習方法はまずは目で文字の特性と確認すること。
- 書初めがきっかけでお習字の習い事を始めるにあたって。
綺麗な字を書ける人はそれだけでなんとなく人柄も連想してしまいますよね。
私も知り合いの書家の先生の前で字を書く機会があったのですが、すごく性格に合っている文字を書かれますね。と言われた事があり、まるで占い師のように言い当ててくる先生にびっくりした事もあります。
メールやタブレットの普及で実際に文字を書く機会は減っていますが、やはり直筆で書かれた文字には心を感じられます。そういった意味でも直筆の文字からはその人の人となりを想像してしまうのかもしれませんね。
書初めをいい機会に、ぜひお子さんと日本の伝統文化に触れ、日頃当たり前のように触れている文字と真摯に向き合ってみてくださいね。
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