私の子供が小学校1年生のとき、新しい友達もできて、特に学校を嫌がることもなく行っていたので、特に何も心配はしていませんでした。
しかし、宿題ができているか確認をしたときに、算数のプリントが白紙だったので子供に尋ねてみると、「算数がわからない!」と言って泣き出しました。
「数と数字」は分かるのですが、それが「数式」になったとたんに意味がわらなくなるようで、1+1=2の概念がない子供に、算数を教えるのにすごく苦労しました。私以上に、教え方が下手だった私に教えられた子供の方が苦労したと思います。
小学校1年生で「数字を数式にする」ということがわからない子供が多く、算数はつまずきが多い科目です。そして、子供だけでなく親も教え方につまずきが多い科目です。何故なら、数を式にするという概念が初めてだからです。
そのことを理解せずに教えていると、子供は分からず、親は「なぜ子供が分からないかが分からず」となり、最終的には、親は怒り子供は泣きだし、勉強どころじゃなくなります。私がそうでした。ですので、その様な悲惨なことが少しでも減るように願いを込めて、この記事を紹介します。
小学校1年生の子供に初歩的算数を教えるにあたり、私の体験から学んだことを、新小学校1年生のいるママさん、または来年以降でも小学校に入学予定のママさんの参考になれば幸いです。
算数が苦手!小学校1年生のつまずき箇所は?
大抵の子供は、最初は算数が嫌いです。大人でもそうですが、「わからない」ものは人間嫌いだからです。理解さえできれば、大体の子は好きになになります。
好きまでいかなくとも算数に対しての拒絶反応は無くなります。なので、最初の基本の「キ」が理解できるようになることが1番大事だと言っても過言ではないです。
算数が苦手な子供の特徴
得手不得手は人間誰にでもあるので、算数が苦手な子供もいます。算数が苦手な子供の特徴は、「自分で考えることがそもそも嫌い」という子供です。
出来る様になれば、子供は算数が楽しくなり好きになる可能性はあるのですが、暗記とは違い自分で考えなければいけないので、考えるのが嫌いだと、ある程度理解ができるようになっても嫌いなので、苦手になります。
その様な子供には、まず「自分で考えることの大切さや面白さ」を算数だけでなく、絵本読みや日々の会話の中で教えていくことが必要です。
小学校一年生の最初のつまずき箇所は?
- 数字を合わせるための数式が理解できない
- 文章問題の意味が解らない又は、文章と数を数式に変換することができない
と主に2つです。
数式という概念をまず理解することが第1であり、そこをクリアした後につまずくのが、文章問題です。
1つずつ説明していきます。
数字を合わせるための数式が理解できない
実は、当たり前と言えば当たり前です。
1+1=2という事は、大人なら当たり前なのですが、小学校1年生にとっては、初めての概念だからです。この初歩的な数式概念をまず覚えてもらうことが必要です。
子供は「何で?」とよく聞きますが、「1+1=2という数式になるのは何で?」と聞かれると、「計算を分かりやすくするために式がある。」等と言っても、「?」となる子は多いです。ですので、まず「数式はこういうもの!」という事を強調して教えましょう。
「何で?」という探究心はすごく大事ですが、「こういうもの」とある意味、定義をすんなりと受け入れることを学ぶことも同じくらい大事です。
数式が便利とわかるのは、数式をある程度使えるようになって初めて感じる事なのです。例えば、PCのエクセルの計算機能と、計算機どちらが便利かと言えば、PCのエクセルの計算機能ですが、ある程度使いこなせるようになって、初めて「エクセルの方が便利」という事に気付きます。
それと一緒で、理解できるまではただ使うしかないので、まずは細かい事は置いといて、数式を使うことを念頭に置きましょう。
文章問題の意味が解らない又は、文章と数を数式に変換することができない
♣文章問題の意味が解らない場合
文章問題の意味が解らないという事はまず、算数より国語力が問われるところです。
例えば、「Aさんが飴玉を5個持っていました。AさんはBさんから飴玉を4個貰いました。Aさんは全部でいくつ飴玉を持っているでしょう?」という問題があったとします。(大人向けに漢字を使っています。)
この時に、「飴玉」、「個数」、「持っている」、「貰う」、「全部で(最終的という意味も含め)」等の言葉の意味を理解していないと、数式にできません。上記の文章問題は簡単なものですが、複雑な文章問題も要点は一緒で、その単語や動詞の意味が分からないと、子供は「?」になります。
なので、ども単語や動詞、接続詞などなるべく細かくわけて、どの言葉が分からないかを、聞いてあげて、教えてあげれば大丈夫です。
♣文章と数を数式に変換することができない場合
文章と数を数式に変換することが出来ないのは、1+1=2がわからないのと同じで、数式を理解できていない事です。上記の文章問題であれば、
「Aさんが5個持っている」+「Bさんが4個上げた」、「全部で9個」=「5+4=9」
となります。
これは子供に飴玉(おはじきでも何でもいいのですが)、で再現してあげて、その後に、「(5+4=9)とは、こういうことだよ!」と教えてあげてください。その時に、「何で?」と言われたら、「こういうものなんだよ!」と子供に負けずに、やさしく、しつこく教えてあげましょう。
経験談!算数苦手な小学校1年生におすすめの勉強法とは?
- 物を使い視覚的情報で計算をして、それを数式で教える
- 10の組み合わせを覚える
- さくらんぼ算
初歩を教えるにあたり、最初にこの3つがおすすめです。
1つずつ説明していきます。
おすすめの勉強法
1.物を使い視覚的情報で計算をして、それを数式で教える
物を使って計算することで、遊び感覚でできて教えやすく、最初の計算の概念を教えるにはベストな方法です。使うものはコインやおはじき、ビー玉などを使うのはなんでもいいですが、同じものを使用しましょう。
例えばコインとビー玉だと、別のものと認識するため、「コイン1枚+ビー玉1個=コインとビー玉が1つずつ!」という解釈になったりするため、教えにくくなるからです。また、子供が好きな物でやるとより子供のやる気を引き出すことができます。
「○○ちゃんが(子供)が1つ持っているよね。ママの持っているのを1つあげると、○○ちゃんは全部で合わせて何個になる?」等と話をしながら楽しくしてください。
ポイントとしては、「全部で」や「合わせて」など文章問題に出てくるような言葉を交えると、文章問題にも効果があります。
そして「2個!」と答えがでたら、「(1+1=2)はこういう事を式で表しているんだよ!」数式に表して再度教えてください。
引き算でも同じですが、引き算の場合は「残りは?」という表現で、「引き算=残りを計算する」という事を強調して教えると、足し算との区別がはっきりするため、わかりやすくなります。
2.10の組み合わせを覚える
「5+5」「1+9」「6+4」などの、足して10になる計算をたくさん教えて、合わせて10になる組み合わせを覚えることです。計算自体は簡単に分かりますが、様々な10になる組み合わせをスムーズに覚えることで、繰り上がりの計算がスムーズになるからです。
例えば「8+6=14」という問題をするときに、10の組み合わせがスムーズに分かると、「8+2=10、6-2=4、だから14」または「6+4=10、8-4=4、だから14」という、工程が頭の中でスムーズにできるようになります。
1~9までの数から位が1つ上がる、繰り上がりの考え方の初歩は10という数字のパターンを知ることです。小学校では繰り上がりの問題につまずく子供も多いので、是非取り入れてください。
3.さくらんぼ算
さくらんぼ算とは、「2は1と1に分けられる」というように、数を分けるときに、どのように分けることができて、何パターンあるかなどを考えるときに使うものです。数字を分けることにより、繰り下がりに役に立ちます。これも最初は、おはじきなどの物を使い、視覚的に見ながら計算するとスムーズです。
例えば、5個のおはじきを並べて「3個と2個、1個と4個」などに分けて見せて、今度は子供にやらせて見せて、「1つの数字を分ける」ことを覚えてもらいます。このような方法で、1~9までの数字の分け方やパターンを教えてあげてください。
学校では繰り下がりのある引き算を使うときに、「減減法」というやり方で教える場合があります。
減減法は例えば「16-8=8」の様な繰り下がる計算をするときに「16の1の位が6ですので、8を6と2に分けます。そして16-6=10という計算をして10という数字を出した後に10-2=8」という様に分けて計算をします。式だけで言うと「16-8=16-6-2」と変換する方法です。
大人から見たらややこしいのですが、子供はまず10を基準にして計算しますので、その際にさくらんぼ算をしていると、引き算をするときに、引く数をどう分けて考えれば計算しやすいかが、子供自身もでもわかってきます。
「楽しく勉強」も大事!
「楽しく勉強をすること」も大事です。ですので、楽しくできる環境も重視しましょう。
例えば、物を使うときに小さいチョコや飴などのお菓子を使い、正解したらそのお菓子をあげたり、1~10までの数字カードを子供とつくり、パズル間隔で10の組み合わせをしたり、さくらんぼ算をすると、子供も喜びながら勉強をしてくれます。
算数ドリルなどの教材は?
「楽しく勉強」には、教材も大事です。小学校1年生の最初は、「1+1=2」の概念を覚えるのが先決ですので、算数の問題内容よりも、子供が興味を持ってくれるような算数ドリルがおすすめです。
まず、子供が興味を持ってくれるようなものを選びましょう。
おすすめの算数ドリルは「すみっコぐらし学習ドリル 小学1年のたしざん ひきざん」です。大体の子供は、すみっコぐらしが好きですので、表紙を見ただけで興味を示してくれます。私の子供も、表紙の見た目で「これやりたい!」と言ってくれました。
また、たくさんの、すみっコぐらしのシールがついてきますので、1回分の問題が終わった後に、シールを貼ることで、子供にはお得感があって、また次もやりたいと思ってくれます。1回の問題集が5分~10分でできますので、算数を教える親の負担も、そんなにないです。
Amazonから購入が可能ですので、もし簡単な算数の教材で迷っているのであれば、是非試してみてください。下記のアドレスから、購入できます。
結構、親子で楽しく算数が出来ますよ!
親から子供への上手な教え方は?
「出来ないこと、わからない事、間違い」に対して怒るのは絶対にNG!
1番大事なことは「出来ないこと、わからないこと、間違いに対して怒らない!」という事です。
大人は「何でこんなことも分からないの?」とすぐに疑問を持ってしまいます。しかし、よく考えてみてください!分からないから教えているのです。
「分からないから教えている!」という事を忘れないでください。
間違ったことに対して怒ってしまうと、子供は畏縮して計算どころではなくなり、答えに自信が持てなくなります。また、答えを書くたびに、まず親の顔色をうかがうようになります。
私自身が1番反省したことです。
ただし、子供の勉強の態度が悪い事に対しては、すぐに叱りましょう。問題を間違ったことに対しては怒っていけませんが、態度が悪い事は話が別です。集中するべき時は集中するように注意をしましょう。
そして、ゆっくりでいいので自分で考えて答えが出せるまで、笑顔で待ってあげてください。
子供が本当に分からない時は、同じような問題を回答付きで教えてあげて、再チャレンジさせてあげてください。そして、出来たら褒めてあげることも大事なのですが、子供と一緒に喜んであげてください。
子供に算数をしてよかったと思ってもらうことが1番重要です。
反復練習あるのみ
あとは、とにかく反復練習です。算数に限らずですが、学習は基本的に反復練習です。1日10分の短時間でも良いので、同じような問題を何度も反復していくうちに、応用もきくようになります。
これが大人も子供も1番大変なのですが、短時間でも良いので地道に取り組んでください。その分、効果は十分に期待できます。
教えるのは1人がおすすめ
夫婦で交互に勉強を教える人もいますが、夫婦で同じやり方で教えているつもりでも、同じ人間ではないので、教え方が違うときがあります。そうなると、教わる子供は混乱してしまいますので、小学校1年生の最初の初歩を教えるのは、ママさんかパパさんのどちらか1人が教えることをおすすめします。
どうしても算数が出来ない場合はどうする?
担任の先生に相談するべき?
まずは担任の先生に相談しましょう!
他の子供より算数が出来ないと心配になりますよね。私は先生との面談の時には、算数の事をよく相談していました。
算数の事を先生に相談したことで、教え方を学ぶだけじゃなくて、先生は親が心配していることを意識して子供に教えてくれたので、それが子供にも伝わり、「算数をしないといけない!」という意識が、少なからず子供につきました。
また、何度か相談していると、先生とも色々話せるようにもなるので、算数以外の事も気軽に話せるようになり、友達の事とか、他の科目の事とかの情報も得やすくなります。
家庭教師と塾に行かせるのはどっちがいい?
そういう時は、家庭教師を雇うことや、塾に行かせるのも1つの手です。
親は教育のプロではありません。昔から「餅は餅屋」という言葉があるように、出来ない時はプロに頼むのも1つの手です。家庭教師か塾のどちらにするかは、子供の性格や環境で使い分ければいいです。
家からあまり出たがらない子は、家庭教師を雇うほうが子供も受け入れやすいですし、小さな兄弟がいるにぎやかな家庭では、塾に行かせて、集中しやすい環境で勉強した方が、本人もやりやすいです。
算数だけが大事なわけじゃない!
私の子供は確かに算数がすごく苦手で、何とかできるようになりましたが、今でも得意ではありません。基本的には「足し算」「引き算」「掛け算」「割り算」は自分の頭で考えて計算はできるようになりました。
ただ、社会で生活する中でそれだけできればさほど問題はないはずです。ですので、私はあまりそれ以上のことは望んでいなくて、本人が好きな違う教科かを伸ばす方にベクトルを向けて、子供を応援しています。
まとめ
まずは数式の概念から
今回は、小学1年生の初歩の初歩である、数式の概念を教える大切さをお伝えしました。
1+1=2という概念は、大人には当たり前すぎるのですが、小学校1年生には初めての概念です。ですので、まずは簡単な数式から慣らして、数式という概念をつくる必要があります。
その中でも最初は、おはじきなどの物を使い視覚的な観点からと数字的な観点を合わせるとより分かりやすくなります。10という数字の組み合わせや、数字を分けるさくらんぼ算は繰り上げ、繰り下げの計算には必ず役に立ちます。
怒らないで笑顔で
子供に教えるときには、わからない事や間違いに対して怒るのは絶対にNGです。私は、畏縮した子供の表情や、親の顔色をうかがう子供の表情は今でも忘れられません。本当に後悔しています。
ですので、くどいようですが、怒らないことは本当に大事です。やらない事や態度が悪い事に対しての注意はいいですが、何度子供が間違っても「分からないから教えている」ことをその都度思い返しましょう。
餅は餅屋
無理に親が教える必要もありません。教育のプロである家庭教師や塾の講師に頼むのも1つの手です。ただし、子供の性格や環境、希望はなるべく考慮してあげてください。
最後に一言
ほとんどの親は、教育に関しては素人です。
しかし、我が子の親という事に関しては、誰よりも専門家です。学校の先生や家庭教師や塾の講師などより、子供を1番近くで見ていて、誰よりも子供の事を考えているのは親です。ですので、自信をもって子供に教えてあげてください。
ただし、子供の教育のためには、まず親が先に教え方の勉強をすることが必要ですよ!
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