11月は秋も終わりに近づき、冬への支度を人も動物も植物も始める月ですよね。
気温も一月のあいだにどんどん変化し、雪がちらつくこともあるでしょう。
同じ日本でも地方によっても変わります。
そんな季節の変わり目の11月に手紙を出すときにはどんな季語を使えばいいのでしょうか。
季語を使った迷った時にそのまま使えるあいさつ文の例をご紹介。
また、そもそも季語とはなんだろう?という疑問も解説しています。
季語を使いこなして素敵なあいさつ文をつくりましょう。
11月の季語一欄!ビジネスの挨拶で使える季語はこちら!
ひと月の中でも上旬~下旬に分けて紹介しています。
11月は季節の移り変わりで気温や天候の変化しやすい時期。
上旬で初雪がある年もあれば、下旬までまだ温かいなと感じる年もあります。
その時々によって柔軟に季語を変えて、季節感を表現できるように使用しましょう。
上旬
- 晩秋
- 霜降
- 霜月
- 錦秋
- 深秋
- 暮秋
- 惜秋
中旬
- 立冬
- 落葉
- 枯葉
- 初霜
- 夜長
- 菊花
- 菊薫
- 冷雨
下旬
- 向寒
- 霜秋
- 霜寒
- 霜枯れ
- 夜寒
- 小雪
手紙の中ではこの季語に「~候」、「~のみぎり」と合わせて使用します。
例えば「晩秋の候」、「晩秋のみぎり」など。
特に違いはなく、問題ありません。
ちなみに、間違えやすいですが、「候」はここでは「こう」と読みます。
「そうろう」ではないので要注意。
季語の具体的な使用方法は次で紹介しています。
ビジネスで使える11月の挨拶文例5選!
「拝啓」のあとに季語を使用した挨拶を書きます。
その次に要件を伝える主文を記載します。
最後の末文には相手方の繁栄や活躍を祈る文を書き、「敬具」と締めるのが一般的なマナー。
「拝啓」と「敬具」は必ずセットで使用します。
時候の挨拶例
参考:結びの例
実はwordには時候の挨拶などを挿入できる機能があります。
パソコンで文章を作成するときには便利!
ビジネス文章全体も記載されている次の動画がとても参考になりますよ。
Word基礎講座 #53 あいさつ文を入力する方法
ここまでで、季語ってとてもたくさんの数があって、更に同じ季節や月の中でも使うタイミングが違いますよね。
それでは、なぜ手紙にはこのような時候の挨拶の習慣ができたのでしょうか?
季語とはそもそも何?いつから手紙に季語をいれることになった?
季語とは季節を現す言葉
学校の授業で季語という言葉は聞いたことがないですか?
俳句で必ず1度は使わなければならない、季節を現す言葉です。
季語は春夏秋冬それぞれで明確に決まっていて、旧暦に沿っているため今の季節感とは少しズレがあります。
細かく分類があって、時候、地理、行事、動物、植物などなど。
この中の時候を使用し挨拶にしたものが「時候の挨拶」とよばれ、例えば「晩秋の候」「霜月の候」。
季語の分類例
- 地理:春の野、雪解け、薄氷
- 行事:入学式、運動会、卒業式
- 動物:燕、雲雀、蝶
- 植物:桜、梅、藤
どうでしょうか?
言葉を聞いただけでなんとなく季節を思い描くことができますよね。
このような雰囲気や情緒を伝える重要な役目を果たしています。
手紙に季語をいれ始めた由来は不明
なんと明確にわかっていません。
俳句を詠んでいた俳人ですら手紙では季語を入れていなかったともいわれています。
由来はわからずとも、四季の移り行く日本ならではの素敵で情緒ある表現ですよね。
その季節感を共感したい、そちらはどうですか、という意味を含めた自然な流れで季語をいれるようになったのかもしれません。
手紙に季語をいれないと失礼にあたる?
ビジネス文章においては失礼にあたります。
考えてみましょう。
あなたの向かいから相手が歩いてきて、突然「会社が移転しました。」と言われたらどうでしょうか。
突然なんだ、と驚きますよね。
手紙でもそうです。
いきなり「会社が移転しました。」と書かれているとメモかチラシかな?と違和感を覚えませんか。
手紙は読む相手が必ずいます。
まず、その相手に最初に話しかける一文として季語を使った時候の挨拶が適切なのです。
自分の要件だけをただ突きつけるだけでなく、マナーとして手紙でも挨拶をしてから相手に話しかけましょう。
また、季語を使うことでそんな季節にもなったなあと自分も相手も共感できます。
まとめ
- 11月は季節の変わり目で季語も秋や雪を含むものまで幅広い
- 季語は上旬~下旬まで分かれているが、その年、時で柔軟に変える
- 季語とは季節を現す言葉で、春夏秋冬、時候、動物、植物など数は膨大
- ビジネス文章において時候の挨拶は必須
季語を使った時候の挨拶は要件をつたえるための前置きでスムーズに主文(要件)に導入できるようにするための大切な部分。
日本ならではの季節感を感じることができる情緒ある一文です。
月によって使う季語は様々ですが、正しく使うことによって美しい文章が生まれます。
特に11月は移り変わりの時期。
必ずしも上旬はこの季語!と難しくとらえすぎずに、その時の気候によって適切な季語を用いるようにしましょう。
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